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9月1日から『マイナポイント』スタート。しかし『マイナポイント』って何?

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

2020年9月1日(火曜日)より、上限5,000円分のマイナポイントの還元事業がはじまる。最大2万円までのキャッシュレス消費で25%(上限5,000円)まで任意のキャッシュレス事業者からの還元がある。

つまり、2万円までのキャッシュレスでの消費で、最大25%分のポイント還元(最大5,000円分)が、各事業社でのポイントでもらえるのだ。

■そもそも『マイナポイント』とは…?

マイナンバーカードを持っている人が、今回は、最大5,000円分のポイント還元がもらえる、いわば、マイナンバーのポイントの事。

今回は、予約開始が2020年7月1日から開始し、9月1日火曜日から2021年3月31日水曜日まで実施される。

今回の予算は2,000億円なので、先着4,000万人(国民の33.3%)に申し込んだ各キャッシュレス事業者からのポイントで還元されることとなる。

■マイナポイントの内容把握は3割

□マイナンバーカードを使ったキャッシュレス決済のポイント還元「マイナポイント事業」が(2020年)9月1日から始まるが、申し込んだ人は300万人程度にとどまり、盛り上がりを欠いている。

□マイナポイント事業に申し込むには、マイナンバーカードが不可欠だが、(2020年8月)25日時点でマイナンバーカードの所有者は2436万5750人。申請は増加傾向にあるというが、1カ月の申請枚数は多い月でも150万枚程度だ。

□来年3月の事業終了までに4000万人程度にしかならない。しかも、カード所有者の全員がポイント還元に申し込むとはかぎらない。

□マイナポイント事業について8割が知っているものの、「内容を把握している」という人は35.5%にとどまった。「聞いたことがない」という人も16.9% 内容を把握している人を対象に、マイナポイント事業への申し込み状況を聞いたところ「申し込んだ」は23.9%で、「申し込む予定はない」という回答も29.8%あった。

出典:マイナポイント「内容把握」は3割…申し込み低調、4千万人厳しく

予算2,000億円で4,000万人なので最大5000円分のポイント還元であるが、年末の時点で申し込みが少なければ、予算を使い切りで、2,000万人とすると、最大1万円の50%の山分け方式にしておいたほうが、射幸心を煽ることにはなりそうだ。

現在のマイナンバーカードの取得者は、2436万人とすると、この半数が申し込んだとしても、1200万人。山分けすると、一人あたり、1万6666円までポイント還元できる計算となる。そんな取らぬタヌキの皮算用はさておき、マイナンバーカードの具体的な習得から考えてみよう。

■『マイナポイント』しかし、乗り越えるべき障害はいろいろ

まずは、『マイナンバーの通知カード』ではなく、証明写真のはいった『マイナンバーカード』が手元に必要だ。

最大5,000円分のポイントが還元されるので、マイナンバーカードを取得しておきたいものだ。

…とはいえ申し込んでから、マイナンバーカードは、いったい、いつ届くのかがはっきりとわからない。目安となる日時もわからない。また、マイナンバーカードが到着の案内がきても、さらに日時を予約して、各自治体にまで行き、本人確認ができてようやくカードを手にすることができる。

むしろ、『マインバーカード』そのものをアプリ化してQRコードで表示して利用できるようにしてもよかったのではないかと思う。

実際に、マイナンバーカードが手元に届くまで2ヶ月は猶予を見ると、2020年の年末には、手続きを終えていると、翌年の1月〜2月中には間に合う。今からでも遅くないので、2020年度中の9月10月11月12月の4ヶ月の間に『マイナンバーカード』を取得してみてはどうだろうか?

■『マイナポイント還元』に必要な手続きは…

1.マイナンバーカードの手元での取得 ※カードをスマートフォンで読み取る必要がある

2.マイナポイントの予約 ※マイキーIDの取得のため

2.スマートフォンでのQRサービスやクレジットカードサービス選択

3.サービス会社の ログインIDやセキュリティコードの確認 ※決済サービス情報入力が必要

4.マイナポイントとの紐づけ ※『マイナポイントの申し込み』

となる。

申し込み画面が事業者が多すぎて、選択するのが大変だ。さらに事業者、決済サービス情報入力のための、ログインIDやセキュリティコードの確認を『マイナポイント』アプリを立ち上げながら、スマートフォンで同時入力するのは至難の技だ。

まずは、決済事業者のログインIDやセキュリティコードの確認をすることをおすすめしたい。

セブンイレブンのマシンなどでも『マイナポイント』の予約と申し込みが可能となったが、これもなかなかむずかしそうだ。こちらも、決済サービス情報入力を事前に調べておく必要があるからだ。

セブン銀行のATMからの申込み 出典:総務省
セブン銀行のATMからの申込み 出典:総務省

https://mynumbercard.point.soumu.go.jp/doc/operate_procedure_02.pdf

■まだまだ間に合うマイナポイントの『あとだしジャンケン』

まずは、『マイナンバーカード』を習得し、『マイナポイント』の予約を申し込み、その他のサービスと吟味しても年内は十分に間に合う。

紐付けは一回、一事業者限りだから慎重に紐付けるサービス。最大2万円は消費して25%のポイント還元なので、自分が一番利用するキャッシュレスとの紐付けで、『決済サービス情報』を確認しながらじっくりと選んでいただいたほうが良いと思う。ただ、残念なのが、どのサービスも大した差がないので、いつも使うキャッシュレスに紐づけてして、さっさと『マイナポイント』の事は脳裏から離してしまい、いつの間にかポイントだけが溜まっているという選択肢もありそうだ。

■後出しジャンケンで得する『マイナポイント』

https://news.yahoo.co.jp/byline/kandatoshiaki/20200701-00186022/

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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