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富士山のように。ジュビロ磐田にやってきた2メートルの”日本大好き助っ人”アレックスとは?

河治良幸スポーツジャーナリスト
写真提供:ジュビロ磐田

Jリーグでは緊急事態宣言下での入国規制がようやく解けた中で、いわゆるJリーグバブルを経て多くの外国人選手がチームに合流してきています。

J2のジュビロ磐田に加入した”アレックス”ことアレクセイ・コシェレフもその一人。モルドヴァ代表としてW杯予選などにも出場している27歳の大型GKはオランダのフォルトゥナ・シッタートで守護神としてクオリティーの高いプレーを披露。かつてジュビロ磐田のゴールマウスを守ったカミンスキーのような活躍も期待されます。

「ジュビロが本当に自分に来て欲しい、すぐにでも来てくれと言ってくれて、その熱意に打たれた。誰でもそこまで自分を必要としてくれれば心が動く。自分を必要としてくれたジュビロに感謝して即決しました」

そう磐田加入の理由を語るアレックスですが、実は大の日本好きであり、15歳の頃から日本に興味を持っていたと言います。

「日本の食事の素晴らしさ、人の素晴らしさは感じていました。日本人がどれだけ自覚を持っているか分かりませんけど、モルドヴァでは”メイドインジャパン”というだけでものすごくクオリティが高いと認識されている」

日本の映画も観ていたというアレックス。すでに挨拶など簡単な日本語も話す2mのGKは「移籍が決まってからはたくさんのJリーグの試合を観ている。後ろからつなぐリーグで、すごいシュートやゴールが偶発的に起こるのではなく、クオリティの中から起こってくる」と語るなど、研究熱心です。

「不安とか怖さは全くありません。もちろんサッカーも生活もこれまでと違う、母国から遠い事実はありますけど、自分はここでチャレンジするという気持ちに満ち溢れています」

そう語るアレックスに気になることを聞いてみました。

ーーこれまでオランダやモルドヴァ代表で対戦したストライカーの中で、特に手強かった選手は?

フランス代表のエムバペ選手です。フランスと対戦する時に、もちろん自分も色々と準備していて、相手のことをスカウティングしてから試合に入ったわけですが、彼の最初の10mのスピードが凄かった。

例えば長いボールがディフェンスラインの背後に来た時に、自分はそこに出られるだろうと思って出ようとする。しかし、彼のあまりのスピードに出られなくて止まった瞬間には彼がもうボールに追い付いていて、ボールを触ってフィニッシュに行かれた。そういう爆発的な瞬発力がすごいと思います。

ーー自分のストロングポイントはコーチが教えてくれると言ってましたけど、こういうGKを参考にしているというのは?

自分が若かった時に目標にしていたのは父親で、GKだった彼のプレーを観て学んでいました。6歳から15歳まではお父さんのサッカーチームで学んでいたんですけど、当時からビッグプレーヤーではオリバー・カーンやファン・デル・サールを目標にしてやっていました。

ーーモルドヴァというい国を日本に広めるのもアレックスの目標になりますか?

自分がどれだけモルドヴァの役に立てるかはこれからですが、知る限りではJリーグでプレーする最初のモルドヴァ人、新聞にはそう書いてあった。自分のできることを精一杯やって、持っているものを精一杯見せて、自分がモルドヴァ人として良い印象を日本の人に持ってもらう、良いプレーをすることで持ってもらう。自分がモルドヴァの代表としてここに来ている思いがあるので、そういう役目を持っていきたいと思います。

ーーすでに挨拶など日本語を使っていたり、すごく日本に興味があるのだと思いますけど、サッカー以外で日本のどういうところを知っていきたいですか?

自分は日本の文化とか、全てのものに非常に興味があります。日本の神社とかお寺をできる限り見て回りたい。隔離期間があったので、街に出て生活して間もないですけど、日本の人々の素晴らしさに感銘を受けています。子供からお年寄りまで、お互いをリスペクトする。

日本に来ることが決まった後、日本に興味があるので、携帯にたくさんメモをしていて・・・訪れたい場所がたくさんあるんですよね。たくさんありすぎるんですけど、まずは沖縄、富士山・・・富士山もいつか上まで登ってみたい。ちょっと危険もあるので、クラブが許してくれるかどうかは分からないですけど(笑)。

あとは通りに鹿とか動物が出てくる・・・北海道。野生の動物がたくさんいるところに行ってみたいですし、猿が温泉に入っている写真も見たので(長野県の地獄谷温泉だと思われる)、そういうところにも行ってみたい。数え切れないほどで、今からたくさんチェックしています。

それと、沖縄では特に石垣島が”小さなモルディブ”と呼ばれているので、日本の中にある小さなモルディブにも行ってみたいと思います。

もちろんシーズンはゲームが続いてくるので、タイトなスケジュールの中で今言った場所を訪ねていくのは難しいと思いますけど、夢みたいな感じで、自分の中で夢を膨らませています。

大好きな日本のことになると話が止まらなかったアレックス。富士山に登れるのは先のことになるかもしれないですが、まずは富士山が見える静岡県の磐田でまさしく富士山のような存在になり、ジュビロ磐田をJ2の頂上に導く活躍を期待したいと思います。

スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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