ラニーニャ終わり、夏の天気は? 雨多く、台風の上陸も

2月24日発表の暖候期予報より 今年の梅雨は全国的に雨量が多い見通し(著者作成)

 2月24日発表の暖候期予報によると、この夏は気温が高く、例年以上に雨の多い梅雨になりそうだ。また、ラニーニャ現象が終わったあとの夏は台風被害も甚大だ。

2021年夏の天候見通し

 2月24日、この夏の天候予想の大枠となる「暖候期予報」が発表されました。主なポイントは2つです。ひとつは全国的に暖かい空気に覆われやすく、暑い夏になること、もうひとつは梅雨前線の活動が活発で、全国的に雨量が多くなることです。

では、詳しく解説しましょう。

極端な暑さはないけれど

 夏の天候を考えるとき、太平洋高気圧の動向は欠かせません。日本列島が高気圧に覆われる期間が長ければ長いほど、暑さはより厳しく、長くなります。

 今年の特徴として挙げられているのが高気圧が西に張り出す(②)ことです。西というのは沖縄・奄美を示します。

 一方、北への張り出し(①)は例年程度とみられています。そうなると、日本列島が高気圧にすっぽりと覆われる期間も長くはならず、厳しい暑さは短く終わるかもしれません。

高気圧の西、北への張り出しを模式図にしたもの(著者作成)
高気圧の西、北への張り出しを模式図にしたもの(著者作成)

 西と北、どう違うのか、張り出しの違いを図にしてみましたが、あまり差は感じられないかもしれません。しかし、長期的な天候を考える場合、高気圧が張り出す方向は大きな意味を持ってくるのです。

梅雨前線が活発 豪雨に警戒

 高気圧が西に張り出す意味はもうひとつあります。それは雨の降り方です。

こちらの図をご覧ください。高気圧が西に張り出した場合、本州付近は高気圧の縁にあたり、湿った空気が大量に流れ込みます。

高気圧の縁に沿って、大量の湿った空気が流れ込む(著者作成)
高気圧の縁に沿って、大量の湿った空気が流れ込む(著者作成)

 特に、梅雨前線が停滞する6月から7月にかけては前線の活動が活発となり、大雨が頻発するおそれがあります。毎年のように繰り返される豪雨被害、昨年も熊本・鹿児島で線状降水帯が発生し、大量の雨が降りました。今年はいつもの年よりも豪雨が起こりやすいと思い、警戒する必要がありそうです。

ラニーニャ終わり、台風は?

 暖候期予報は気温と降水量の予想のみで、台風の予想は行っていません。そのため、今年はどのくらい台風の影響を受けるのか、はっきりとしたことはわかりません。

 昨年は12年ぶりに台風の上陸がない、珍しい年になりました。台風の記録を振り返ると二年続けて上陸がなかった年はありません。

 さらに、今年はラニーニャ現象が終わったあとの夏です。

ラニーニャ現象が終わったあとの夏 台風の影響をまとめた表(著者作成)
ラニーニャ現象が終わったあとの夏 台風の影響をまとめた表(著者作成)

 台風の発生数、上陸数に特徴はないようですが、台風の影響を調べてみると記憶に残ったものばかりです。

 前回の2018年は台風21号の記録的な高潮で関西国際空港が水没、連絡橋に船が衝突し、長時間にわたって空港が閉鎖されました。

2018年9月4日 四国に上陸目前の台風21号(ウェザーマップ作画)
2018年9月4日 四国に上陸目前の台風21号(ウェザーマップ作画)

 また、2011年は動きの遅い台風12号の影響で、紀伊半島の一部で総雨量が2,000ミリを超え、大規模な土砂崩れが川をせき止める=土砂ダムができました。また、避難の在り方が問われ、特別警報創設のきっかけとなった台風でもあります。

 そして、2006年の台風13号では宮崎県延岡市で大規模な竜巻が発生し、特急列車が脱線するなどの大きな被害がありました。

 数か月先の天候は時間スケールの長い海洋の変動が予想の手がかりとなり、そのなかでもエルニーニョ/ラニーニャ現象はとくに重要です。この夏はラニーニャ現象が終わり、平常の状態となる可能性が高く(80%)、予想が難しい面もあります。この暖候期予報を足掛りに、この夏の天候を考えていきたいと思っています。

【参考資料】

気象庁:夏の天候見通し(6月~8月)、2021年2月24日

気象庁:全般季節予報支援資料 暖候期予報、2021年2月24日