ラニーニャ発生に一歩近づく 寒さ本格化か

11月中旬は強い寒気が日本列島に流れ込む予想(著者作成)

 この冬にラニーニャ現象が発生する確率は60%と前回予想から10ポイント上昇した。ラニーニャ現象が発生すると東日本の気温(10月-12月)は平年と比べ低くなる傾向がある。

ラニーニャ発生に一歩近づく

 長期的な天気予報に欠かせないエルニーニョ/ラニーニャ現象。毎月10日頃、現在の状況と予想が気象庁より発表されます。

 11月10日発表のエルニーニョ監視速報によると、10月の太平洋赤道域東部の海面水温は基準値より0.6度低く、貿易風は平年より強い状態が続いています。9月に続いてラニーニャ現象の特徴が現れました。

 こちらのグラフは2000年から現在までのエルニーニョ監視海域の海面水温の変化をみたものです。

海面水温の基準値との差(エルニーニョ監視海域,気象庁データ)著者作成
海面水温の基準値との差(エルニーニョ監視海域,気象庁データ)著者作成

 毎月の海面水温が基準値から高くなったり(オレンジ色)、低くなったり(青色)揺れ動いていることがわかります。2014年夏から2016年春まで最大規模のエルニーニョ現象が発生しました。

 一方、ラニーニャ現象は2011年春を最後に発生が途絶えています。大規模なエルニーニョ現象が終息したあと、ラニーニャ現象の特徴が現れましたが、期間が短く、正式な発生は認められませんでした。ここにきて再び、ラニーニャ現象の特徴が現れています。今回は持続するのでしょうか?

ラニーニャ発生確率は60%に上昇したが

 最新の予想によると、太平洋赤道域中部から東部にかけての冷水がペルー沖に移動し、エルニーニョ監視海域の海面水温は低い状態が続く見通しです。この冬にラニーニャ現象が発生する確率は60%と前回よりも10ポイント高くなりました。一方で、長くは続かないとみられています。

 オーストラリア気象庁が8日に発表した予想では2017年末までにラニーニャ現象が発生する確率は50%です。たとえ発生したとしても、期間は短く、規模も小さいため、前回のラニーニャ現象と比べてオーストラリアに与える影響は小さいとしています。

日本への影響は?

 こちらはラニーニャ現象が発生したときの天候の特徴を調べたものです。

ラニーニャ現象発生時の天候の特徴(10月-12月の平均気温の出現率,気象庁調べ)著者作成
ラニーニャ現象発生時の天候の特徴(10月-12月の平均気温の出現率,気象庁調べ)著者作成

 11月を中心とする3か月間(10月-12月)の平均気温は東日本で平年と比べ低くなる傾向が統計的に認められます。

 今年の10月は秋雨前線や相次ぐ台風の影響で、東日本の平均気温は平年並みでした。今後は強い寒気が日本列島に流れ込むため、11月中旬は気温が平年と比べかなり低くなる可能性が高くなっています。予想通りに寒さが本格化するのか、注意深く見ていきたいと思います。

【参考資料】

気象庁:エルニーニョ監視速報 (No. 302),平成29年11月10日

気象庁:ラニーニャ現象発生時の日本の天候の特徴(詳細版)

気象庁:低温と大雪に関する異常天候早期警戒情報(関東甲信地方、東海地方、北陸地方),平成29年11月9日

オーストラリア気象庁:ENSO Wrap-Up,La Nina remains possible, but effect on Australia's climate likely to be less than during recent events,8 November 2017

【東日本とは下記の都県です】

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