人気RPGゲーム『誰ガ為のアルケミスト』がオリジナル主人公&新たなシナリオでアニメーション映画化!

映画版オリジナルの主人公である現代日本の女子高生カスミ

 原作は全世界で900万DLを突破したタクティクスRPG『誰ガ為のアルケミスト』。この大ヒット・ゲームを、ゲーム版のオープニング・アニメーションを手がけた河森正治(『超時空要塞マクロス』『創聖のアクエリオン』)総監督のもと、劇場版アニメーションとして映画化したのが、この作品です。ゲームはバベル大陸という異世界を舞台に、7人の個性あふれる主人公が織りなす物語。それをそのまま映画化するにはボリュームがありすぎますし、ゲームをやったことのない人には複雑な設定や専門用語の数々が理解しづらいという問題が生じてしまいます。そこで河森総監督が取り入れたのが、「映画オリジナルの主人公を登場させ、映画独自の展開をする物語を作る」という手法でした。

 現代の日本。自分に自信が持てず周囲から浮いている女子高生のカスミ(声:水瀬いのり)は、不思議な声に導かれて異世界バベル大陸に召喚されてしまいます。そこは、伝説の暗黒竜デストルークにより錬金術も魔法も封じられたため、戦士たちは闘う術を失い、“闇の魔人”に蹂躙されている世界でした。カスミを召喚したのは魔法使いのリズ(降幡愛)とガンナーのエドガー(逢坂良太)。しかし、“闇を封じる幻影兵”を召喚したはずだったのに、カスミは何の力も持っていません。まったく無力のまま、異世界で闇の魔人の襲撃を受けるカスミたちの運命は…。

迫り来る闇の魔人の軍団
迫り来る闇の魔人の軍団

 何も知らない主人公を異世界に放り込むことによって、彼女の目を通して観客も設定を学んでいくことになります。“アルケミィ”“賢者の石”“真理の扉”といった用語に、カスミと同じ視線で接していくのですね。また、ストーリー展開もゲームとは違ったオリジナルなもの。ゲームの中では出会うことのなかったキャラ同士が邂逅し、会話するシーンなどはゲームのファンも新鮮な気持ちで楽しむことができるのではないでしょうか。

カスミをバベル大陸に召喚した魔法使いのリズベット(リズ)
カスミをバベル大陸に召喚した魔法使いのリズベット(リズ)

 河森作品なので、ハイスピード・バトルのスリリングなことは折り紙付き。そこに少女の成長(カスミの中に眠っていた資質が目覚めるとともに、彼女が自分らしい生き方を見出していく)や異世界で出会った戦士たちとの友情のドラマが感動的に織り込まれていきます。ゲームに興味のない人でも、独立したアドベンチャー・ファンタジーとして鑑賞できるのです。

魔法や錬金術を駆使しての高速バトルが展開
魔法や錬金術を駆使しての高速バトルが展開

 そして、物語に深みを与えているのが、単純な“善悪二元論”にしていないこと。戦闘の最前線に立つのは幻影兵(ファントム)と呼ばれる存在で、これは錬金術師によって召喚された過去の武人や英雄の魂が新しい肉体を錬成することによって具現化したもの(なんだか『FATE』シリーズのサーヴァントに似ていますが…)。映画の中では、かつて共に闘った幻影兵が敵に回るという展開があり、そこで問われるのが「他者を使役して戦闘させることの是非」なのです。また、錬金術そのものの成り立ちにも、人類が犯したある「罪」が隠されています。そんな「世界全体の歪み」を背景に据えているからこそ、物語はクライマックスに向けて盛り上がっていくのです。

 もちろんゲームの人気キャラクターたちも次々に登場し、攻撃の際に決めゼリフを放つという、ゲームのファンに対するサービスシーンも忘れてはいません。声の出演は他に花江夏樹、堀江由衣、Lynn、福山潤、石川界人ら。主題歌を担当するのは石崎ひゅーい。

(『劇場版 誰ガ為のアルケミスト』は6月14日から公開)

配給:アスミック・エース

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