ジャニーズ伝説の舞台が初の映画化。冒頭8分間1カットの長回しソング&ダンスは圧巻!『映画 少年たち』

 ジャニー喜多川が企画・構成・総合演出を手がけたミュージカル舞台劇『少年たち』の初演は1969年。当時の主演はフォーリーブスで、上演されるやいなや大絶賛され、伝説の舞台として語り継がれてきました。2010年には『少年たち 格子なき牢獄』として大阪松竹座(関西ジャニーズJr.)と日生劇場(A.B.C-Z、Kis-My-Ft2)で復活。その後もジャニーズJr.の登竜門として、出演者や構成を変えて再演が続けられてきた人気作。それが初演から50年というタイミングで初めて映画化されたのです。製作総指揮はジャニー喜多川、監督は『超高速!参勤交代』の本木克英がつとめています。

 今回の映画化で中心になるメンバーは、SixTONES(ジェシー、京本大我、高地優吾、松村北斗、森本慎太郎、田中樹)、Snow Man(岩本照、深澤辰哉、渡辺翔太、阿部亮平、宮舘涼太、佐久間大介)、なにわ男子(西畑大吾)、関西ジャニーズJr.(向井康二、室龍太、正門良規、小島健)という顔ぶれ(注:現在、向井康二はSnow Manとして活動。高地の「はしご高」は表記できないので通常の高になっています)。少年刑務所を舞台に、それぞれの事情と心に深い傷を抱えた少年たちの葛藤を歌と踊りの中に描いていきます。

 2012年、とある少年刑務所。中にはいくつかの房があり、赤房(SixTONES)と青房(Snow Man)の少年たちは互いをライバル視してケンカを繰り返し、特に赤房のリーダー格ジョー(ジェシー)と青房のコウタ(岩本)は過去に因縁があったため激しく対立。それを黒房(関西ジャニーズJr.、なにわ男子)が面白がって傍観するという図式が出来上がっていました。ある日、赤房にジュン(京本)という新入りが来ますが、彼は誰にも心を開こうとはせず、いつも一人で日記を書いているばかり。そんな時、刑務所に新しい看守長・中林(横山裕)が赴任。彼は「徹底的にお前たちを鍛え直す」と高圧的に宣言すると、少年たちを暴力で支配しようとします。地獄のような日々の中、ジュンはいじめを受けた時にかばってもらったことをきっかけに、初めて信じられる仲間を得て、夢を語り合うようになります。しかし、サディスティックな看守長の仕打ちは厳しさを増し、我慢の限界にきた少年たちはある計画を実行に移すことに…。

 日本語オリジナル曲のミュージカル映画、しかもヘタウマなパフォーマンスではなく完成された振り付けによるキレのいいダンスが観られるという点で、邦画では非常に珍しい作品になっています。これぞジャニーズという歌と踊りが堪能できるのです。なんといっても見ものは冒頭のダンスシーン。8分間にわたるパフォーマンスを、1カメラでカットを割ることなく繋げているのです。メンバーが次々と入れ替わり、カメラも上下左右に移動。しかも場所はセットではなく、実際の刑務所(明治時代に建てられた五大監獄のひとつである「旧奈良監獄」。現在は重要文化財に指定されています)を特別に使用して撮影されたもの。入念なリハーサルが繰り返されたのでしょうが、失敗の許されない緊張感が伝わってくるシーンです。しかもこの1カット演出は、パターンを変えてラストにもう一度出てきます。

 実際の監獄の中で撮影されたことによって、冷え冷えとした空気まで感じられるようなリアル感がプラス。少年たちは出番の少ない者にもそれぞれの個性が与えられ、物語に厚みを加えています。関ジャニ∞の横山裕が暗い目をした、普段のイメージとはまったく違う冷酷な役に挑んでいるのも話題。ラストには東西のジャニーズJr.のメンバーたちが次々とパフォーマンスを披露する場面もありますので、ファンにはお楽しみ。撮影が行なわれた旧奈良監獄は、今後、その施設を活かしてわが国初の「監獄ホテル」として活用される予定になっていますから「聖地巡礼」をする人も増えるのでしょうね。

(『映画 少年たち』は3月29日から公開)

配給:松竹

(c)映画「少年たち」製作委員会