東京の積雪予想 7割的中せず

この冬初めて雪化粧した東京都心(2015年1月30日:小杉浩史氏撮影))

雪予報外れに憤慨

今から2年前の2月、当時の東京都知事だった猪瀬氏が東京の雪予報が外れたことに対して、「責任を追及します。狼少年は許さない。」とコメントし、物議を醸しだしたことがありました。

当時を振り返ると、気象庁は前日に、東京23区で10センチの降雪が見込まれるとして、大雪に対して十分な注意を呼びかけました。JR各線は大雪によるダイヤ乱れを回避するため、当日の朝は通常よりも少ない運転本数で対応、各ターミナル駅は大変な混雑で、ダイヤは大混乱、一時騒然とした雰囲気に包まれました。結果的に、東京都心では雪は降ったものの、積雪には至らず、大雪予報は空振りに終わりました。

実は、気象庁が雪予想を外したのはこのときだけではなく、半月ほど前の成人の日(1月14日)にも大雪を見逃すという失態を演じていたのです。猪瀬氏の発言はともかくとして、気象庁が2度続けて雪予想を外したことにうんざりとした人も多かったと思います。

東京の積雪予報 7割的中せず

それでは、東京の積雪予報はどのくらい的中しているのでしょうか?

2013年以降、東京23区で積雪が予想された10事例を元に、検証してみました。積雪の予想は前日夕方の大雪情報です。

東京の積雪予報の検証結果(2013年~2015年2月上旬)
東京の積雪予報の検証結果(2013年~2015年2月上旬)

検証結果をみると、的中したのは10例のうち、わずか3例に過ぎず、予想以上に悪い結果に驚いでいます。地上付近のわずかな気温の違いが積雪に大きく影響していることがはっきりと表れています。

この冬(2015年)は今のところ、1勝1敗ですが、来週の火曜日(17日)から水曜日(18日)にかけ、雪が降るおそれが出てきました。今回も低気圧の動きと地上気温によっては雪が積もる可能性もあり、難しい判断を迫られそうです。

最悪の状況を予想する

東京の雪日数と積雪日数(1981年~2010年の30年平均)
東京の雪日数と積雪日数(1981年~2010年の30年平均)

東京都心では一年間に平均して10日ほどの雪の日がありますが、ほとんどは積もらず、1センチ以上の積雪日は平均して2日~3日程度です。雪が降ると予想されても、実際は3回に1回くらいしか、積もらないのです。また、積もったとしても数センチ程度、とても大雪と呼べる量ではありません。

それでも、東京都心では雪が積もる場合と積もらない場合では、状況が全く違うのは周知の通り。雪国の人からしてみれば、あまりに脆弱と思われても、ひとたび雪が降ると予想されれば、対応を取らなくてはなりません。

実際、先日(今月5日)の雪では、積雪が予想されたものの、結果はご存じのとおり空振り。あるゴルフ場では前日の段階でキャンセルが相次ぎ、損失が出てしまったそう。笑えない話です。

気象庁の大雪情報は最悪の状況を考えて発表されているため、実際は予想よりも雪が少なくなる場合が多いです。これが予想外れ感を助長していると思われますが、天気予報は空振りよりも見逃しを戒めとしますから、どうしても予想が過剰になってしまいます。

数値予報(スーパーコンピュータによる予想)は着実に進歩していて、今や人間の予想よりも当たるようになったといっても、現状ではまだまだ利用者の要望に応えているとは言い難い。ついつい、防災が第一ですからと言い訳したくなりますが、本当のことをいえば、より精度の高い予想、利用者の要望に応える予想を目指すことが一番です。

また、雪や雨が降り出したあとでも、気象状況は刻々と変化していきます。先日のように、大雪の可能性が低くなっても、警戒を呼びかけ続けるのではなく、状況の変化をいち早く伝えることも大事と考えます。