第1作、第2作の正式な続編登場。『ザ・プレデター』から新たなるドラマが始まる!?

 1987年にアーノルド・シュワルツェネッガー主演、ジョン・マクティアナン監督で作られた『プレデター』。そこで初登場した異星人はユニークな行動原理と能力でたちまち人気者となり、映画やゲーム、コミックを席捲。90年には続編の『プレデター2』(設定上は97年のLAが舞台)が作られ、少し間を空けた2004年に『エイリアンvsプレデター』(以下『AVP』)が、06年にはその直後を描く続編『AVP2 エイリアンズvsプレデター』が新たな設定で登場。さらに10年には他の惑星を舞台にした『プレデターズ』も作られました。本作の『ザ・プレデター』はシリーズ通算6作目ということになるのですが、『AVP』シリーズや『プレデターズ』はあくまでも番外編ととらえ、最初の2作の由緒正しい後継者という位置づけになっています。

 冒頭では宇宙船同士のバトルが描かれ、片方が被弾して地球に墜落。元米軍特殊部隊で今は傭兵をしているクイン・マッケナ(ボイド・ホルブルック)が、メキシコのジャングルでプレデターと遭遇するところから始まります。仲間を殺されながらも、クインはプレデターのマスクと装備を奪うことに成功。アメリカの自宅近くの郵便局の私書箱に郵送しますが、手違いでそれは自宅に届けられてしまいます。荷物を受け取ったのは、クインの息子のローリー(ジェイコブ・トレンブレイ)でした。

『LOGAN/ローガン』の悪役で注目されたホルブルックと、『ルーム』『ワンダー 君は太陽』の天才子役トレンブレイが父子役で共演。SFバトル・アクションでありながらも、親子の絆を描いた感動作としての側面も見せてくれます。

 同じころ、進化生物学者のブラケット博士(オリヴィア・マン)は政府の極秘機関“スターゲイザー”に呼び出されます。そこで彼女が見たものは…。一方、自閉症ながら天才的な頭脳を持つ(サヴァン症候群?)ローリーは、好奇心からプレデターの装備を起動させてしまいます。そこからのシグナルを受けたプレデターは目覚め、動き出すことに。帰国したものの政府によって幽閉されそうになっていたクインは、ローリーに危機が迫っていることを知り、息子を救うために立ち上がるのです。

事件に巻き込まれてしまう進化生物学者ブラケット博士(オリヴィア・マン)
事件に巻き込まれてしまう進化生物学者ブラケット博士(オリヴィア・マン)

 クインを手助けするのは軍刑務所のバスの中で出会った元兵士のならず者集団“ルーニーズ”。戦場で心に傷を負った者たちばかりで、様々なトラウマを抱えた問題児ぞろい。しかしそんな彼らが、チームを組んで勝ち目のない強敵相手に死闘を繰り広げていくことになります。彼らの織りなすドラマもまた見どころのひとつ。

 今回、監督を手がけたのは『アイアンマン3』のシェーン・ブラック。『リーサル・ウェポン』や『ロング・キス・グッドナイト』の脚本家として知られていますが、俳優でもあり、『プレデター』1作目に出演し、最初にプレデターに殺される兵士ホーキンズを演じていました。その彼が、今度は監督としてシリーズに帰ってきたわけです。共同脚本は『クリープス』『ドラキュリアン』『ロボコップ3』を監督したフレッド・デッカー。ブラックとは学生時代からの友人で、昔のモンスター映画への愛情に満ちた『ドラキュリアン』は二人が共同で執筆したもの。『ロボコップ3』にはブラックが俳優として出演していて、仲の良さを実感させてくれます。

 その過去作を見れば想像がつくように、このコンビは“子供時代の夢を忘れずに大人になった映画少年たち”。本作では旧作へのオマージュを取り入れつつ、SF映画のファンが見たがりそうなバトルシーンを連発しています。プレデターも旧作よりパワーアップ。他の種のDNAを利用して遺伝子レベルでアップグレードした奴が大暴れしますが、後半にはそれをも上回る“究極の(=アルティメット)プレデター”までもが出現。この“どんどん強い奴が出てくる”という展開が、いかにも少年マンガ的でわくわくさせてくれるのです。

圧倒的な力を持つプレデターを倒す術はあるのか?
圧倒的な力を持つプレデターを倒す術はあるのか?

 本作では87年の中南米と97年のLAにプレデターが出現したことは既定の事実になっていて、米政府はそれを研究しているという設定(だから最初の2本の正当な続編なのです)。その中で、新たにいくつもの新発見が付け足されます。それは「プレデターが地球に来た目的は、単なるハンティングだけではなかった!」という点。では、その目的は何なのか? はぜひ映画館でご確認ください。終盤は衝撃の展開もあって、シリーズの新章開幕を告げる作品。もっとも本当に続くかどうかは、これからの興行成績(日米同時公開)にかかってくるのでしょうが…。

(付記1)

このコンビの作品だけに、ご都合主義と言われても仕方のない描写も散見。いくら天才児といっても小学生があっさりと異星人の言語を(科学者たちが30年近くかけてもわからなかったのに!)解読してしまったり、ただの女性学者がいつの間にか武器を振り回す女戦士になっていたり。まあ、細かいことは気にしないのがこういう映画の正しい見方なのでしょう(笑)。

(付記2)

『AVP』シリーズを本編と同じ世界に入れるかは微妙なところ。最大の問題点は、『プロメテウス』~『エイリアン:コヴェナント』へと続く『エイリアン』前史と歴史的矛盾が生じてしまう、という点です(それを言うと『プレデター2』でも一瞬反則があるのですが)。どこかでタイムスリップでも起こせば解消できるのでしょうが…。

(『ザ・プレデター』は9月14日から公開)

配給:20世紀フォックス映画

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