ベネズエラ戦のスタメンに新戦力なし。古橋、オナイウ、進藤、荒木は途中出場でスペシャリティを出せるか。
森保一監督が率いる日本代表は大阪のパナソニックスタジアム吹田で今夜(19日)ベネズエラと対戦する。ホームの親善試合ではあるが、これまで何度も強度の高い試合を繰り広げてきた相手、しかも敵将のドゥダメル監督は「来年3月に始まる南米予選に向けた最後の試合」であることを強調し、テストというよりは本番前の最終確認として試合に臨んできそうだ。
森保監督は「キルギス戦を戦ったメンバーを軸に明日の試合を考える」と前日会見で語っており、ベネズエラ戦のスターティングリストにはキルギス戦に出場もしくは遠征に帯同したメンバーが並んだ。
GK:川島永嗣
DF:室屋成、植田直通、畠中槙之輔、佐々木翔
MF:柴崎岳、橋本拳人
MF:浅野拓磨、中島翔哉、原口元気
FW:鈴木武蔵
想定できるメンバーとしてはかなり手堅く来た印象。古橋亨悟(ヴィッセル神戸)、オナイウ阿道(大分トリニータ)、進藤亮佑(北海道コンサドーレ札幌)、荒木隼人(サンフレッチェ広島)の新戦力4人はベンチから出場機会を待つことになる。
交代カードは6枚。大島僚太(川崎フロンターレ)や山口蛍(ヴィッセル神戸)など代表経験のある実力者もベンチに控える状況で、新戦力が等しくチャンスを得られる訳ではないが、起用された選手はチームに合わせる以上に自分の持っている特長を発揮することが今後の招集につながるはず。
神戸で9得点8アシストと活躍する古橋亨悟はスピードと抜群のセンスを生かしたアシストやゴール、大分トリニータで10得点のオナイウ阿道は迫力あるフィニッシュワークによるゴール、札幌のルヴァン杯準優勝を支え、DFながら6得点を叩き出している進藤亮佑はボール奪取力や攻撃での機動力、大卒ルーキーながら広島のディフェンスラインに定着し、組織的なサッカーの中で守備能力を発揮している荒木隼人はデュエルの強さなどだ。
現在はチームの中心を担う柴崎も「1日2日で連携が出来上がるわけではないので、誰しもが通る道だと思います」という見解から「彼らにとって最初は連携ありきではない」と語る。もちろん日本代表の試合は多くのファンサポーターがスタジアムやテレビで見守る中で、いい試合をして結果を出さないといけない。ただ、アジア予選など公式戦と違い、トライ&エラーが許される機会でもある。
ベネズエラ戦のために招集された新戦力と代表復帰の選手は全て国内組。ここでアピールに成功した選手は12月に国内組で臨むと見込まれるEAFF E-1選手権で主力メンバーになれる可能性が高くなる。「選手にはスペシャルな特徴があり、強みを持っている選手たちの集まり。自分たちのいいところを思い切り発揮して欲しい」と森保監督。ベネズエラ戦でそうしたスペシャリティを発揮できる選手は誰かに注目したい。