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前回対戦で日本代表から衝撃の二発。ニュージーランド戦は前線の”戦艦”クリス・ウッドに警戒せよ。

河治良幸スポーツジャーナリスト
コンフェデではメキシコから得点したウッド。ロナウド擁するポルトガル相手にも奮闘。(写真:ロイター/アフロ)

アジア予選を突破し、W杯本大会に向けて”第三段階”を始動させた日本代表。対戦相手となるニュージーランドには2014年に4−2で勝利したが、その試合で豪快な2ゴールを叩き出したFWクリス・ウッドは現チームのキャプテンをつとめる。

序盤に衝撃的な4ゴールをあげ、大勝ムードが漂うスタジアムを静まらせたのがウッドの二発だった。センターバックの森重真人を引きずり込む様なドリブルから角度のないシュートで反対側のサイドネットを揺らすと、クロスに飛び込みながら右足ボレーで豪快にゴールネットを突き刺した。

日本の守備に明確な課題を突きつける様な2つのゴールをあげた大型ストライカーは昨季イングランドのチャンピオンシップで得点王に輝き、プレミアリーグのバーンリーに移籍。第3節のトッテナム戦で後半アディショナルタイムに殊勲の同点ゴールを決めると、続く第4節のクリスタル・パレス戦でも決勝ゴールをあげてプレミアリーグでも注目の的となった。

夏のコンフェデレーションズ杯ではメキシコからゴールを奪い、敗れたもののポルトガル戦でクリスティアーノ・ロナウドとのキャプテン&エース対決を経験したウッド。11月の大陸間プレーオフでは南米の強豪国(相手未定)を相手に本大会出場へのキーマンとなる。

アンソニー・ハドソン監督は「あれから選手として成長しています。彼はすごくハードワーカーでタフな選手。メンタリティも大人になって今はプレミアにいる」と強い信頼を置く。

日本の守備陣にとっては脅威になることは間違いないが、出場すればA代表初キャップとなる植田直通は「そういう相手は僕は大好きですし、そういった相手が来ても全て出したい」と強い意気込みを示す。

ニュージーランドが誇る”戦艦”を止められなければ世界的なアタッカーとの戦いが続くここから先に暗雲が漂うだけに、チームのためにも、ロシアまで代表に生き残るためにも、どういう組み合わせになるにせよ、センターバック陣にはタフな戦いを制して失点を防ぐ仕事が求められる。

<吉田麻也:ウッドについて(前日囲み取材より)>

「去年得点王になってて、いい状態でバーンリーに移籍して、バーンリーでも。バーンリー自体がいい成績を開幕から残しているので、調子が非常にいいと思う。フィジカル的にはたぶん真っ向から勝負すると非常に厳しくなると思いますし、僕自身はいつもそうですけど、うまく駆け引きをしながら、他の選手もやってかなきゃいけない」

スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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