女子バレー 数字で考えるブラジル戦

好調を維持している長岡望悠の攻撃が鍵を握る。(写真:Enrico Calderoni/アフロスポーツ)

女王ブラジルに挑む

バレーボール女子の日本代表は五輪2連覇中の女王ブラジル戦を迎える。日本は2戦を終えて1勝1敗。一方のブラジルは2連勝で失セットは0と貫禄の戦いぶりを見せている。

1次リーグは12チームがA、Bの2組に分かれて争い、各組の上位4チームが準々決勝に進出できる。勝ち上がれる最低ラインはおそらく2勝だ。日本は最終戦に格下のアルゼンチンを残しているとは言え、早く2勝を挙げたいところ。ましてや準々決勝の組み合わせのことを考えると、少しでも上の順位で1次リーグを通過したい。ブラジルに付け入る隙はあるのだろうか。

トスの配分

ここまでの2試合を終えての日本とブラジルの様々な数字を比較してみよう。まず、トスの配分である。それぞれのポジション別のスパイク打数の割合はこのようになっている。

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日本はミドルブロッカー陣の割合が低く、その分オポジットの割合が高くなっている。そのオポジットに入る長岡望悠の調子が良いことは好材料だ。打数はチーム最多の67本で、勝敗との相関関係が高いと言われるスパイク効果率(得点-失点/総打数)は41.79%を誇り、スパイク決定率でも50.74%と高い数字を残している。打数が61本の木村沙織のスパイク効果率が24.59%、打数が59本の石井優希が22.03%であることと比較すると、いかに長岡が好調かがわかる。

ブラジルはオポジットの13番シェイラがスパイク打数35本で効果率40%、ウイングスパイカーの16番ロドリゲスが打数41本で失点は0、効果率43.9%の数字を残している。しかし、ロドリゲスの対角に入る12番ペレイラは41本と打数は多いが、効果率は19.51%にとどまり、ミスが7本と目立つ。ミドルブロッカーは1番クラウジノがスパイク打数27本で効果率40.74%、2番バレトが打数23本で効果率34.78%となっている。ミドルブロッカーに入る日本の荒木絵里香は打数20本で効果率40%、島村春世は打数12本で効果率25%、山口舞は打数17本で効果率35.29%である。ブラジルのミドルブロッカー陣は日本よりも打数が多く、効果率も高い。

ブラジルの堅い守備

次はチーム全体のスパイク効果率、ブロック本数、サーブポイント、ディグ(スパイクレシーブ)数、レセプション(サーブレシーブ)成功率を比較してみる。(ブロック、サーブポイント、ディグは1セット当たり)

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対戦相手が違うので一概には言えないが、日本が上回っているのはサーブポイントのみ。特にブロックは日本の2倍以上で、ディグも日本を大きく上回っていることからブラジルのディフェンス力が非常に高いことがわかる。ブロックとディグは連動するものである。いくら長岡が好調でも、ブラジルのディフェンスを相手にこれまでと同様の数字を残すのは難しいだろう。長岡を生かすためにも、これまでよりもトスを分散させてブラジルを少しでも守りにくくさせたい。日本のミドルブロッカー陣の割合があと5%増えれば、ブラジルのブロックを少しは惑わすことができるのではないだろうか。

また、ブラジルのレセプションは非常に安定しているが、それはリベロが多く受けていることに起因している。総本数が84本で、そのうち44.05%に当たる37本をリベロのレイアが受けている。一方の日本は総本数が129本で、最も多く受けているのは49本の石井、次いで39本の木村、リベロの佐藤あり紗は3番目の25本で全体の19.38%である。サーブを打つ側は、守備専門のリベロではなくウイングスパイカーに取らせたいと通常は考える。なので、日本のような割合になるのが普通である。しかし、ブラジルは半数近くをリベロのレイアが受けて高いレセプション成功率を支えている。日本はリベロを外してサーブを狙い、ブラジルを崩したいところだ。

ただ、これまでの数字や机上での考えと同じようにならないところがスポーツのおもしろさでもある。真鍋ジャパンが女王ブラジルにどう立ち向かうか注目したい。