いよいよ再開するJ1で見逃せない注目の7人

(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

7月4日に明治安田生命J1リーグが再開します。6月27日にはJ2が再開、J3がようやく開幕を迎えましたが、プロリーグのトップカテゴリーであるJ1が再開することで”リモートマッチ”とはいえ、ようやくJリーグがサッカーファンのもとに戻ってきた実感が湧くかもしれません。

今回は特定クラブのファンサポーターに限らず、外せない注目タレント8人を紹介します。代表経験、実績、年齢、国籍などを問わず、この選手を注目して行けばマイクラブの応援以外で、シーズン通してJ1を楽しめる7人です。もちろん、ここで取り上げなかった多くの注目タレントがいますので、1つの参考として読んでください。

オルンガ(柏レイソル)   規格外の怪人はJ1も席巻するか

圧倒的な身体能力と独特のリズムで昨シーズンのJ2を席巻したケニア代表の大型FWは注目度ナンバーワンと言ってもいい存在です。その実力がJ1で十二分に通用することは4-2と勝利した札幌戦で示しましたが、さらなる高みへと昇ことができるか。

柏は活動再開以降、完全非公開が続き、トレーニングマッチなどの情報も入ってきてないので状態は持ち数ですが、いきなりFC東京との対戦になるので、Jリーグでもトップレベルの堅守を誇る相手にどこまで脅威になり、周囲の選手にも相乗効果を与えられるか注目です。

プレーは迫力があって脅威的ですが、ピッチを離れると素晴らしいジェントルマンであり、メディアの受け答えも優等生を絵にかいたような人格者です。J1を戦うレイソルのエースとして注目が集まる今シーズンはテレビ番組での登場回数も増えるはずなので、そこも楽しみの1つです。

安部柊斗(FC東京)   大卒ルーキーを超越する存在へ

大卒ルーキーながら、ACLでめざましい活躍を見せてFC東京に勝ち点をもたらすなど、能力的にはすでにJ1のトップレベルにあると見ていますが、手の怪我で開幕戦を欠場しており、正式なJ1デビューがここまで先延ばしになってしまいました。しかし、長谷川健太監督の評価はすこぶる高く、チームリーダーの東慶悟が目の怪我から復帰してきても主力候補であることに変わり無いはずです。

何にしてもFC東京の中盤には安部、東、橋本拳人、高萩洋次郎という4人のレギュラー格がおり、柏レイソルとの再開戦において4ー3ー3の3ポジションに誰が入るか不明ですが、彼らを軸に過密日程を回して行くことは確かでしょう。その中でも年齢が若く、機動力や判断スピードが目を見張る安部はディエゴ・オリヴェイラ、アダイウトン、レアンドロの強力3トップを絶え間なくサポートして行く役割になります。

昨シーズンの前半戦は現在マジョルカに在籍する久保建英が引っ張りましたが、また違うタイプのスペシャルなタレントが悲願のリーグタイトルを狙うFC東京にどこまでプラス効果をもたらせるのか、さらに1年延期となった東京五輪の有力候補に浮上してくるか注目です。

宇佐美貴史(ガンバ大阪)   フィニッシャーとしてゴール量産へ

Jリーグのファンで彼の名前を知らない人はほとんどいないでしょうし、名前をあげるだけなら今更感があるかもしれません。しかし、昨シーズンの途中からガンバ大阪に復帰して、最初の頃はチームにフィットしていない内に何でもやろうとしたことで、なかなか本来のシュート力やゴールセンスを発揮できませんでした。

昨シーズンの終盤にようやく「フィニッシュに集中する」ことで得点感覚が戻ると、研ぎ澄まされた状態でゴールを連発し、終盤まで残留争いに巻き込まれていたガンバを7位フィニッシュに導きました。

シュートの能力は海外組を含めて日本人で一番高い選手でしょう。その宇佐美がスタートからフィニッシャーとして高い意識を持って臨んだら、どこまでゴール数を伸ばせるのか。2ー1で勝利した開幕戦はJ1王者の横浜F・マリノスを相手に特殊な戦い方をしたこともあり、ゴールから遠いプレーが多くなりましたが、再開初戦の大阪ダービーで殊勲のゴールをあげられるか注目です。

坂元達裕(セレッソ大阪)   J2からの叩き上げながらブレイク必至

ガンバの宇佐美貴史が”実績組枠”ならセレッソ の坂元は”叩き上げ枠”とも言うべき存在ですが、J2から”個人昇格”した選手の中でブレイクの可能性が最も高いタレントと見ています。

左利きで右サイドをメインポジションとする”逆足サイドアタッカー”ですが、もともとインサイドもできる選手で、モンテディオでは3ー4ー2ー1の右シャドーを担っていました。

