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『IT専門家』個人でも最大150万円までの補助金!サラリーマンの副業でもOK!

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
合計10のアクション 出典:中小企業デジタル化応援隊

KNNポール神田です。

コロナ禍では、いろんなパラダイムの変化が起きている…。まさかの『補助金』がフリーランスの個人コンサルティングにまで回ってきているとは驚きだ。しかも、最大150万円までの『謝金』が獲得できるのだ。

□国の事業ではITの専門家に相談した場合、1時間当たり3500円まで補助する。(長野)県はこれに1時間当たり最大4250円を上乗せし、さらなる利用を促す。24時間分まで支援を受けられる。

出典:IT導入推進企業に補助金上乗せ

なんと、長野県では最大4,250円上乗せすることを発表!24時間なので、最大10万2,000円上増しとなる。

長野県の中小企業であれば、1時間あたり最大8,250円まで自己負担500円でIT専門家の支援が受けられます。

補助金に補助金のアドオンで長野県のクライアント優先にするIT専門家が増えそうだ。

https://www.pref.nagano.lg.jp/keieishien/happyou/201019press_digital.html

事業の全体像 出典:デジタル化応援隊事業
事業の全体像 出典:デジタル化応援隊事業

それがこの中小企業庁の『中小企業デジタル化応援隊』事業だ。

https://digitalization-support.jp/

『補助金・助成金業界』では、税金をバラまくことをなぜか『事業』と呼ぶようだ。当然、『事業』とは『生産性』を上げ『利益』を上げることが最大の目的だが、この『補助金事業』では、『生産性』をまったく生まない、『利益』ではなく『事業予算』を使い切ることが重要だ。また、『非生産』きわまりない『登録、申請、認可』のやりとりを『0から10まで』の中小企業を応援する以外での『事業スキーム』を経なければならない…。

世の助成金や補助金事業が『業界ゴロ』でひしめき合っているのはこの為だ。また、『事業』をきちんとチャンスのある人にPRしようとしていないところが諸悪の根源でもあろう。

そして、『補助金』を得るためには『ドキュメントワーク』が必ず求められる。これはすべてにわたり、公平中立に不正行為をなくす為だから仕方がない。すべての財源は国民からの血税でもあるからだ。しかし、このやりとりこそ、もっとデジタル化を進めるべきだろう。登録の認可も、すでに1週間〜2週間も経過している。これで本当に1月末までの登録に間に合うのだろうか?

事務局サポートへの電話も質問があり、朝からずっとかけ続けているが、毎回、留守番電話しかでてくれない。チャットで対応するとかもっとほかの方法があるだろうに…。

中小企業デジタル化応援隊事業事務局

TEL:050-2000-7227

しかし、それでもITに詳しいフリーランスの『個人』や副業サラリーマンが、一社あたり最大30万円で最大150万円まで(ただし2021年2月末までに終了が条件)謝礼がいただける『事業』は、個人の持つ、ITの知識やスキルをぜひとも、IT化デジタル化に乗り遅れた企業のために、有効に使ってもらいたいものである。

■『IT専門家』とは?小学校の『家庭教師』レベル?

『IT専門家』と言われると…個人やサラリーマンで副業希望の人は、ついついおじけづいてしまいそうであるが、コンサルテイングというよりもサポートやITの相談相手としての登録としてでも、マッチングする相手次第で成立するものも多いと思われる。ホームページの構築やテレワークのサポートなど難易度の低い相談案件も多いと思われるからだ。

もちろん、1時間あたり『4,000円(税込み)』の時給相当分は『3,500円(税込み)』 の国からの謝金と、中小企業の『500円(税込み)』 の合計額であるが、それでも『1時間4,000円』は、プロのITコンサルタント料金としては、破格値でありえない金額である。このあたりは『専門家』をナメている料金だと感じる。

つまり、『1時間あたり4,000円』は小学生の家庭教師の相場(3,000〜5,000円)よりも低い金額なので、求められているスキルも、『ITの家庭教師程度』と考えることができるだろう。依頼する『中小企業(個人開業事業主も含む)』も1時間500円で教えてもらえる理解となっているのでそんなに難しい質問はこないはずだ。

それでも1時間あたり500円でいろいろ相談にのってくれる親身な『IT専門家』とマッチングしてもらえるならば、現場で本当に『デジタル化』を欲している企業にとってはとても良い機会になることは間違いない。

また、片道なぜか100km以上離れている中小企業のクライアントの場合は、一回一往復分の旅費が支払われるので遠方のクライアントに顔をだしに行けるという、まるで『GoToクライアント』のような制度もある。

支援単価、謝金、実費負担の例 出典:デジタル化応援隊
支援単価、謝金、実費負担の例 出典:デジタル化応援隊

もちろん、バリバリのプロの『IT専門家』は4,000円以上の1万円とかに価格を設定することも可能だが、謝金の上限が3,500円定額なので、1万円だと、その差の6,500円は『中小企業(個人開業事業主も含む)』側が支払うこととなるので現実的にはその仕事での『落札』マッチングは不可能だ。つまり、『1時間あたり4,000円』での『最適解』な価格で相談したい企業とのマッチング契約があれば良いのだ。もちろん、登録してすぐにマッチングがあるわけではない。『IT専門家』は提案して、選ばれる立場なので、同じ4,000円でもニーズにあったコスパの高い『IT専門家』から順番に売れていくこととなる。

『補助金』との大きな違いは、あくまでも『謝金』であり、『中小企業』がマッチングを望み、相談コンサルティングを、仕事を完成する義務を追わない『准委任契約』を交わした上で、時間単位で検証されるものだ。つまり、相談、コンサルティングの質や量よりも契約にもとづいた『時間』のほうが重要な仕事となる。

