Yahoo!ニュース

【動画】SUVの王様、キャディラック新型エスカレード。

河口まなぶ自動車ジャーナリスト

キングオブSUVとも言われるキャディラックの新型エスカレードを、軽井沢で試した。

エスカレードはいわゆるアメリカン・フルサイズSUVであり、彼の地では人気の高い1台。キャディラックというGMの高級車ブランドから送り出されているという点もポイントで、近年はアメリカン・セレブが多く選ぶクルマとしても知られている。特に少し前から、音楽シーンで成功を果たした若いミュージシャンの選ぶ定番となった。

アメリカン・フルサイズというだけあって、全長は5mを超え、全幅は2mを超える。当然、日本の路上では極めて大きな1台だ。

しかし、実際に乗ってみると意外にも取り回せる感がある。大きいことに間違いはないが、車両を俯瞰から眺められる360度カメラやバックモニター等が当然のように備わっているため安心して取り回せる。

今回のモデルは、新世代のSUVらしい機能が満載されている。アメリカンSUVといえば、エンジンは大排気量V8を搭載するのが常で、今回も6.2LのV8エンジンを搭載する。しかし新世代のエンジンらしく、直噴式かつ気筒休止を備えるなどして少しでも燃費削減のための策を盛り込んでいる。普段走っていると、条件が揃えば8気筒のうちの4気筒を休止させ、残りの4気筒だけで走る。

また先進装備も充実しており、ブルートゥースで携帯を接続し、音楽や電話をハンズフリーで使えるのはもちろんのこと、運転席と助手席の間のアームレストには、携帯電話の非接触式充電機能が盛り込まれる。さらにその下には、500mlのペットボトル6本を収納できる冷蔵庫を備える。

ドアを開けると床下からアシストステップが出てきて乗降を助ける他、テールゲートは鍵を持っていれば足をキックする形でバンパー下に入れることで開閉が可能。両手に荷物でも開閉ができる。さらにリアシートは3列目が倒すことも引き起こすことも電動で行え、2列目は倒すことが電動でできる。

実際に走らせた印象は動画に任せるとして、日本車からは絶対に感じられない大らかな感覚に彩られている。前時代的ではあるが、解りやすい豊かさやゆとりがそこに構築されている。

とはいえ安全装備の充実ぶりはかなりのもので、前走車についていく機能や自動ブレーキはもちろん、レーンキープ等の装備を豊富に備える。特にレーンを外れそうになったり、高速道路等で隣の車線に後方から迫ってくるクルマがあるときには、シートを振動させてドライバーに伝える。しかもその振動は左右別々となっており、左車線を超えそうになるとシート左側が、右後方からクルマが迫っているとシート右側が振動するというきめ細やかさがあるほどだ。

古き良きアメリカの大らかさや寛容さを感じらせる感覚を存分に持ちつつも、構成されるメカニズムは新世代に相応しい内容となっている。

価格は1149万円からで、今回試乗した装備充実モデルは1249万円。ライバルとなるのは、メルセデス・ベンツのGLクラスやレンジローバーなどとなる。

GMジャパンのキャディラック・エスカレードのwebページはこちら

自動車ジャーナリスト

1970年5月9日茨城県生まれAB型。日大芸術学部文芸学科卒業後、自動車雑誌アルバイトを経てフリーの自動車ジャーナリストに。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。YouTubeで独自の動画チャンネル「LOVECARS!TV!」(登録者数50万人)を持つ。

河口まなぶの最近の記事