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世界で最も先進的なベンツ新型Eクラスに乗る

河口まなぶ自動車ジャーナリスト

メルセデス・ベンツの新型Eクラスがついに日本上陸を果たした。先日、迎賓館での発表会の模様その他をレポートしたが、今回は千葉で開催された試乗会で、実際にこのモデルを試すことができたので動画とともに報告したい。

今回試乗できたのは、E200アバンギャルド・スポーツという2.0Lのガソリン直噴ターボ・エンジンを搭載したモデルで、ラインナップ的には最もベーシックな部類に位置する。ただしアバンギャルド・スポーツということで仕様としては最もスポーティな部類に位置付けられるものとなる。新型Eクラスはこのほかに、同じエンジンでさらにハイパワーのE250、3.5LのV6ツインターボを搭載するE400、そして新開発の2.0L新世代ディーゼルを搭載するE220dが用意されるが、これらは全て今後順次発売されていくことになる。つまり現時点では、E200という最もベーシックなモデルのみが販売されている状況だ。

2.0L直噴ターボは最高出力184ps、最大トルク300Nmを発生する。これは下位モデルのCクラスに搭載されるものと同じ。ただしEクラスの場合は9速ATの9G−TRONICと組み合わせられることになる。ちなみにアバンギャルド・スポーツは、AMGのホイールやエアロパーツが与えられており、タイヤサイズも19インチと大径のものを採用している。このアバンギャルド・スポーツという仕様は今後発売される上級グレードにも採用されるもので、つまりは新型Eクラスの中では最もスポーティな仕様と考えていただければ良いだろう。

ではそんなE200アバンギャルド・スポーツを試乗してどう感じたか? 詳しくは動画をチェックしていただきたいが、最もスポーティな仕様ですらこのクラスで見ても群を抜くコンフォート性能とダイナミック性能を融合しており、非常に優れたのり心地ながらスポーティな走りを見せるという二面性を持っているのだ。

そう考えると、今後はこのモデルよりもパワフルなエンジンが搭載されたモデルが登場するわけだし、このモデルよりもラグジュアリーな仕立てがなされた仕様も展開されるわけだから、新型Eクラスの実力というのは極めて高いと確信した。車重的にもモデルの中では軽量でスポーティなサスペンションを与えられた今回のE200アバンギャルド・スポーツで極めて好印象なのだから末恐ろしいというわけだ。

動画の中でも述べているが、今回は「未来型Eクラス」というコピーが与えられるように、世界で最も先進的な安全技術が多数採用されている。これらは今後、機会があれば詳しく紹介していきたいと思うが、これらの技術群を採用したことで、このクラスはもちろん、上級のSクラスを含めた全世界の自動車の中で、現在最も先進的な存在だといえるわけだ。今後、メルセデス・ベンツが描く自動運転の未来についてもここでレポートしていく予定だが、そうした自動運転につながる技術を多数採用しており、これによってライバルを大きく引き離した存在として君臨している。

しかし重要なのは新型Eクラスが、そうした安全技術や先進の装備だけでなく、自動車としてのベーシックな部分、つまり「走る曲がる止まる」の部分でも、我々をうならせる仕上がりを見せていることだろう。決して新たなものだけを重視するのではなく、自動車としての本質をしっかりと守った上で進化させ、新たな世代の技術等と融合させている点において、メルセデス・ベンツの実力の高さと考えの深さ、思想と哲学の極みを感じる。そしてそうした様子をして、

これぞ、自動車のあるべき姿。

という言葉が頭に思い浮かんだのだった。

新型Eクラスにおける驚きはまだまだ紹介しきれないので、今後も他のグレードや機能等を機会があればレポートしていこうと思う。

自動車ジャーナリスト

1970年5月9日茨城県生まれAB型。日大芸術学部文芸学科卒業後、自動車雑誌アルバイトを経てフリーの自動車ジャーナリストに。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。YouTubeで独自の動画チャンネル「LOVECARS!TV!」(登録者数50万人)を持つ。

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