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打倒ポルシェ911のメルセデスAMG GTが登場。

河口まなぶ自動車ジャーナリスト

先週5月8日の金曜日に、メルセデス・ベンツ日本株式会社は、新型スポーツカーである「メルセデスAMG GT」を発表した。発表場所はなんと、静岡県御殿場にある富士スピードウェイ。そして発表を終えるとそのまま、試乗会を行ったのだった。

発表会の席でメルセデス・ベンツ日本社長の上野金太郎氏は、このクルマに「ブランド・ヒーロー」の役割を与えると語った。つまり、このGTこそが今後のメルセデスAMGにおけるヒーロー的な存在として位置づけられ、このモデルを軸にブランドが形成されるのだという。

その証ともいえるのが、異例のプロモーション展開。通常、この手の高級スポーツモデルは限られた人のためのものであり、多くの台数が売れるモデルではない。それだけにPRはほとんどなされないのが慣例だ。

しかしGTの場合は、まず富士スピードウェイにて発表&試乗会を行う力の入れよう。さらに首都高のビルボードでの展開も始まっている他、この手のモデルでは極めて稀といえるTVCMまで展開する。さらにダメ押しともいえるのが、今夏に公開の「仮面ライダードライブ」への登場。つまり台数を売るのではなく、ブランド・イメージを売る。そのためのモデルでもある。

そうしてAMG GTが狙うのは「打倒ポルシェ911」。従来から911が君臨するスポーツカー市場に打って出て、メルセデス・ベンツのエモーショナルな部分をPRする存在として据えたい想いがある。

モデルラインナップはGT(1580万円/9月発売)と、さらに装備充実&ハイパワーなGT S(1840万円)の2種類で、この価格もまさにポルシェ911と近いところにある。

一方で性能は、4.0LのV8直噴ツインターボ・エンジンがGT Sでは最高出力510ps、最大トルク650Nmを発生。そして静止状態から時速100キロまでの加速には、わずかに3.8秒で達する。

またメルセデス・ベンツらしく安全性能も充実しており、他車種と同様のディストロニック・プラスを備えるなどしている。

果たしてこのモデル、ポルシェ911が君臨するスポーツカー市場において、どのような戦いをしていくのがに注目が集まる。もっともこの発表会に併せて来日したAMG社長トビアス・ムアーズ氏によれば、既に派生モデルの展開を考えている、とのこと。今後のモデル拡充にも注目だ。

今回はそんなAMG GTを、富士スピードウェイの構内その他で試乗した動画を添付したのでチェックしていただければ幸いだ。

自動車ジャーナリスト

1970年5月9日茨城県生まれAB型。日大芸術学部文芸学科卒業後、自動車雑誌アルバイトを経てフリーの自動車ジャーナリストに。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。YouTubeで独自の動画チャンネル「LOVECARS!TV!」(登録者数50万人)を持つ。

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