■求められる『IT専門家』の条件

○個人として本事業への参加を希望するIT専門家になる者・副業・兼業をする者であること。

○IT専門家の基準

IT専門家の基準 出典:デジタル化応援隊
IT専門家の基準 出典:デジタル化応援隊

これを熟読すればするほど、『IT専門家』として求められている資格やスキルや経験はなくても『デジタル化を支援する能力を有する者』であれば良いということがわかる。

さすがに『UBER EATS』のドライバーほど敷居は低くないが、『IT専門家』の登竜門としては、この『デジタル化応援隊』事業を起業のレバレッジとして効かせることはできそうだ。

まるで『ID』ゲットのポケモンGO! 出典:デジタル化応援隊
まるで『ID』ゲットのポケモンGO! 出典:デジタル化応援隊

まずは、『IT専門家』として『登録』しないことには始まらない。そして『IT専門家ID』をもらわないことには、仕事のあるマッチングデータベースにもたどりつくことができない。その後、企業との『相談案件ID』を取得し、『支援計画ID』と合計3つも進捗ランクに応じての『ID』を取得する必要がある。

令和2年度中小企業デジタル化応援隊

利用についての手引書 <IT専門家向け>

2020年11月24日版

https://digitalization-support.jp/documents/handbook_supporter.pdf

■IT専門家の登録方法 写真 銀行口座 運転免許 

10プロセスある事業スキーム 出典:デジタル化応援隊
10プロセスある事業スキーム 出典:デジタル化応援隊

なにはなくとも、登録しなければ始まらない。

用意するものは、顔写真(スマホ写真でも可能)、身分証明書写真(表裏)、口座通帳写真(もしくはキャッシュカードの写真)など。簡単な『経歴書(後で修正可能)』。

そして、一番、簡単なのは、事前に【1】『中小企業(個人開業主)』とのあらかじめマッチングをしている場合は『マッチング』プロセスを省略することができる。すでにコミュニケーションの取れているクライアントや、手助けしたい中小企業や個人開業主がいれば一緒に誘って登録すればよい。

予めマッチングできているならば、事務局でのマッチングを希望せずに、パートナー企業の登録をすれば良い。

筆者はこの手法で複数のあらかじめ、よく知った複数の中小企業とのマッチングで契約を進めている。

まだ事前マッチングの進行中だが、株式会社ライトアップ経由で申し込んでみた IT専門家の登録はこちらから 中小企業の登録はこちらからだ。 ただ、マッチング済みとはいえ、事務局から『ID』をもらわなければ検索に結びつかないのでその登録は必要である。中小企業の場合は法人番号、個人開業事業主は開業届の控えと納税証明などのコピーが必要だ。

ただし、中小企業側も1時間ワンコイン500円分だけではなく、それぞれの承認プロセスの『ドキュメントワーク』に対応しないと4,000円分のコンサルティングメリットに預かれないことは説明しておくことが重要だ。

中小企業のデジタル化に結びつかない、承認プロセスが10もあるのでそれなりのまとまった時間をコミットする必要がある。第三波かどうかわからないが、コロナ化で、年末年始の忘年会などの会食がなくなった時間をデジタル化の勉強に当てるのは非常にありではないだろうか?

■実際の登録所要時間は2時間ほど見ておくべき

IT専門家登録申請の方法

https://digitalization-support.jp/supporters/add

職歴はあとで追記が可能

得意な業種は複数選択できる

事前マッチングができている場合はパートナー企業経由で、

希望時間単価税込み価格で4,000円がベスト

事務局マッチングの希望の有無 希望の方は事務局マッチングもしくは自分がデータを検索して提案していくこととなる。

■150万円獲得するには、最短55日間フル活動しなければならない

最大150万円、一社最大30万円といっても、それは1社あたり、3500円の負担で考えると、85時間の相談時間がかかる。中小企業との契約でオンラインで随時相談に乗れる状態としても1日8時間として、11日間以上かかるのだ。それが5社となると最短でも55日間かかる計算となる。実質月間20日間稼働としても、3ヶ月かかる。

2月末日の締め切りだから2020年12月、2021年1月、2月とフルにコミットしてもなかなか難しい150万円の補助金からの謝金だ。

また、パートナー企業のGMOメディア株式会社などでは連日セミナーを開催しているので、そちらのセミナーなどに参加して知識を得ておくこともよいだろう。もちろんオンライン登録は土日も可能だが、審査はおそらく平日にしかなされていない。この週末あたり、どこかで2時間かけて登録しておくのが150万円だと、最後のチャンスかもしれない。

意味のある補助金になるよう、あなたのITスキルを活かしてみてくださいね。

■筆者も『IT専門家』として登録しているので2時間単位でのコンサルティングお受けしております

筆者のIT専門家専用ページ 出典:デジタル化応援隊
筆者のIT専門家専用ページ 出典:デジタル化応援隊

I00025225 神田 敏晶さん 

IT専門家としての登録が終わると、このような新着の相談案件込みの自分のサイトが用意される。

筆者に依頼したい中小企業はこちらでの中小企業登録後に依頼ください。

筆者には、2時間単位なので、ワンコイン500円として2時間で1,000円。国から7,000円(3,500円×2時間)として9,000円の謝金が振り込まれることとなる。

むしろ、IT専門家にとって、この2時間のおつきあいが、いろんなデジタル化のコンサルタントの足がかりとなるならば、謝金をいただきながら、営業活動ができる良い機会だと捉えることができそうだ。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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