禁断の「闇サイト」に足を踏み入れてしまった人々に襲いかかる恐怖『アンフレンデッド:ダークウェブ』

 この『アンフレンデッド:ダークウェブ』は、2015年に公開された『アンフレンデッド』の続編的立ち位置ですが、ストーリー的な繋がりはありません。すべてがPC上の画面で描かれ、ネットの闇に隠された悪意が襲いかかってくるという部分のみが共通した新感覚のスリラーなのです。

 中古のパソコンを手に入れたマタイアス(コリン・ウッデル)。早速起動し、様々なソーシャルメディアを開くと、そこには以前の所有者のものと思われるアカウント名が表示されていました。すべてを自分のIDに書き換え、ログイン。いつものように恋人アマヤや友人たちとSkypeでチャットを楽しんでいると、PC上に「UNTITLED」と書かれた隠しフォルダを見つけます。好奇心から開いてみるとそこには、鎖に繋がれ監禁された女性やドラム缶の中に捕らわれた者などのおぞましい動画ファイルの数々が。やがてマタイアスのもとには見知らぬアカウントからのメッセージが届きます。「俺のPCを返せ。さもないとアマヤは死ぬ」。マタイアスは触れてはいけない世界に足を踏み入れてしまったことに気付きますが、すでに手遅れで、彼やアマヤだけでなく、他の友人たちにも何者かの魔の手が忍び寄りつつあったのです…。

チャット中に謎のメッセージが…。
チャット中に謎のメッセージが…。

『アンフレンデッド』はネットいじめで自殺した被害者の怨霊が復讐するという超自然現象がテーマでしたが、今回の『ダークウェブ』はそういったオカルト的なものとは無縁。現実にも存在するであろう「闇サイト」とその住人たちによる恐るべき行為の数々を描いています。凄腕のハッカーにかかれば、パソコン上の情報は容易に書き換えられ、あらゆるデータは盗まれてしまいます。このあたりは日本映画『スマホを落としただけなのに』でも描かれていましたが、あれは単独犯。こちらは闇のネットワークがあるので、世界中のどこにいても安心とは言えない恐ろしさがあるのです。

 製作には『ゲット・アウト』のジェイソン・ブラムと『search/サーチ』のティムール・ベクマンベトフというヒットメーカーがあたり、監督・脚本はハリウッド版『THE JUON/呪怨』や『呪怨 パンデミック』の脚本家だったスティーヴン・サスコ。これが初めての監督作品ですが、劇中の時間と現実の時間をシンクロさせるリアルタイム演出でスリルを増幅。アマヤを耳が不自由な設定にすることで、迫りくる脅威を警告しても気付けないなど、細部にも凝っています(そんな障がいがある彼女に対して、手話をきちんと学ぼうとせず彼女のリップリーディングに頼りっぱなし、という描写でマタイアスの性格も浮かび上がってきます)。

 誰もが気軽に利用するソーシャルメディアには、とんでもない危険も潜んでいることを警告する映画でもあります。監督はインタビューに答えて、「この物語の中で起こることはすべて、実生活で起こったことに基づいていなければならない」というルールを作って、それを実践したと語っているのですから。

(付記)

日本だと映画に登場するサイトは架空のものになることが多いのですが、本作にはSkypeもFacebookもGoogleもすべて実名で登場しています。

(『アンフレンデッド:ダークウェブ』は3月1日から公開)

配給:ミッドシップ

(c)2018 Universal Studios. All Rights Reserved.

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やはり全編PC画面のみで展開するベクマンベトフ製作の『search/サーチ』のレビューはこちら

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