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PS5高額転売問題 SIEがメルカリに意見表明 転売価格下落続き“原価割れ”出品も

河村鳴紘サブカル専門ライター
PS5の通常版が5万円台で取り引きされるケースも出ている「メルカリ」

 12日に発売されたばかりの新型ゲーム機「プレイステーション(PS)5」がフリーマーケット(フリマ)アプリなどで高額転売されている問題で、発売元のソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が、フリマアプリ「メルカリ」の運営会社メルカリに意見表明をしていたことが明らかになりました。PS5の転売行為の防止について理解と協力を呼び掛けたということです。

 メルカリ社は、転売の出品禁止を考えていないとする一方、権利者から申し立てがあれば削除を検討することをITmediaの取材に対して明かしています。SIEの意見表明を受け、メルカリ社はどう対応するのでしょうか。今後の動向に注目が集まります。

「PlayStation 5」(PS5)の高額出品がECサイト「メルカリ」で相次ぎ、ネット上で批判が集まっている。メルカリはITmedia NEWSの取材に対し、「現時点では出品禁止は考えていない」とした上で、「権利者からの申し立てがあれば削除を検討する」としている。

出典:相次ぐPS5の高額出品、100台で900万円も 「出品禁止は考えていない」「権利者からの申し立てがあれば削除も検討」──メルカリに対応方針を聞く【訂正あり】(ITmedia)

 PS5は9月の予約受付以後、各販売サイトに購入希望者が殺到。PS5の発売(11月12日)前日からフリマアプリ「メルカリ」では、希望小売価格(4万9980円と3万9980円、消費税抜き)の2倍以上で高額転売が続出していました。そして手元に商品のない段階での出品を規約で禁じているため、発売前日からの出品に対して利用者らから疑問の声が挙がっていました。

 なお現在のフリマアプリ「メルカリ」でのPS5の転売価格は、デジタルエディションが6万円から、通常版が7万円から取り引きされているようです。取引価格は昨日よりも全体的にさらに下落しているようですが、購入時の消費税と運営会社に支払う手数料を上乗せしてもまだ利益は出ている……というところでしょう。なお通常版では数こそ少ないものの5万円台の転売出品の“原価割れ”とみられる取り引きもありました。

 転売されているPS5は、商品に問題のある可能性、取引時のトラブル、保証の問題が起きるなどの可能性もあり、購入は見合わせるのが無難です。精密機械でもあり、何かあっても相談できる販売店から希望小売価格で購入するのが安全と言えます。PS5は今後も定期的に出荷されることがSIEから明かされています。

 PS5は、8K対応の映像、コントローラーの振動で多彩な触感表現を再現し、ロード(ゲームの読み込み時間)を飛躍的に短縮した新型ゲーム機です。現行機のPS4用ソフトもほぼ遊べます。今年度末(2021年3月)までに世界で760万台以上を出荷する予定です。

サブカル専門ライター

ゲームやアニメ、マンガなどのサブカルを中心に約20年メディアで取材。兜倶楽部の決算会見に出席し、各イベントにも足を運び、クリエーターや経営者へのインタビューをこなしつつ、中古ゲーム訴訟や残虐ゲーム問題、果ては企業倒産なども……。2019年6月からフリー、ヤフーオーサーとして活動。2020年5月にヤフーニュース個人の記事を顕彰するMVAを受賞。マンガ大賞選考員。不定期でラジオ出演も。

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