全編にABBAの曲が流れる『マンマ・ミーア!』の続編は、母から子供への”命のリレー”を描いた感動作

 全編に流れるのがABBAの楽曲という大胆な構成で、世界中で異例のロングランヒットとなったミュージカルを映画化した『マンマ・ミーア!』(08)。ギリシャの美しい島カロカイリ島を舞台に、結婚間近の娘ソフィ(アマンダ・セイフライド)が、シングルマザーのドナ(メリル・ストリープ)のかつての恋人で、自分の父親かもしれない3人の男性を結婚式に招待したことから始まる騒動を、笑いと感動で描いた物語でした。父親候補たちに、あまりミュージカルとは縁のなさそうなスターたち、ピアース・ブロスナン、コリン・ファース、ステラン・スカルスガルドを起用したのもポイント。

3人の”父親候補”も再登場
3人の”父親候補”も再登場

 あれから10年。再びオリジナルキャストが再集結して、第2弾『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』が公開されます。描かれるのはその後のソフィの姿と、若き日のドナの物語。

 母ドナの夢だったホテルをついに完成させたソフィは、支配人に任命したセニョール・シンフエゴス(アンディ・ガルシア)とオープニング・パーティの準備に奔走していました。しかし夫のスカイ(ドミニク・クーパー)はニューヨークでホテルビジネスの勉強中で、二人の間はすれ違いばかり。

 時は遡り、大学を卒業したばかりの若き日のドナ(リリー・ジェームズ)は、自分探しのための世界旅行に出発。パリでは銀行家の跡取りであるハリーに、ギリシャへ向かう途中で気ままなヨット旅をしていたビルに、カロカイリ島では建築家のサムと出会い、それぞれと熱い時を過ごしますが、どの恋も成就することなく、ほどなく妊娠に気付いた彼女は誰にもそれを告げることなく、この島に残り一人で子育てすることを決意します。

若き日のドナたちも大活躍
若き日のドナたちも大活躍

 再び現代。突然の嵐のため、予定していたゲストも取材のメディアも到着できず、がっくりするソフィ。果たして3人のパパたちは彼女を救えるのでしょうか?

 今回は二つの時代を交互に描き、若き日のドナと3人の父親候補との出会いが描かれる趣向。ドナには『シンデレラ』のリリー・ジェームズが抜擢され、見事な歌声を聞かせます。もちろん今回もすべてABBAの曲で構成。前作で登場した曲も違うシチュエーションで使用されるので、新たな発見があるのです。ドナの親友コンビ、ロージー(ジュリー・ウォルターズ)とターニャ(クリスティーン・バランスキー)も(若き日の姿も含めて)もちろん登場。主に歌と笑いで盛り上げてくれます。新キャストでは、ドナの母(つまりソフィの祖母)ルビーの役で大御所シェールが登場。ドラマ内でも歌手として活躍している女性の役で、さすがの貫禄を見せています。まさかシェールが歌う(しかもあるスターとデュエットする)ABBAのナンバーが聴けるとは!

メリル・ストリープが登場する場面では涙が止まらない…。
メリル・ストリープが登場する場面では涙が止まらない…。

 しかし、この映画、ただ明るく楽しいだけのミュージカルではないのです。なかなか姿を見せないメリル・ストリープが満を持してクライマックスで登場する“マイ・ラブ、マイ・ライフ”で、真のテーマが浮き彫りになっていきます。それは母の愛、母から娘へと受け継がれていく命のリレーです。ただ一人で子供を育てる覚悟を決めた若き日のドナ、スカイとの間に子供が生まれたソフィ、そんな娘の成長を祝福するドナ。いくつもの出会いからかけがえのない命が生まれ、その子もまた大切な人に出会い、次の命をつむいでいく…。そんな人間のささやかですが大切な営みへの讃歌が描かれ、感動の涙を誘うのです。

 そしてアンコールは恒例の、全員集合のにぎやかなソング&ダンスが待っています。老若男女、誰でもきっと笑顔で劇場を出られること確実の作品。ABBAの楽曲の良さを再認識させてくれます。

(『マンマ・ミーア ヒア・ウィー・ゴー』は8月24日から公開)

配給:東宝東和

(c)2017 UNIVERSAL STUDIOS