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東京の花粉 今春は大量飛散日多いか

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
都内では2月14日、スギ花粉の飛散が始まった。昨シーズンより3日遅い。(ペイレスイメージズ/アフロ)

 2月14日、都内でスギ花粉の飛散が始まった。飛散花粉数と大量飛散日の関係は深い。今シーズンは大量飛散日が20日程度と、例年より多くなりそうだ。

大量飛散日は平均15日

 昨シーズンより3日遅く、東京都内でスギ花粉の飛散が始まりました。花粉シーズンは「バレンタインに始まり、ゴールデンウイークに終わる」といわれるように、3月から4月にかけて飛散がピークを迎えます。

 東京都の予測によると、今シーズンの飛散花粉数は都平均で5,300個から7,200個、昨シーズンの2倍程度です。スギの花粉は多い年、少ない年が交互に現れる傾向にあり、昨シーズンが少なかったことから、今シーズンは多くなることが推測されます。

 そうなると、気になるのが大量飛散日です。一日あたりの飛散花粉数(個/平方センチメートル)100個以上の極めて多かった日を、千代田区を例に調べてみました。

東京都千代田区 花粉大量飛散日数(2001年-2017年,著者作成)
東京都千代田区 花粉大量飛散日数(2001年-2017年,著者作成)

 2001年以降で最も大量飛散日数が多かったのは2005年の31日、次いで2011年の28日です。一方、2004年や2006年のように全くなかった年もあります。過去10年平均では15日でした。

 また、大量飛散日数と飛散花粉数の相関係数は0.89と高いことから、今シーズンは昨シーズンの13日を上回る大量飛散日がありそうです。今シーズンの予想に近い飛散花粉数となった2009年は22日ありました。

ピークは3回、気温は15度

 いつ頃、花粉は多く飛ぶのでしょう?

 東京都は「晴れて、暖かく、風の強い日」は要注意と呼びかけています。

 昨シーズンの飛散花粉数と最高気温の関係をみてみると、極めて多かった日の最高気温は平均して約15度でした。そして、ピークは3月を中心に3回ほどあることがわかります。

飛散花粉数と最高気温の関係(2017年シーズン,著者作成)
飛散花粉数と最高気温の関係(2017年シーズン,著者作成)

 この冬は気温の低い日が目立ち、スギの花芽の休眠打破は早く、しっかりと行われているでしょう。気温の上昇とともに、花粉の飛散が本格化すると思われます。最新の1か月予報によると、3月は南から暖かい空気が流れ込み、気温は平年並みか、高くなる見通しです。

 鼻がムズムズする話ばかり。くしゃみの季節はもうそこです。

【参考資料】

東京都健康安全研究センター:東京都の花粉情報

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは117冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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