超人気コミックが待望の実写映画化『キングダム』二人の若者の出会いが中華の歴史を変える…

 原泰久・原作の人気コミックの映画化。原作は現在53巻まで刊行され、まだ連載中という超大作のため、実写版映画化は不可能では、とまで言われていた作品です。

主人公の信(山崎賢人)
主人公の信(山崎賢人)

 舞台は紀元前215年、春秋戦国時代の中華西方の国・秦。戦災孤児で幼馴染の信(山崎賢人)と漂(吉沢亮)は、奴隷として売られた身分ながら、いつかは大将軍になることを夢見て日夜剣の訓練に明け暮れていました。そんなある日、漂は王都の文官である昌文君(高嶋政宏)によって召し上げられ王宮に上ることになり、二人の道は分かたれました。しかし、ある夜、瀕死の重傷を負った漂が信のもとを訪れ、ある場所に向かうように頼むと息を引き取ります。その場所にいたのは漂と瓜二つの男でした。彼こそは秦の若き王・政(吉沢の二役)。弟が起こしたクーデターによって王都を追われ、身をひそめていたのです。政にそっくりな漂が影武者として身代わりに死んだことを知った信は激高しますが、国を背負う王の意志の強さと、漂が自分に託した思いを受け止め、政と行動を共にすることにします。なんとか王派の昌文君らわずかな手勢と合流した彼らは、“山の民”と呼ばれる一族の力を借りようとするのですが…。

秦の若き王を演じる吉沢亮
秦の若き王を演じる吉沢亮

 秦王・政は後の秦の始皇帝。大将軍を目指す信と、中華の統一を目標とする政の長い戦いの始まりを描いた物語です。本作が賢明だったのは長大な原作を無理にダイジェストせず、序盤の5巻ぐらいまでの「王都奪還編」にしぼって映画化した点。原作者も脚本に参加し、原作の展開にとらわれない映画オリジナルの物語として再構成され、セリフも新しく書き起こされています。

河了貂を演じる橋本環奈
河了貂を演じる橋本環奈

 日本では実現できない本物の風景を求め、浙江省・象山影視城をはじめとする中国ロケを敢行し、戦国時代の王宮を再現した巨大オープンセットでの撮影や荒野を走る馬群などをとらえ、スケール感を出しています。とはいえ、描かれるのは歴史ドラマではなく、あくまでもマンガ的ダイナミズムのエンターテインメント。激しいアクションやキャラクターたちからほとばしる心情などは、マンガ的なデフォルメを駆使し、友情・努力・勝利のアツいストーリーを盛り上げていくのです。監督は『GANTZ』『いぬやしき』の佐藤信介。あまたのコミック原作映画を手がけてきた人物だけに、そのあたりのツボは心得ています。

山の民の王を演じる長澤まさみ
山の民の王を演じる長澤まさみ
大将軍・王騎を演じる大沢たかお(中央)
大将軍・王騎を演じる大沢たかお(中央)

 直情型で猪突猛進、ひたすらに熱い信を演じた山崎賢人、それとは対照的にクールな佇まいで王の威厳や風格を感じさせる吉沢亮がいずれも好演。他の出演者もマンガから抜け出してきたようで、鳥の衣装も再現した河了貂の橋本環奈、山の民の長として双剣をふるうクール・ビューティ楊端和役の長澤まさみ、豪快な大将軍・王騎役の大沢たかおらが独特の個性あふれる演技を披露。中でも大沢は、原作通りのビジュアルに近づけるため、半年以上の猛トレーニングで極太の腕を作り上げました。その役者根性には脱帽です。本郷奏多、満島真之介、要潤、六平直政、坂口拓、宇梶剛士、加藤雅也、石橋蓮司、橋本じゅんらも共演。主題歌はONE OK ROCKが担当しています。

(『キングダム』は4月19日から公開)

配給:東宝、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

(C)原泰久/集英社 (C)2019映画「キングダム」製作委員会

※山崎賢人さんの「崎」は正しい文字が環境により表示できないため、「崎」を代用文字としています。

※高嶋政宏さんの「高」は正しい文字が環境により表示できないため、「高」を代用文字としています。