超絶スタントでエクストリームスポーツを体感!『X‐ミッション』

ジョニー・ユタ役のルーク・ブレイシー(写真:REX FEATURES/アフロ)

以前、綱渡り映画『ザ・ウォーク』紹介の際に似たようなことを書きましたが、映画を見る際の楽しみに、「普段の生活では絶対に行けないようなところへ行った気分になり、絶対にできない(あるいは、やりたくない)ことを疑似体験できる」というものがあります。この『X‐ミッション』は、まさにそんな一本。

この映画の原題は『POINT BREAK』。これを見て「あれ?」と思った熱心な映画ファンの方もいらっしゃるかもしれません。そう、キアヌ・リーヴスとパトリック・スウェイジが共演した91年の映画『ハートブルー』(しかも監督はキャスリン・ビゲロー!)と同じ。これは『ハートブルー』をリメイク(最近はやりの言い方をすればリ・イマジネーション)した作品ということになります。

基本的なストーリーラインは旧作を踏襲しています。新米FBI捜査官ジョニー・ユタ(今回演じるのはルーク・ブレイシー。『スパイ・レジェンド』でピアース・ブロスナンと渡り合う若きCIA工作員を演じていましたね)が、命知らずの行動をとる謎の強盗団に潜入捜査することに。やがて彼は犯罪集団のリーダーのボーディ(『ボーン・アルティメイタム』や『タイタンの逆襲』などのエドガー・ラミレス)と奇妙な絆で結ばれていきますが…というものです。

メインとなるのは凄まじい迫力で描かれる命がけのエクストリームスポーツの世界。旧作はスカイダイビングが少し出てくるものの、フィーチャーされているのは主にサーフィンでしたが、新作ではこの部分が拡大されているのです。しかも今回は3D!

オープニングのモトクロスのシーン(単に悪路を走るというだけではなく、断崖絶壁を飛び越える驚愕のジャンプがあります)でまずド胆を抜かれ、間髪を入れずに決死のスカイダイビング。さらにサーフィン、ウィングスーツフライング、スノーボード、フリー・ロッククライミング…。これをCGは最小限に抑え、ほとんどを当代一流のトップアスリートの面々がガチでスタントに挑戦し、映像に収めているのです。その身体能力と運動神経はまさに規格外。特に超高速で山の頂上から地上へ向かって滑空するウィングスーツフライングのシーンは、カメラが登場人物の目になり(スタントマンたちはカメラを搭載したヘルメットを被って飛んでいます)、実際に空を飛んでいる気分になれます。おそらくほとんどの人は一生体験しないであろう高速滑空を映画館で疑似体験できるわけですね(4DXで観れば、さらにすごい気分が味わえると思います)。正直、新作では設定の改変部分(ユタを元エクストリームスポーツのトップアスリートにしたため、何も知らなかった男が新たな世界に目覚める興奮が描かれない。ボーディたちの最終目的が金儲けではないのでわざわざ強盗をしてFBIに目をつけられる展開が不自然)にやや不満はあるのですが、そんなことを吹き飛ばしてしまうぐらいアクション・シークエンスが素晴らしい! 冒頭にも述べたように、この「実生活では体験できない世界を楽しむ」ことこそ、この映画の醍醐味なのです。

もちろん潜入捜査官の話なので、エクストリームスポーツ以外にも、銃撃戦やカーチェイスなどの見せ場もたっぷり。才人エドガー・ライトが『ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン!』でオマージュを捧げた、旧作でおなじみの“あの”シーンも出てきます。監督は『ワイルド・スピード』の撮影監督として迫力ある場面を作り上げたエリクソン・コア。ヒロインは『ウォーム・ボディーズ』のテリーサ・パーマーが演じています。

(『X‐ミッション』は2月20日から公開)