19秒で悪を倒す、あの男が帰ってきた! しかも今回は敵もイコライザー!『イコライザー2』

『グローリー』(89)でアカデミー助演男優賞、『トレーニング デイ』(01)で同主演男優賞と2度のオスカーに輝く名優デンゼル・ワシントン。30年以上にもわたるキャリアを誇っていますが、これまで続編映画やシリーズものには出たことがありませんでした。そんな彼が、初めて過去に演じたものと同じキャラクターを演じ、しかも自ら製作にも名を連ねている映画が『イコライザー2』です。

 デンゼルが演じるロバート・マッコールは元CIAの秘密工作員。現在はその死を偽装し、一般市民として平穏な生活を送っていました。しかし、前作で虐待を受けている少女娼婦と出会ったことで、自らの技量を活かして悪と戦い、弱いものを守り続けることを決意します。

 今回の舞台はボストン。マッコールはタクシー運転手として働きながら、乗客から仕入れた情報をもとに、人知れず悪と戦っています。その能力は、武器を携帯せず、周辺にある日用品を駆使して(時に敵の武器を奪って)相手を仕留めるというもの。所要時間、わずか19秒。その鮮やかな手口から、日本では「必殺仕事人」に例えられることもありますが、仕事人との違いは頼み人も仕事料も存在しないこと。ある時は近所の書店の娘を取り戻すためにトルコへ向かうイスタンブール鉄道にまで出向いたかと思うと、女性を集団暴行したエリート風の若者たちにはきつい制裁を加えます。

 このあたりまでは前作からの流れ。しかし、今まで続編を作ってこなかったデンゼルが、ただ単に同じことを繰り返すはずがありません。今回の敵は、今までのような簡単な相手ではなかったのです。そう、敵もイコライザーと同じ特殊技能を持つエキスパート。しかも、一人ではなく集団で彼に襲いかかってきます。したがってマッコールも銃器を持っての戦闘を強いられるのです。

 さらに、精密機械のようだったマッコールの心理にも乱れが。元上官であり、今は数少ない心許せる友人だったスーザン(メリッサ・レオ)が襲われたことで感情的になり、冷静さを失ってしまいます。また、同じアパートに住む青年マイルズ(アシュトン・サンダース)と交流を持ち、父と子の関係にも似た絆が生まれたことにより、「守るべきもの」という弱点も持ってしまったのです。

ハリケーンが迫る海辺で死闘が展開するクライマックス
ハリケーンが迫る海辺で死闘が展開するクライマックス

 というわけで、今回はマッコールの内面や過去に迫ったストーリーが展開していきます。クライマックスの戦闘シーンもスケールアップ。ハリケーンが接近し、ゴーストタウンのようになった海辺の町を舞台に、プロ対プロの壮絶な戦いが繰り広げられていくのです。このシーン、後にCGでエフェクトを加えるのではなく、巨大な送風機や水の入ったタンクを用意し、実際に暴風雨を作り上げ、役者たちはずぶ濡れになりながらの演技。迫力ある画面を作り上げています。

 監督はデンゼルに主演賞オスカーをもたらした『トレーニング デイ』のアントワーン・フークア。『イコライザー』『マグニフィセント・セブン』に続く4度目のタッグとあって互いに気心の知れた間柄。それだけにより深くキャラクターが掘り下げられ、ただのアクション映画に終わらない作品に仕上がっています。

(『イコライザー2』は10月5日から公開)

配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

前作『イコライザー』のレビューはこちら