サッカー日本代表の特徴を活かせる、屈強なコートジボワールの弱点とは?

6月に開幕するブラジルW杯の初戦で日本が対戦するコートジボワールの守備は、強靭な肉体を駆使した厳しいプレスと対人戦を特徴とする。簡単に打ち破れる相手ではないが、彼らの強みと弱みを分析し、日本の良さを出して突くことで得点チャンスは拡大するはず。その方法に関して自著『日本代表ベスト8 ブラジルW杯・対戦国シミュレーション分析 (サッカー小僧新書EX006)』で以下の様にまとめている。

巨漢ボランチたちの強みと弱み

コートジボワールの守備は前線の選手からしっかりボール保持者にプレッシャーをかけるスタイルだが、がむしゃらに高い位置から追うのではなく、ミッドフィールドに引きこんで数的優位を作る意識がチームに浸透している。これは超攻撃的と評されたハリルホジッチ時代、その後のエリクソン時代から大きく変わっていないが、ラムーシ監督になってからはディフェンスラインが中盤のプレッシングに参加する場面は少なくなっており、中盤でボール奪取を狙い、ディフェンスラインはディフェンスラインで攻撃を止める志向が強くなっている。

中盤ではボランチにトップ下のヤヤ・トゥーレを加えた3人が、ボールの出所に厳しく寄せ、1対1やルーズボールの局面ではフィジカルの強さを前面に押し出してボールを奪いに行く。想定できる2人のボランチのファーストセットはシェイク・ティオテとロマリッチ。トゥーレ・ヤヤを含む3人の巨漢が狭いエリアに殺到する様は迫力満点で、彼らに囲まれたら名うてのテクニシャンでも、頑強なポストワーカーでもボールをキープすることは難しい。ただ、3人に共通するのは1発のチャージやタックルに頼りがちなこと。さらに狭くボールを囲む彼らの周囲にスペースが生じやすく、アフリカ予選においても、ディフェンスラインの選手がいきなり1対1での対応を迫られる場面は少なくなかった。その点、ジャンジャック・ゴッソやセレイ・ディエといった選手たちはティオテやロマリッチほど1発のボール奪取力は無いが、運動量が豊富で何度でも食いつくしつこさがある。彼らの特徴をラムーシ監督がどう見極めボランチのコンビを選択するかは興味深いポイントだ。

アフリカ予選の8試合で7失点だったが、2本のPKをのぞく6失点の内、ペナルティエリア内でフィニッシュされたケースは4度。その内の2回は中盤を起点にサイドを突かれ、クロスから失点している。残る2つはセネガル戦の第1レグで遠目のFKからクッションボールと、ロングスローのクリアミスから押し込まれた失点だ。ミドルシュートによる1失点はホームのモロッコ戦で、味方の間接FKのカウンターから一気に中央を突き破られた形だった。これらの失点から見られる傾向は3つある。

・速いクロスに対してセンターバックがポジショニングを被る

・クリアの精度が低く、セカンドボールを拾われやすい

・二次攻撃に対する反応が遅く、混乱しやすい

コートジボワールの「アキレス腱」とは?

センターバックの主力を張るのは192cmの巨体を誇るスレイマヌ・バンバと元来はボランチでインターセプト力に優れるディディエ・ゾコラのコンビだが、二人ともクロスに対するポジショニングが安定しておらず、時にボールをペナルティエリア内でワンバウンドさせてしまうこともある。サイドバックのオーリエやボカはラムーシ監督の意向通りにバランスを守り、相手のサイド攻撃に対して守備エリアを留守にしてしまう場面はほとんど無いが、全ての突破を封じ、クロスを封じるほどの守備能力は無い。また両サイドバックが中央でそれほどセンターバックの選手を補佐できないこともコートジボワールの弱みだろう。

クロスやセカンドボールに対する弱さはGKの問題も大きく影響している。ブラジルで3大会目のW杯となる守護神のブバカール・バリは非凡な反射神経の持ち主で、落ち着いた振る舞いから周囲の信頼も厚い選手だ。ただ、もともとクロスボールやロビングに対するポジショニングやキャッチングに難があり、豊富な経験をもってしてもこのウィークポイントを克服できずにきた。ゾコラとバンバが触れないボールでも、バリがうまく動きだしていたら十分にキャッチあるいはパンチングで弾き返せたと思わせる場面はアフリカ予選で何度となく見られた現象だ。ブラジルW杯でもこうした問題が大きく改善されることは考えにくく、本大会でも「アキレス腱」になりうる。最初の試合で対戦する日本にとっても突きどころと言えるだろう。