世界中の殺し屋はすべて敵! 大幅にスケールアップしたキアヌ最新作『ジョン・ウィック:チャプター2』

『ジョン・ウィック』1作目のレビューはこちらにあります

たった一匹の愛犬のためにロシアン・マフィアを壊滅させた男“伝説の殺し屋”ジョン・ウィック。キアヌ・リーヴス扮する彼の戦いが、さらにパワーアップして帰ってきます。前作では格闘技と銃撃戦を合体させた“ガン・フー”が話題になったのですが、今回は冒頭から激しいカーアクションが炸裂。さながら“カー・フー”といった趣きです。そしてナイフと格闘技を合体させた“ナイ・フー”も登場。さらにバリエーションの豊富なバトルが楽しめるのです。

ニューヨーク最大のロシアン・マフィアをたった一人で壊滅させてから5日後。ジョン・ウィックはマフィアの残党に奪われた愛車フォード・マスタングを激闘の末に奪回し、新しい愛犬とともに、今度こそ平穏な隠遁生活を送ろうとしていました。しかし、ジョンの自宅をイタリアン・マフィアのナンバー2であるサンティーノ・ダントニオ(リッカルド・スカマルチョ)が訪れ、彼に暗殺依頼をしてきます。即座に断るジョンですが、実は彼には拒絶できない理由があったのです。それは…。

かつてジョンは殺し屋を引退する際に、最後のミッションとして“絶対不可能な仕事”に挑み、それを遂行するためにサンティーノの力を借りていたのです。その時、ジョンは「どのようなことがあっても一度はサンティーノの願いを聞く」という“聖印”に押印していました。その聖印を見せて仕事を強要するサンティーノ。あくまでも仕事を拒むジョンに対し、彼はグレネードランチャーでジョンの自宅を吹き飛ばすという暴挙に出ます。

NYの裏社会の聖域であるコンチネンタル・ホテルに身を寄せたジョン。しかし彼を迎えたホテル・オーナーのウィンストン(前作にも登場したイアン・マクシェーン)は非情な裏社会の掟をジョンに伝えます。「コンチネンタル・ホテルでの仕事はご法度。そして聖印の契約を破ることは決して許されない」

かくしてサンティーノへの煮えたぎるような復讐心を胸に、契約履行のため目的地ローマに向かうジョン。そこで彼を待っていたものは二重三重に張りめぐらされた罠でした…。

前作が大ヒットしたおかげで製作費も大幅アップしたのでしょう。前作になかったカーチェイス・シーンが登場しただけでなく、大掛かりなローマ・ロケも行なわれています。カラカラの古代浴場やボルゲーゼ公園にある国立美術館が、激闘シーンの舞台として使われているのです。出演者も、前作から引き続きのジョン・レグイザモ、ピーター・ストーメアの他、ミュージシャン兼俳優のコモンがジョンのライバルのボディガード役で、『トリプルX:再起動』のルビー・ローズがサンティーノの片腕役で、キアヌとは『マトリックス』シリーズ以来の共演となるローレンス・フィッシュバーンが情報王バワリー・キング役で登場。さらにローマのコンチネンタル・ホテルのオーナーとしてベテランのフランコ・ネロも顔を見せるという豪華版。

ともかく“キアヌ無双”とでも言いたいような死闘に次ぐ死闘の連続で、前作での殺害数84人に対し、本作ではなんとその約1・5倍の141人に! 後半では自分の身を守るため、サンティーノがジョンに700万ドルの懸賞金をかけたことによって、ジョンは世界中の殺し屋から命を狙われることになってしまいます。普通の市民に紛れていた殺し屋たちが次々とその本性を現してジョンを襲撃するシーンなど、「NYにはどれだけ殺し屋がいるんだよ!」と笑ってしまいそうな展開ですが、こうした常識はずれな世界観がこのシリーズの楽しいところ。当然、続編も製作されそうですし、『1』の前日譚をドラマ化する企画やゲーム化の話も進んでいて、ジョン・ウィックの世界はますます広がっていくのです。

監督は前作に引き続きチャド・スタエルスキ。本作の製作総指揮に名を連ねているデヴィッド・リーチは来年公開の『デッドプール2』で監督をつとめています。

(『ジョン・ウィック:チャプター2』は7月7日から公開)

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