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急発達する低気圧 北日本は暴風、竜巻に警戒

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
11月7日午後5時の雲画像(気象庁)

きょう(7日)は立冬です。全国的には暖かな一日となり、北海道では平年を5度から8度くらい上回りました。季節外れの暖かさは天気が荒れる兆しです。低気圧が発達しながら北日本に近づいていて、北海道や秋田県、山形県、新潟県には暴風警報が発表されています(7日午後5時現在)。

気象衛星の雲画像をみると、日本海では回転している雲がはっきりとわかります。台風もそうですが、クルクルと回転している雲は発達している証拠で、とくに低気圧の場合は広い範囲で非常に強い風が吹きます。この時間(7日夕方)は海岸地方で風が強まっているほかは、まだ目立って風が強くない状態ですが、今夜には、確実に風が強くなります。とくに、発達しながら北海道を通過するので、急に風が強くなることに注意して下さい。

これまで、非常に強い風といえば、日本列島に接近した台風ばかりでした。でも、今回は低気圧が日本海で発達する、それも今シーズンでは最も急発達する低気圧となりそうです。先日、欧州の暴風雨でもふれましたが、暖かい秋は低気圧が発達しやすい条件がそろいます。今回は10月の暖かい空気に、12月の寒気がちょうど北日本でぶつかりあう格好です。

2006年11月7日北海道佐呂間町の竜巻被害(気象庁)
2006年11月7日北海道佐呂間町の竜巻被害(気象庁)

おりしも、今から7年前のきょう(7日)は北海道の佐呂間町で大規模な竜巻(藤田スケールで3)が発生し、死者9名という大惨事となりました。当時の天気図をみると、低気圧が発達しながら北海道を通過し、中心気圧は24時間で16ヘクトパスカル低下しました。

今夜からあすの朝にかけて発達する低気圧は、このときの低気圧以上に急発達する可能性があり、発達した雲が近づくと竜巻などの突風の吹くおそれもあります。

【参考資料】

平成18年11月7日に佐呂間町で発生した竜巻について(気象庁)

欧州で猛烈な暴風雨 日本でも

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは117冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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