最悪のバイオテロを阻止せよ! 罠にかけられたCIA女性尋問官の戦いを描く『アンロック/陰謀のコード』

『ミレニアム』三部作でブレイクしたノオミ・ラパスがCIAの尋問スペシャリストに扮したサスペンス・アクション。彼女の魅力を最大限に活かした、きわめて正統派のエンターテインメントに仕上がっています。監督は『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』のマイケル・アプテッド。

 CIA職員のアリス・ラシーン(ノオミ)は、かつてパリで起きたテロ事件の際、犯人の尋問には成功したものの事件自体を食い止めることができず、多くの犠牲者を出してしまいます。正義感の強い彼女は自分を許せず、第一線を退いてロンドンで閑職についていました。そんな彼女に復職命令が下ります。CIAは英国で史上最悪のバイオテロが計画されているとの情報をつかみ、その連絡役を確保。尋問をスペシャリストであるアリスにさせようというのです。

 しかし、それは罠でした。CIA内部の裏切り者が、証人を殺害し、アリスが尋問で聴き出した“コード”を奪おうとしたのです。第一容疑者に仕立て上げられてしまったアリスは英米両国の情報部に追われる身に。しかし、そんな状況下でも、彼女はバイオテロを阻止すべく奔走します。

 絶体絶命の窮地に追い込まれたヒロインが、タイムリミットが迫る中、裏切り者の正体を暴き出し、巨大な陰謀を阻止しようとする。新鋭ピーター・オブライエンによる本作の脚本は、2008年、ハリウッドのスタジオ重役たちの投票による、製作前の脚本の人気ランキング「ザ・ブラックリスト」のトップになった作品。ようやく満を持しての映画化が実現したわけです。基本はエンターテインメントでありながら、動機や背景に社会性を持たせているのが現代風。古都プラハを、ロンドンやパリに見立てて撮影が行なわれました。

アリス(ノオミ・ラパス)のかつての上司役にマイケル・ダグラス
アリス(ノオミ・ラパス)のかつての上司役にマイケル・ダグラス

 注目すべきはそのキャストで、アリスのかつての上司ラッシュに『ウォール街』のマイケル・ダグラス、現在のCIAヨーロッパ支局長に『ザ・シークレット・サービス』のジョン・マルコヴィッチ、英国情報部MI5の捜査官に『シックス・センス』のトニ・コレット、わけありの元英国海兵隊員に『パイレーツ・オブ・カリビアン』のオーランド・ブルームと、いずれもひと癖ある俳優たちを揃えています。特にオーランドは今までのハンサムな王子様イメージを覆すマッチョな雰囲気で登場。誰が裏切り者でもおかしくない怪しげな面々が集まっていますので、なかなか先の読めないサスペンスが持続するのです。

マッチョでワイルドな雰囲気で登場するオーランド・ブルーム
マッチョでワイルドな雰囲気で登場するオーランド・ブルーム

 その中で、ノオミは大奮闘。聡明で行動力があり、危機に陥っても堂々と対処できるタフな女性を見事に体現しています。そのために彼女はムエタイやカンフー、柔道の訓練を積み、アリスならではの格闘スタイルを構築。撮影中に何か所も負傷しながらも、吹き替えなしのスタントに挑みました。そのリアルで“痛みを感じる”アクションが、観客を物語に引き込んでいくのです。

(『アンロック/陰謀のコード』は4月20日から公開)

配給:キノフィルムズ

(c)2017 UNLOCKED DISTRIBUTION LIMITED

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