アニゴジ三部作ついに完結!『GODZILLA 星を喰う者』今度の敵はギドラだ!

ゴジラに憎しみを抱く主人公ハルオ

 アニメーションにより怪獣王ゴジラを描いた三部作(通称:アニゴジ)の最終章。2万年後の地球で繰り広げられたゴジラと人類の戦いの物語に、ひとつの決着が付けられるのです。

 しかし、過去のレビューで何度も言っているように、このシリーズは通常の「怪獣映画」の枠で語られるものではなく、ハードSFのコンセプトの中に破壊の象徴としてのゴジラをはめ込んだもの。地球人以外に2種類の異星人を出してきたのがその一端で、前作『GODZILLA 決戦機動増殖都市』が戦闘種族ビルサルドの物語だとしたら、今作『GODZILLA 星を喰う者』は宗教種族エクシフの物語と言えるかもしれません。

絶対的な強さを誇るゴジラ・アース
絶対的な強さを誇るゴジラ・アース

 苦難を乗り越えて地球に帰還した人々の前に立ちはだかったゴジラ・アース。ビルサルドの超科学が生み出したメカゴジラシティはあと一歩のところまでゴジラを追い詰めたのですが、「ゴジラを倒すためなら“ヒト”を超えた存在になれ」と語りナノメタルに人間を融合させるビルサルドのやり方に反発したハルオ(声:宮野真守)によって作戦は失敗してしまいます。ハルオの幼馴染のユウコ(花澤香菜)はビルサルドによる強制ナノメタル化によって脳死状態に。敗北感に打ちひしがれる人間たちに宗教種族エクシフの大司教メトフィエス(櫻井孝宏)は、戦いに生き延びたハルオこそ奇跡だと唱え、信者を増やしていきます。やがて地球に金色の閃光をまとったギドラが降臨。ゴジラと超次元の戦いを繰り広げることになるのです。

虚空より飛来したギドラ
虚空より飛来したギドラ

 ゴジラが我々の知っているゴジラではなく(そもそも生物なのかどうかすら明らかではない)、メカゴジラがメカゴジラシティに姿を変えたように、ギドラもまた、今までのキングギドラとは違う存在です。クライマックスは2大怪獣の激しいバトルですが、主題になるのは人間同士の問題。怪獣はむしろ脇役と言えるのかもしれません。怪獣は何のために出現するのか。文明とは何か。滅びとは何か。救いとは? 禅問答に近い哲学的な会話が延々と繰り広げられるのは、ストーリー原案・脚本を手がけた虚淵玄(ニトロプラス)の持ち味なのでしょう。

 最終章を見終わってから第1作『GODZILLA 怪獣惑星』を見返すと、ちゃんとラストへと至る伏線が張ってあったことにも気付かされます。ひたすらゴジラに対する憎しみだけで突き進んできたハルオの戦いはどのような形で終焉を迎えるのか。ゴジラという「怪獣」を新解釈で描いた意欲作として記憶に残るアニメーションです。

(『GODZILLA 星を喰う者』は11月9日から公開)

配給:東宝映像事業部

(c)2018 TOHO CO., LTD. 

アニゴジ第1作『怪獣惑星』のレビューはこちら

第2作『決戦機動増殖都市』のレビューはこちら