昨年5月に54歳の若さで亡くなったマンガ家・三浦建太郎さんの代表作「ベルセルク」が、6月24日発売のマンガ誌「ヤングアニマル」(白泉社)13号から、連載を再開・継続することが発表されました。三浦さんのスタッフが執筆し、三浦さんの親友で人気マンガ家の森恒二さんが監修します。ツイッターのトレンド入りを果たすなど話題になりましたが、ネットではどんな検索をされたのでしょうか。ビッグデータからひもといていきます。

◇他作品に影響 海外でも人気

 「ベルセルク」は、自分の背丈以上もある巨大な剣を使う青年・ガッツが、異形の化け物たちを相手に絶望的な戦いに挑むダークファンタジーです。作品のもう少し詳しい説明は1年前の記事「三浦建太郎さん死去 マンガ好きを虜にした『ベルセルク』とは 『未完』の判断は尚早?」に譲るとして、読者の心に侵食してくるパワーがあります。悲壮感のあるキャラクター、人間の闇をあぶりだす描写、スタイリッシュな独特の世界観などもあって、その後の多くの作品に影響を与えており、海外にも多くのファンがいます。

 そこで発表があった7日の動きについて、ヤフーの行動ビッグデータを基に、生活者の実態や動きを可視化するインターネットサービス「DS.INSIGHT」を使って調べてみました。なお、ヤフーで検索された実数ではなく推計値となります。

◇連載再開で「検索ボリューム」40倍以上に

 まず発表前日の6日ですが「ベルセルク」の「検索ボリューム」は270でした。発表当日の7日は40倍以上の1万2100に膨らみ、翌日(8日)も9700もありました。連載再開の雑誌が売り出される24日前後にも、相当の反応がありそうです。

 興味深いのは、7日のデータで検索した利用者の37%が女性ということです。「ベルセルク」と一緒に検索されたワードで、女性優位だったのは、「作者」「三浦建太郎」「アニメ」、ガッツの宿敵である「グリフィス」「ガッツ」です。ちなみに男性優位のワードは、「今後」や「連載再開」「森恒二」「パチンコ」などでした。

 残虐表現が多く、男性向けと思われがちな「ベルセルク」ですが、一定の女性の興味も引いていることになります。グリフィスやガッツに魅了されているのでしょう。なお年代別割合の検索トップは40歳代で35%。続いて30歳代の26%で、50歳代の16%、20歳代の10%と続きます。

6月7日に「ベルセルク」で検索された「詳細キーワードランキング」。基本は男性優位だが、「アニメ」や「作者」では女性の比率が過半数を超える。(出典:ヤフー・データソリューション|DS.INSIGHT)
6月7日に「ベルセルク」で検索された「詳細キーワードランキング」。基本は男性優位だが、「アニメ」や「作者」では女性の比率が過半数を超える。(出典:ヤフー・データソリューション|DS.INSIGHT)

 ちなみに「三浦さんの死去が発表された当日の反応は?」ですが、2021年5月20日の「ベルセルク」の「検索ボリューム」は何と10万超え(うち女性4割)でした。著名人の死去は「検索ボリューム」が膨らむ傾向にありますが、それを踏まえても多いといえます。

◇連載継続は難しい決断

 検索の傾向として、男性が同作の連載再開に興味を寄せている通り、私も当然期待をしております。その一方で、異なる意見もあると思います。

 ですがマンガ家を含めたクリエーターには、作品を「わが子」に例える人が多いのです。その「わが子」を残して鬼籍に入ることが、残念なのは容易に推察できます。完結してほしかった……とは、誰もが思うでしょう。それをくんでの関係者の決断だったことは容易に理解できます。

 連載継続にあたっては、「ホーリーランド」や「自殺島」などで既に人気マンガ家の地位を確立している森恒二さんが監修を担当します。三浦さんのスタッフの覚悟を伝えるとともに、三浦さんとのかかわりを明かしながら、自身のメッセージも発表しています。森さんのメッセージの中に「三浦不在の『ベルセルク』に不満不服あると思いますがどうか見守っていただきたいと思います」とある通り、批判も覚悟の上なのでしょう。

 「連載継続」は、第三者から見ると想定できた人もいると思いますが、想定と実行は、まったく別レベルの話です。今回の決断した関係者各位に、最大の敬意を表したいと思います。

 ビッグデータが示すまでもなく、連載継続に対するファンの期待は、相当大きいことが予想されます。主人公のガッツと同様に「いばらの道」を行くことになった「ベルセルク」の行く末に注目です。

ヤフー・データソリューション | DS.INSIGHT

※この記事は、Yahoo!ニュース 個人編集部、ヤフー・データソリューションと連携して、ヤフーから「DS.INSIGHT」の提供を受けて作成しています。

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