TVのファンもシャーロッキアンも大満足の『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』

(写真:Splash/アフロ)

2010年に英国BBCで放映がスタートした『SHERLOCK/シャーロック』は、あの有名な名探偵シャーロック・ホームズを現代のロンドンに登場させるという奇抜なアイディアと、ホームズ役ベネディクト・カンバーバッチ、ワトソン役マーティン・フリーマンという適役を得たことによって大人気に。現在まで3シーズンがオンエアされています。

その最新作が特別編として登場。本国ではこの元日にオンエアされたものですが、世界各国では劇場公開されることになり、日本でも2月19日から上映されるのです。しかも、その舞台は現代ではなく、原作と同じヴィクトリア朝のロンドン! 蒸気機関車が走り、馬車が闊歩、ガス灯がゆらめくベイカー街でフロックコートに身を包んだホームズが不可解な事件に挑むのです。

1895年、冬のロンドン。リコレッティ夫人という女性がウェディングドレス姿で銃を乱射し、自らも命を絶つという事件を起こします。その数時間後、夫のトーマス・リコレッティが射殺されますが、その犯人は死んだはずのリコレッティ夫人でした。幽霊が殺人を犯したのか? 霧に覆われたロンドンの街に出没する謎のウェディングドレス姿の女性の正体とは…。ホームズの推理が導いた真実は?

見どころは何といってもキャラクターの描写。現代版『SHERLOCK』のレギュラー・メンバーたちが、それぞれ若干のアレンジを加えつつヴィクトリア朝ロンドンの人物になりきっているのです。マーク・ゲイティス(本シリーズの共同製作&脚本も担当)が演じるマイクロフト・ホームズはあっと驚く特殊メイクで、モリー・フーパー(ルイーズ・ブリーリー)は男装で登場といった具合。もちろんレストレード警部はルパート・グレイヴスが、ハドソン夫人はユナ・スタッブスが演じています。それぞれの19世紀末ファッションを見ているだけでも楽しい。

ところでこの作品、単に時代を変えて作っただけのスペシャル番組ではありません。花嫁事件を追うというメインのストーリー以外にもいくつかの仕掛けが隠されていて、シーズン3と来るべきシーズン4を結ぶ架け橋にもなっているのです。あまり多くを語るとネタバレになってしまうのでこれ以上は触れませんが、これまでのシリーズを楽しんできたファンにはなによりのプレゼントになっている、とだけは申し上げておきましょう。しかし、肝心のシーズン4は撮影がこれから、オンエアされるのは来年2017年の予定というから、待ち遠しい思いはつのるばかりなのですが…。

さらにプレゼントが。今回の劇場公開では、本編以外に合計21分の特典映像が上映されます。本編上映前には共同製作&脚本のスティーヴン・モファットがベイカー街221Bの部屋を紹介。いかに細かな考証が加えられ、部屋のセットが丹念に作られているのかが理解できます。世界中にファンを持ち、研究者も多い作品ゆえに、徹底したこだわりが必要なのだな、と納得させられるのです。もう一本は製作の裏側を捉えたメイキング。主要キャストやスタッフのインタビューが収められ、映画本編を観た後だからこそ楽しめる裏話が披露されています。それにしても、冬のロンドンって、本当に寒そうですね。

(付記)

今回の「忌まわしき花嫁」事件ですが、その固有名詞(リコレッティ)は原作中で語られる未発表の事件の中に登場するものを使用。ちゃんと原作とのつじつまも合わせてあるのです。

(『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』は2月19日から公開)