家庭用ゲーム機「プレイステーション5(PS5)」が、一部で希望小売価格よりも高く売られる「悪質転売」。同商品を発売するソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、販売店向けに「開封済」と書かれたシールを配布していることが明らかになりました。

 シールは販売店が運用しています。基本的にはPS5の箱に事前にシールをはって、販売するときにシールを切り放してから販売し、「開封」したことが明らかになる仕組みです。はられたシールははがしにくく、無理にはがずと箱に傷がつく可能性もあります。

 PS5を購入した一部の購入者がそのまま「悪質転売」することを防止すると共に、シールをあらかじめ切ることで新品として売れなくする狙いがあるとみられます。SIEは、シールを販売店に配布しているとしたものの、規模や時期などへの言及は避けています。

 転売は、購入した商品を別の人にそのまま売り渡す行為です。乗車券やイベントのチケットなどを表記上の価格よりも高く売る「ダフ屋行為」や、中古品を継続的に売買して実質的にビジネスとしながらも古物商の許可を取らない場合は、違法になるケースもあります。

 近年はインターネットオークションやフリマアプリが普及。生産中の人気商品の品薄に便乗して、希望小売価格や定価より高く売る「悪質転売」と呼ばれる行為が増えています。転売をしないことを条件に販売した商品が契約に反して転売されたり、手元に在庫のない「無在庫の出品」をフリマアプリ側が禁じているにもかかわらず出品するというケースもあります。

 なおメーカーが、販売店に対して「希望小売価格以上で売らないでほしい」などと要望を出すと「価格を不当に拘束した」とみなされ、独占禁止法に抵触する可能性があります。その結果、商品の購入希望者が高値の商品をやむなく購入したり、購入を見送るケースが発生しています。

 PS5は2020年11月に発売されたものの、人気のため店頭にはほとんど並ばず、フリマアプリなどや一部のネット販売では一時期、希望小売価格の倍近い値段で出品されました。昨年から半導体の不足や世界的な物流の混乱もあり、PS5の増産が計画通りに行かないこともあり、発売から1年以上が経過した現在も、希望小売価格を上回る価格で売られるケースが目につきます。

 フリマアプリなどの運営会社は、「悪質転売」には法的に問題がなく、企業の収益に貢献することから、取り締まりの要望に対して消極的なのが実態です。

【参考】PS5高額転売問題 SIEの「意見表明」にXマス商戦過ぎてもメルカリ無言 進展望めず