Yahoo!ニュース

1.5LになったベンツCクラス、新橋演舞場で歌舞伎とともに披露

河口まなぶ自動車ジャーナリスト
筆者撮影

 伝統の歌舞伎舞踏である「石橋」を、尾上右近が舞った後に舞台が回転、フェイスリフトしたメルセデス・ベンツCクラス2台が同じ壇上に現れた。自動車メーカーとして初めて、新橋演舞場での新型車発表となったのが今回のメルセデス・ベンツCクラスの発表会だった。

筆者撮影
筆者撮影

フェイスリフトしたメルセデス・ベンツCクラスにおいて今回最大のトピックは、販売の中心モデルであるC200が、これまでの2.0Lから1.5Lへと排気量を変更したこと。しかもこれはいわゆるダウンサイジングではなく、新技術である「BSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)+48V電気システム」を搭載したことによる新エンジンの採用によるものである。

 新たなM264と呼ばれる1.5L直列4気筒ターボエンジンは、最高出力184ps、最大トルク280Nmと、以前のC200に搭載された2.0Lとほぼ変わらぬスペックを実現。そしてここにベルトを介してクランクシャフトと接続される最高出力10kW、最大トルク160Nmを発生するスターター/ジェネレーターを兼ねたモーターである「BSG」と「48V電気システム」を組み合わせた。

 この「BSG」と「48V電気システム」は、回生ブレーキなどで発電した48Vの電気を1kWhのリチウムイオン電池にチャージ。そして加速時にはベルトを介してつながるクランク軸に対し、アシスト用モーターとしてプラスアルファの力(加速時には最高で10kW)を上乗せする。また一方でブレーキング時は、エネルギーを回生する(回生時には12kW)働きも持っている。さらにシフトチェンジによるエンジン回転の過上昇や過下降を補う機能も併せ持っている。

 他には既に「Eクラス」に搭載されている新世代クリーンディーゼルの2.0Lが、これまでの2.2Lに代わって搭載された。これは以前のエンジンからダウンサイジングしているが、最高出力は190psから194psと高出力化しており、燃費も向上している。

 この他、今回のフェイスリフトでは実に6500点にも及ぶ改良が施されており、エクステリアでは、前後バンパーが形状変更を受けたのに加えて、新たにLEDハイパフォーマンスヘッドライトを標準装備した。また上位グレードではマルチビームLEDヘッドライト(ウルトラハイビーム付)も用意されている。

 そして安全装備と運転支援がアップグレードされたのもポイント。レーダーセーフティパッケージは「Eクラス」や「Sクラス」とほぼ同等の内容を備えたものへと進化している。例えばウインカー操作で自動的にレーンチェンジするアクティブレーンチェンジアシストを採用。さらにアクティブディスタンスアシスト・ディストロニックは、自動再発進機能付きとなったことに加えて、地図とナビゲーションのデータも運転支援へと活用することで、カーブやジャンクションでは、予見的に速度調整を行なうようになったのが特徴だ。

さらに最近は必須の装備となりつつあるテレマティクスについては、「メルセデス・ミー・コネクト」を全車で標準装備し、事故検知時の24時間緊急通報サービスに始まり、スマホでの車両ドアロック・アンロックを可能とするリモートドアロック&アンロックや、アプリで車両の状況を確認できるリモートステータス確認、そして駐車位置検索や、スマホからナビの目的地を遠隔設定できるSend2Carを採用。他には24時間のコンシェルジュサービスも利用可能といった具合で、コネクテッドによる様々なサービスを展開する。

フェイスリフトしたメルセデス・ベンツCクラスの価格は449万円からとなり、新たな1.5Lエンジンを搭載するC200アバンギャルドは552万円からとなる。

ひと足先に海外で筆者がこのモデルを試乗した際の動画はこちら。

自動車ジャーナリスト

1970年5月9日茨城県生まれAB型。日大芸術学部文芸学科卒業後、自動車雑誌アルバイトを経てフリーの自動車ジャーナリストに。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。YouTubeで独自の動画チャンネル「LOVECARS!TV!」(登録者数50万人)を持つ。

河口まなぶの最近の記事