代役・再撮影の作品が続々完成・公開へ。「小出恵介事件」の後始末は…。

『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』での小出恵介の代役・大谷亮平(左)

 昨年の6月、写真週刊誌のスクープにより、17歳の女子高生との飲酒&不適切な関係が明らかになり無期限の活動休止ということになった俳優の小出恵介(後に相手女性とは示談が成立し、不起訴処分になりました)。この6月4日には、所属事務所との契約終了が発表され、本人も「これからは個人として活動させていただく」「いつの日か一表現者として皆様の前に姿をお見せすることができれば」と語っています。

 そんなタイミングで、本来彼が出演するはずだった作品が次々と紆余曲折を経て完成、公開されます。そこで改めて、彼の「事件」の余波を振り返ってみましょう。

 まず、最も被害が大きかったのは、6月スタート予定のNHKの土曜ドラマ『神様からひと言~なにわお客様相談室物語~』。第1話の放映を2日後に控えた時点での事件発覚で、即時放映中止が決定されました。なにしろ主演ドラマだったので撮り直しも不可能ということで、完全にお蔵入りしてしまったのです。あまりに急な決定だったために事後処理が間に合わず、しばらくは渋谷駅のホームに番宣ポスターが貼られたままでした…。

 日本テレビ系で7月16日スタートの日曜ドラマ『愛してたって、秘密はある。』(福士蒼汰主演)は、急遽、賀来賢人を代役に起用し、無事にオンエア。

 映画では今年の6月8日から公開される『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』の撮影が終わっていました。当初は公開自体も危ぶまれたのですが、全体の四分の一を撮り直すことに決定。2017年の冬に再撮影が行なわれたのです。主人公・じゅん(安田顕)の同僚・佐野の代役に起用されたのは大谷亮平。それに際して、佐野夫婦のキャラクターに改変がありました。小出が演じていた時は「お調子者の夫とそれを見守るお姉さん的な妻」という関係性だったのですが、それを大谷に合わせて「イケメンで仕事もできる夫と、彼を好きでたまらない妻」に変えたのです。まったく違う演技を要求された佐野の妻・由美子役の野々すみ花は大変だったでしょうが、おかげで主役であるちえ(榮倉奈々)&じゅん夫妻との対比がうまく仕上がったと言えるかもしれません。当初は春の公開予定でしたが数か月遅れで公開されます。

 もっと大変だったのはNetflix配信のドラマ『Jimmy~アホみたいなホンマの話~』。これは明石家さんまが企画・プロデュースを手がけたドラマで、ジミー大西とさんま自身を主人公にした実録もの。ジミー役は中尾明慶で、小出恵介は明石家さんまの役。すでに全9話が完成し、4月の沖縄国際映画祭で特別上映。7月6日からの配信が決定し、パブリシティー記事の取材も終了している状況での事件発覚だったのです。結局、明石家さんま役には玉山鉄二が起用され、大幅な再撮影の結果、こちらも無事に完成。今年の7月20日から、全9話を世界190か国に同時配信されることになりました。お笑いの黄金時代の裏側をユーモアたっぷりに描いたエンターテインメントに仕上がっています。

 海外ではケヴィン・スペイシーのセクハラ問題を受けて、リドリー・スコット監督の『ゲティ家の身代金』(公開中)が公開直前に撮り直しを敢行。代役となったクリストファー・プラマーがその演技でアカデミー助演男優賞候補になったという意外な成功例もありますから、今後公開される作品が、ちゃんとした評価を受けることを祈りたいです。

(c)2018「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」製作委員会

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