ドリブルからの切り崩しが得意な選手でありながら、攻撃の幅を取るポジショニングやインサイドに流れて周囲とコンビネーションを繰り出すなど、プレーの引き出しが多い選手です。ただ、基本はドリブルで、相手ディフェンスと1対1、たとえ数的不利でもボールを持つスペースさえあれば、そこから局面を打開して危険なクロスやラストパスに持ち込める選手です。

96年生まれでギリギリ東京五輪の年齢をオーバーしていますが、2列目やサイドにタレントの多いA代表にも割って入る可能性がある選手だと見ています。まずは大阪ダービーでどこまで存在感を示せるか注目です。

遠藤渓太(横浜F・マリノス)   隠さないギラギラ感。連覇ならMVPも

昨シーズンの終盤戦は優勝に大きく貢献する活躍ぶりでしたが、東京五輪の主力、さらにはA代表にステップアップして行くために、フルシーズンでの活躍、仮にマリノスが連覇を果たすならば、それこそ昨シーズンの仲川輝人に勝るとも劣らない活躍が期待されます。

向上心が高く、爽やかなキャラクターに見えて野心をギラギラさせるタイプだけに、2年前に右サイドでポジション争いをしていた仲川がエース的な存在になり、さらにA代表として選出されたE-1で十分な活躍ができず、AFC U-23選手権では一度も出番がなく終わるなど、クラブが優勝したこと以外は挫折の時期だったとも言えますが、今年のACLで精神的な逞しさをプレーに表していました。

ガンバに敗れたリーグ開幕戦も左サイドで存在感が際立っていた中で、結果が付いてきませんでしたが、改めて再開初戦で浦和レッズを相手にどう言うプレーを見せるか注目です。同じ東京五輪の有力候補である橋岡大樹とのマッチアップも大きな見どころです。

レオナルド(浦和レッズ)   3カテゴリーでの3年連続得点王なるか

J3(ガイナーレ鳥取)、J2(アルビレックス新潟)と2年連続で得点王に輝いたブラジル人ストライカーがJ1でもトップスコアラーになれるのかは今シーズンの注目トピックの1つです。

能力的に疑いの余地がないことは苦しみながら3-2で勝利した湘南ベルマーレとの開幕戦のゴールで証明済。そこから中断期間を経て、どこまでコンディションや仲間とのコンビネーションを高めているか。専門誌で単独インタビュー取材の機会があったのですが、身体能力や技術だけでなく、攻撃やフィニッシュのビジョンに優れた選手であることを認識しました。

オルンガ(柏レイソル)やレアンドロ・ダミアン(川崎フロンターレ)、ディエゴ・オリヴェイラ(FC東京)、ドウグラス(ヴィッセル神戸)、レアンドロ・ペレイラ(サンフレッチェ広島)、ここでもあげた宇佐美貴史(ガンバ大阪)やマリノス勢、そして2トップの相棒である興梠慎三などが得点王争いのライバルになってくると予想しますが、チームの攻撃に噛み合った場合の得点力はずば抜けたものがあるので、3カテゴリーでの3年連続得点王が誕生するかは浦和レッズ次第というとこもあります。

阿部浩之(名古屋グランパス)   現役最強の優勝請負人

昨シーズンの名古屋グランパスを残留に導いたマッシモ・フィッカデンティ監督がシーズンのスタートから指揮する状況で、指揮官はハードワークをベースに高い位置からのボール奪取とサイドアタックを押し出したスタイルで優勝タイトルを狙います。そのキーマンが川崎フロンターレから加入した阿部浩之です。

ガンバ大阪や川崎で数多くのタイトルを獲得し、Jリーグ全体でも”優勝請負人”と呼べる現役選手は彼ぐらいかもしれません。特別に運動能力や身体能力があるわけではありませんが、卓越した観察眼と解析力でゲームの流れを読み、いつ何が必要かを理解して、的確なプレーでチームを勝利に導ける選手です。

トップ下というポジションでありながら、通常はボランチの選手が担うような全体のオーガナイズをできる選手であり、ボランチの米本拓司や稲垣祥と言ったボールを狩り、素早く攻撃につなげて行くタイプの選手たちと相性も抜群です。

ちょうどオンラインでの取材がありましたが「走るのは大事だけど、いつ走るのか、そのタイミングが大事」と語っており、得意のミドルシュートや機を見てゴール前に入り込むための周囲との連携も「みんなが納得いく質の回数は増えてきている」と語っていました。

個人的にはまだまだ成長途上のチームと見ていますが、もし波いるライバルたちを押しのけてグランパス が優勝タイトルを獲得するとしたら、この選手の大車輪の活躍抜きには語れないでしょう。