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坂井&杉森。元トレーニングパートナーの2人が、5大会ぶりの世界を目指すU-18日本代表を牽引する。

河治良幸スポーツジャーナリスト

ハリルホジッチ監督が就任して最初の代表合宿は2日間を終えたが、非公開となった練習の途中で見覚えのある2人の選手がやってきた。ブラジルW杯でトレーニングパートナーとして日本代表に帯同した坂井大将(大分トリニータ)と杉森考起(名古屋グランパス)だ。

ちょうど大分県の同じ施設内でU-18代表の練習が行われていたため、ブラジルW杯組やスタッフへの挨拶に出向いた様だが、2人も嬉しそうな表情を見せていた。

2017年のU-20W杯を目指す今回のチームは、4大会連続で世界を逃しているカテゴリーであり、貴重な経験をした坂井と杉森にはチームを引っ張る活躍が期待される。

翌日、大分市内で練習を行っていたU-18日本代表の2人に話を聞いた。

■坂井大将(大分トリニータ)

−−昨日はA代表の方に来ていたが挨拶?

はい、(練習に)参加したわけではないです。みんな覚えてくれていました。

−−坂井選手は2017年のU-20を目指すチームの中心になっていくべき存在だが?

プレーもそうですけど、精神的にも相談というか、周りに頼ってもらえばいいかなと思います。

−−日の丸を背負うことは喜びでもあると思うが、4大会連続で世界を逃しているカテゴリーの代表で責任意識も?

前回大会で出られなかったのを経験しているので、今度は絶対に出なければいけないというか。4大会出られていないのは事実なので、もう1回チャレンジャー精神で、しっかり今年からU-20W杯の予選に向けて、みんながまとまっていければと思います。

−−トレーニングパートナーでブラジルW杯を目指すメンバーに参加した経験は今に生かせている?

いろいろ行動のところだったり、練習前もそうですけど、いろんな面であの遠征から変わったというか。ただ、今はそれが当たり前になってきているので、U-18もそうですけど、また新たな気持ちで。

−−A代表がハリルホジッチ監督になって、勝負に対するこだわりを強調しているが、それはアンダーにも浸透していきそう?

やっぱり結果を出すことが大事なので、内容が良くて結果が出ればベストですけど、内容が悪くても結果を出すということですね。

−−坂井選手は色々と出来るが、どういう部分を特に出していきたいか?

やっぱり1タッチプレーや状況判断で流れを変える、動いて出すというのが自分の特徴なので、そこをしっかり、ドリブルやシュートとかだけではなく、チームのためにそういうリズムを出せればと思います。

■杉森考起(名古屋グランパス)

−−U-18代表は2017年のU-20W杯を目指すチームになるが?

来年が予選で時間がまだ多少はあるんですけど、今のままだと絶対に行けないと思うから、(坂井)大将くんと一緒にプレーで引っ張りたいです。

−−先日はU-22選抜でレノファ山口との試合に出場したが、大敗してしまいました。感じたことは?

いやもうJ3でもすごいプレスも速いし、体も強い。ああいう機会がいい経験になると思うから、大敗してしまったんですけど、自分の特徴をJ3で出せなかったらJ1で出せるわけがないし、いつも自分のプレーを出せる様な選手になっていきたいです。

−−歳上の相手と試合をしてフィジカルなどの課題は感じたと思うが、杉森選手のプレーというのはスピードを活かしたい?

そこは出しつつですけど、足りていない運動量とか、プレーに絡む量が少ないから、自分の得意なところを増やしていきたいです。

−−坂井選手と一緒に引っ張っていきたいという話だが、これまで歳上の選手とやってきて、逆の立ち場になってどう?

いつも上の人にくっついていればいいだけだったから、確かにそういうところはありますけど、そこで経験したことを同世代のみんなに還元したい。W杯にも行かせてもらったし、自分の代に前もって伝えられることがあると思います。

−−2人が経験したことは同じ世代のほとんどが経験できないことだが、それをプラスに感じてやれている?

そうですね。プレーで出したいです。

−−競争もありながら、エースとしての期待もあると思うが?

チームでFWとして試合に出るということは、やっぱり点を取ったり、点に結び付けるプレーをたくさんしなければいけないから、エースというよりは自分が点に絡めるプレーと、点を取る気持ちをたくさん出したいです。

スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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