愛する家族を救うためキレまくって暴走する科学者にキアヌ・リーヴスが扮するSFサスペンス『レプリカズ』

 天才科学者に扮したキアヌ・リーヴスが、ひたすらテンパってキレまくる。その暴走具合を味わう映画です。

 キアヌ扮するウィリアム・フォスターは医療開発企業の研究施設に勤務する神経科学者。今は人間の記憶(死亡した者のものも含まれる)をコンピューターに移す実験に没頭しています。家では妻のモナ(アリス・イヴ)と3人の子供をこよなく愛する優しいパパ。しかしそんな家族に悲劇が。悪天候の中、バカンスに出かけようとした彼らの車が事故を起こし、家族4人の命が失われてしまったのです。

妻と子供3人の交通事故死という悲劇がウィリアムを襲う
妻と子供3人の交通事故死という悲劇がウィリアムを襲う

「なんとしても家族を救わなければ…」パニックに陥った頭の中で、ウィリアムはとんでもないことを思いつきます。家族のクローンを作って、そこに遺体から取り出した記憶を転送すればいい、と。そのために、彼は研究所から高価な機械を勝手に持ち出し、自宅で禁断の実験を開始してしまいます。しかし、その前には次々とトラブルが発生し、それを乗り越えたと思ったら究極の難題が。クローンを製造するためのポッドは3体しかなく、4人全員をよみがえらせるのは不可能だったのでした…。その時、ウィリアムのとった決断は?

禁断のクローン人間創造が行なわれるのだが…
禁断のクローン人間創造が行なわれるのだが…

 いやはや、倫理的道義的に問題だらけの暴走行為の数々。常に追いつめられ続け、あせりまくるウィリアムの姿は、気の毒を通り越して笑えるレベルにまで迫っています。実験のために仕事をさぼる言い訳はわざとらしい仮病ですしね。熱演するキアヌはかなり可愛い(笑)。ところで、生命の創造や記憶の書き換えなど、禁断の世界に手を染めていることから、いわゆるSFスリラー的な悲劇的展開(たとえば『フランケンシュタイン』のような)を想像していたのですが、この作品はその斜め上を行くもの。後半は彼の実験に目を付けた政府組織による追跡が始まり、アクション・サスペンスに姿を変えていくのです。いったいこの話はどこへ向かうのか? まったく先が読めない(行き当たりばったりと言っても過言ではない)ストーリー進行なのでした。ラストのオチの付け方も、かなり衝撃的。

 監督のジェフリー・ナックマノフは『デイ・アフター・トゥモロー』で脚本を担当した人だそうで、そう考えるとなんとなく納得できるのかも。キアヌのファンが、あっちこっちツッコミを入れながら(もちろん映画館で声を出してはいけないので、心の中で)楽しむ映画なのです。

(『レプリカズ』は5月17日から公開)

配給:ショウゲート

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