2016年は活発な台風シーズン
今年(2016年)、非常に強い台風と猛烈な台風をあわせた「メジャー台風」は10個で、平均を上回った。台風の発生数に占めるメジャー台風の割合を調べると、エルニーニョ年は台風の活動が活発になることがわかった。
今年10個目のメジャー台風
台風26号は非常に強い勢力となり、フィリピンに接近しています(12月25日午前8時現在)。
台風の強さは「強い」「非常に強い」「猛烈な」の3階級あり、今年(2016年)、非常に強い勢力となった台風は26号を含めて6個、猛烈な強さとなった台風は4個でした。
米ハリケーンはカテゴリー3以上の強いハリケーンをメジャーハリケーンと呼びます。それに倣い、ここでは非常に強いと猛烈な台風をあわせて「メジャー台風」とします。
2016年のメジャー台風は10個となり、平均(1981-2010)の7.7個を上回りました。
平均を上回れば、台風の活動が活発だったと言っては尚早でしょう。台風の発生が多い年、少ない年もあるので、発生数に対するメジャー台風の割合を見てみました。
2016年の台風の発生数は26個で、メジャー台風は10個ですから、発生数に対するメジャー台風の割合は38%です。2016年はメジャー台風の発生数、割合ともに平均(30%)を上回りました。
2016年は活発な台風シーズン
そこで、発生数に占めるメジャー台風の割合を「台風の活動度」とし、活動度が高いほど台風の活動が活発であったとしましょう。
専門的にいえば米海洋大気局のAccumulated Cyclone Energy (ACE)がありますが、私の手に負えないので、簡易的な指数を考案してみました。
次の表は1981年以降の台風の活動度を見たものです。
1981年から2016年までの36年間で最も活動度が高かったのは2015年の0.59です。2015年シーズンは実に2つに1つがメジャー台風であったことがわかりました。一方、最も活動度が低かったのは1999年の0.05で、台風は22個発生したものの、メジャー台風となったのはわずか1個でした。
2016年は平均(0.3)を上回る0.38、2015年より減少したものの、台風の活動が活発なシーズンだったといえそうです。
エルニーニョ/ラニーニャが影響か?
メジャー台風が多い年、少ない年に、何か共通点があるのでしょうか?
調べてみると、台風の活動度が高い年はエルニーニョ、活動度が低い年はラニーニャである傾向がみえます。台風は熱帯の海で発生し、成長するので、海洋の状態が関係していることは十分に考えられ、とても興味深い結果だと思います。
【参考資料】
気象庁:過去の台風資料
NOAA Climate Prediction Center:BACKGROUND INFORMATION,THE NORTH ATLANTIC HURRICANE SEASON