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猛暑再来、いつまで続く?海水温の上昇で、東京の朝の気温も最高に

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
2022年7月30日午後3時までの最高気温(ウェザーマップ作画)

 30日(土)は全国的に気温が上がり、厳しい暑さとなりました。全国で最も気温が高くなったのは兵庫県豊岡市で37.2度、次いで鳥取県鳥取市青谷の36.8度です。

 また、朝の気温も高く、東京の最低気温はこの夏最高の26.5度でした。この猛暑はいつまで続くのでしょうか。

二度目の梅雨明け

 この夏は「再び」「やり直し」「二度目」という言葉が頭をよぎります。天気は繰り返しが常ですが、これほどはっきりするのは珍しい気がします。

 一度目の梅雨明けは6月末、九州南部から東北南部までの9地域で、二度目は7月26日の東北北部です。その間に、梅雨のやり直しがあり、大雨も頻発しました。そして、再びの猛暑です。

太平洋高気圧の北偏で、猛暑日続く

 大雨も、猛暑も、カギを握るのは太平洋高気圧です。二度目の梅雨明けとなった26日以降、再び、太平洋高気圧が強まっています。それも著しく北に偏っているのです。

【5日間平均天気図】上図は8月1日にかけて、下図は8月8日にかけて(ウェザーマップ作画、筆者加工)
【5日間平均天気図】上図は8月1日にかけて、下図は8月8日にかけて(ウェザーマップ作画、筆者加工)

 この図は5日間を平均した天気図で、暖色は平年より気圧が高いことを、寒色は気圧が低いことを示しています。図の中央に日本列島があります。

 この週末(8月1日にかけて)は高気圧の張り出しが沖縄付近で弱く、北日本で強い。この太平洋高気圧の著しい北偏は広い範囲で猛暑日が続くことを示しています。

来週は北日本で雨

 しかし、来週の半ば頃から、高気圧は徐々に後退し、北日本は低気圧や前線の影響を受けるようになるでしょう。天気図の色も暖色から寒色に変わっています。逆に、沖縄では高気圧が強まり、西・東日本もまだまだ高気圧の勢力圏内です。

この1か月で海水温が2~3度上昇

 前回の猛暑では一度に6か所で40度を記録し、東京では史上最長の9日連続の猛暑日となりました。記録づくめの猛暑だったのですが、唯一救われたのが夜が涼しく感じられたことです。

 しかし、二度目の猛暑はそうはいきません。この1か月で海水温が2~3度高くなりました。

【日別の海面水温図(日本近海)】上図は2022年6月29日、下図は2022年7月29日(気象庁ホームページより、筆者加工)
【日別の海面水温図(日本近海)】上図は2022年6月29日、下図は2022年7月29日(気象庁ホームページより、筆者加工)

電気代の高騰と熱帯夜

 海の水温が高くなったことで、海から吹いてくる風は非常に蒸し暑くなりました。東京は少なくともこの先一週間は寝苦しい熱帯夜が続くでしょう。

 とどまるところを知らない電気代の高騰で、この夏ほどエアコンの使い方が気になる夏はありませんが、夏バテしては元も子もないので、節約もほどほどにするしかなさそうです。

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは117冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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