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アイマスに「20兆円の女」が“爆誕” 「世界一の富豪」のツイートがネットで話題に 狙いは?

河村鳴紘サブカル専門ライター
「アイドルマスター」公式サイトの「アイドル名鑑」にある輿水幸子のページ

 人気ゲーム「アイドルマスター」のキャラクターの一人・輿水幸子(こしみず・さちこ)の画像が、米電気自動車(EV)会社テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)のツイッターに投稿され、ネットで話題になっています。

 「アイドルマスター」は、アイドルをプロデュースする人気ゲームです。2005年にアーケード向けゲームとして登場してから、家庭用ゲーム機やスマートフォンなどにも幅広く展開され、テレビアニメ化もされるなど人気を博し、担当声優が集まるイベントは話題になります。ちなみに同作は、覚えきれないほどの非常に多くのキャラクターがいることでも知られ、公式サイトには「アイドル名鑑」なるサイトがあり、初めて見る人はアイドルの質量に驚くでしょう。

【参考】アイドルマスター公式サイト「アイドル名鑑」

 輿水幸子は、山梨県出身の14歳で血液型はB型という設定です。誕生日は11月25日(射手座)で、身長142センチ、体重37キロで、趣味は勉強ノートの清書。公式プロフィールには、スリーサイズまで掲載されており、自身のことを「ボク」と言う「ボクッ娘」です。「シンデレラガール」と「スターライトステージ」に登場します。声の担当は、人気声優として知られる竹達彩奈さんです。

 イーロン・マスクCEOは今月、米メディアが発表した世界長者番付で、資産総額が1850億ドル(約19兆円)になり「世界最大の富豪」として話題になりました。

 そのイーロン・マスクCEOのツイートは、幸子の画像に英語のメッセージで「女王」「あなたならやれる」という意味の言葉が添えられていました。いろいろ妄想は書き立てられますが、これだけでは意図することは不明です。「プロジェクトがありそう?」と聞かれると、否定はできませんが、肯定もできません。1月13日は幸子の登場した日だから偶然ツイートした可能性は低いでしょうが、誕生日でないのはなぜでしょうか。

 いずれにしても、「世界最大の富豪」の思わぬツイートに、ファンがネタにしないはずはありません。「幸子P」などのワードも見かけるなど盛り上がりました。特に笑ったのは「鬼滅の刃」のアニメ映画のヒット時のワード「煉獄さん300億円の男」にひっかけて、一部の間で「20兆円の女」というパワーワードが飛び出したことでしょうか。ファンの発想がすごいですよね……。

 またゲームを手掛けた会社に注目が集まり、バンダイナムコホールディングスの株価が大きく上がりました。12日までは9100円弱でしたが、13日の午後3時には一気に9384円に伸び、14日には一時期9400円を超えました。「世界最大の富豪」のアクションに反応したのは、市場も同じなのかもしれません。

 なおイーロン・マスクCEOは、これまでもサブカル関連のツイートもあることで知られています。直近でもありますし、約2年前にはアニメ映画「君の名は(Your Name.)」を取り上げています。

 リプライで「新世紀エヴァンゲリオン」や「もののけ姫」に対しても好意的な反応を示しています。

 さらに面白いのは、アメリカ政府の情報収集活動を暴露してロシアに亡命したCIA(アメリカ中央情報局)元職員のエドワード・スノーデンさんもリツイートして新海誠監督の作品の好きな順番を明かし、新海監督が笑顔の絵文字でリツイートをしています。何かと問題視されるツイッターですが、リアルでは簡単におきないダイナミックさが急に実現するのが魅力でもあります。

【参考】イーロン・マスクが『君の名は。』好き公言 スノーデンも反応しファン騒然(KAI-YOU.net)

 イーロン・マスクCEOが本当にサブカル好きであるかはさておき、少なくとも日本のサブカルファンへの相当なイメージアップになっているのは確かです。ただ日本へのイメージアップなら、「鬼滅の刃」や「エヴァンゲリオン」を推した方がよほど幅広い人への好感度が上がるわけでして、なぜ「アイマス」なのか?という疑問は残ります。気まぐれのツイートという可能性もありますが、それなら「女王」の文字の意味が不明になるわけです。そもそも超多忙な人でもありますし、「好きだからツイートした」はあっても、気まぐれとは考えづらいところです。関係者への“メッセージ”と取れなくもありません。

 そして関係者は、この手のネット情報は念入りにチェックしていますから、今回のツイートがプロジェクトと関係がないとしても、今回のような絶好機があれば、何が何でも接触を図って意図を確認し、何かを実現させようというのが普通のビジネスマンの考え方ですね(笑い)。

 今回のツイートが、アイマスがらみのプロジェクトの伏線であれば、ファンとしては理想です。例え関係がなくとも、ぜひ関係者の努力で何とかしてほしいものです。

サブカル専門ライター

ゲームやアニメ、マンガなどのサブカルを中心に約20年メディアで取材。兜倶楽部の決算会見に出席し、各イベントにも足を運び、クリエーターや経営者へのインタビューをこなしつつ、中古ゲーム訴訟や残虐ゲーム問題、果ては企業倒産なども……。2019年6月からフリー、ヤフーオーサーとして活動。2020年5月にヤフーニュース個人の記事を顕彰するMVAを受賞。マンガ大賞選考員。不定期でラジオ出演も。

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