任天堂の2020年度第2四半期(7~9月)連結決算が発表されました。併せて通期決算予想の修正があり、大幅にアップしました。なるべく分かりやすくなるよう、ポイントを二つに絞って説明します。

◇通期決算を大幅上方修正 高い利益率

 一つ目は、今期の通期予想の上方修正です。売上高は約1兆4000億円(当初計画から2000億円増)、本業のもうけを示す営業利益は4500億円(同じく1500億円増)を見込んでいます。ビジネスに敏感な人は、売上高に対する営業利益の増え幅に驚くと思います。

 もちろん新型コロナウイルスの感染拡大による「巣ごもり効果」なのですが、同時にゲームのビジネスモデルも関係します。ゲームソフトは損益分岐点を超えると、利益率が一気に増え、かつダウンロード販売になるとさらに利益率はアップします。ゲームに限らずですが、ソフトがヒットしたときの利益の高さを見て「札を刷るようなもの」という表現をする人もいます。

 ちなみに任天堂のこれまで業績の最高峰だったのは2008年度で、売上高は約1兆8386億円、営業利益は約5552億円です。Wiiの年間出荷数が2595万台、ニンテンドーDSが3118万台で、いずれもピークでした。当時の経済誌では「任天堂を見習え」「手本にしろ」という記事が出たぐらいですから、どれだけ羨望(せんぼう)の目で見られていたかが分かります。

 今年度の第2四半期(7~9月)は、売上高が前年同期比73.3%増の約7695億円、営業利益は同209.3%増の2914億円でした。注目は、営業利益率が37.9%で4割近くに達していることです。

 業界によって差がありますが、営業利益率は1割が理想とされ、ゲーム会社はソフトの「当たり外れ」がある反面赤字にもなりやすいのですが、好調時は2割を超えることもあります。これだけの売上高をたたき出して営業利益率が4割目前というのは、「すさまじい」の一言です。

◇スイッチの年間出荷数 過去最高へ

 ただ決算の数字は「額が大きすぎて分からない」という人もいるかもしれません。その中で比較的分かりやすい数字の一つが、ニンテンドースイッチの年間出荷数です。

 今年度の当初計画は1900万台でしたが、今回2400万台に引き上げられました。昨年度(2019年4月~2020年3月)の年間出荷数が2103万台でしたから、順調にいけば、スイッチの年間出荷数も過去最高になります。

 スイッチは、この半年で1253万台を出荷しましたが、前年同期(2019年4~9月)の693万台を大きく上回りました。これだけ急増すれば、品不足になるのも仕方ないでしょう。

 「ニンテンドースイッチ」と「ニンテンドースイッチライト」の販売比率ですが、おおよそ2対1で高額なはずの前者のほうが良く売れています。

 「あつまれ どうぶつの森」の国内累計出荷数も800万本を超えており、伸びが止まりません。任天堂が最も強い「年末年始商戦」を迎えるので、まだ伸びそうです。スマホゲームが主流になり、家庭用ゲーム機が厳しくなっていますが、常識では考えられなかった売り上げ本数です。