スマホゲームの課金4割目前で「当たり前」に?

スマートフォンを操作する中学生(写真:アフロ)

 ゲーム業界団体のCESA(東京都新宿区)が発行する「2019 CESAゲーム白書」のデータから、スマートフォンが“ゲーム機”として普及し、継続的に遊ばれている実態が明かされています。スマホゲームに課金する割合が年々増えており、若い世代ほど課金する割合が高いようです。

【参考記事】スマホゲーム7割「毎日やる」

 現在プレー中のスマホゲームで、課金をしている作品数という質問に対して、最多は0本(無課金)の63.4%でした。しかし残る36.6%が課金プレーヤーになります。無課金の割合ですが、前々回(16年)の調査では71.0%、前回(17年)は66.5%でしたから、逆に言えば課金プレーヤーが着実に増えていて、4割目前になっています。

 参考ですが、スマホのアイテム課金が主流になり、同種の調査が始まった7、8年前、業界では「課金プレーヤーは5%から10%」「約1割」という見方が“常識”でしたから、スマホゲーム課金のビジネスが成長していると言えます。利用者の慣れもあるのでしょうが、スマホゲーム会社の熱心な研究と企業努力があってのものでしょう。

 以前に「ファミ通」を発行するジーズブレイン主催の報道関係者向けのゲーム業界セミナーで、浜村弘一さんにゲームのアイテム課金ビジネスについて質問したことがあるのですが「課金は今後増えるし、当たり前の流れになる。それは止められない」と明言していました。聞いた当時は「本当かな」と懐疑的に見ていたのですが、データを見る限りでは、見事その通りになっていますね。

 ちなみに専用ゲーム機のダウンロードコンテンツ課金もだいたい似ていて、29.3%が「有料のダウンロードコンテンツ、ゲーム内通貨を購入した」と答えています。同じ内容で、16年が20.6%、17年が25.0%だったので、やはり家庭用ゲーム機の課金プレーヤーも着実に増えていることになります。現段階で課金を「当たり前」というのは賛否がありそうですが、そう遠くない将来、課金率が過半数になり「当たり前」といえる流れになっているのかもしれません。

 話をスマートフォンのゲームに戻しましょう。性別で見ると、無課金プレーヤーの割合は男性が56.1%、女性が72.2%なので、女性の財布のひもが固いことも分かります。ただその女性もお金が自由に使えるであろう20~24歳になると課金率が一気に上がります。ちなみに男性の課金率が上がるのは15~19歳なので、学生時代からアルバイト代、もしくはお小遣いを突っ込んでいるのでしょうか。いずれにしてもスマートフォンに慣れているであろう、若い世代の課金が高い傾向にあります。

 そして、現在無料でプレーしているスマートフォンのゲームの作品数の調査もありました。最多は1作で29.0%なのですが、複数作品のプレーがかなり多いのです。2作は24.9%、3作は18.4%でした。4作になると7.8%になりますが、5作以上と答えた強者も15.4%もいました。基本無料で遊べるスマホゲームで、パズルやRPGといった複数のゲームを遊ぶプレーヤーも多いのは予想できましたが、相当かけもちしているようで、市場的にはかなりのレッドオーシャンであることが見て取れますね。

ゲームを愛するものの、ゲームには愛されないヘタレなゲーマー。ゲーム好きが高じて、記者として兜倶楽部にも出入りし、決算やメーカーの各発表会、PS3の米国発表会、中古ゲーム訴訟、残虐ゲーム問題など約20年間ゲーム業界を中心に取材をする。合わせてアニメやマンガにも手を伸ばし、作品のモデルになった場所をファンが訪れる“聖地巡礼”現象も黎明期から現地に足を運ぶなどしている。マンガ大賞の選考員も担当しており、好きなジャンルはラブコメ、歴史もの。

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