若者は『花見』を自粛し60代が自粛していなかった…行動ログデータから見る『自粛』実態

上野公園での人流マッピング 出典:レイ・フロンティア

KNNポール神田です。

□通信アプリ大手のLINEは、新型コロナウイルス対策で厚生労働省と情報提供の協定を結び、この一環として、8,000万人(8,300万人)を超える国内の利用者を対象に、(2020年3月)31日から健康状態などの調査を行うことになりました。

□調査は、LINEが国内のすべての利用者を対象に31日から行い、4月1日までの回答を呼びかけ

□そして年齢、性別、住んでいる地域の郵便番号などを答えてもらい、個人が特定されない形で統計処理をして厚生労働省に提供します

□稲垣あゆみ上級執行役員は「クラスターの発見だけでなく、人々の感染予防の意識が地域や世代によってどのように異なっているかなどを可視化することができるのではないか。ぜひ皆さんにアンケート調査に参加してもらい、感染拡大防止に有用なデータを提供できるように、こちらでも頑張っていきたい」と話していました。

□全国の利用者を対象に調査を行うのは2011年のLINEのサービス開始以来初めて

出典:LINE 国内8300万人の利用者に健康状態調査 厚労省と協定
8300万人の厚生労働省のLINEアンケート 出典:LINE
8300万人の厚生労働省のLINEアンケート 出典:LINE

IT化、デジタル化、DX化によって、大きく変化できることが増えている。

おそらく、これほどの大規模な個人のアンケート調査は、国内では初めてではないだろうか? しかも、調査員を使うことなく、個人が直接答える。『郵便番号』による地域分布での体調データが手に取るようにわかることだろう。また、2回目などの定期的なアンケートによって、データに裏付けられたリアルな感染状態が浮き彫りになることに期待したいものだ。

また、同時に東京都などの自治体も独自でLINEで『パーソナルサポート』を行っている。ある意味、LINEが『情報インフラ基盤』として機能していることを物語っている。

東京都新型コロナ対策パーソナルサポート 出典:東京都
東京都新型コロナ対策パーソナルサポート 出典:東京都

現在、31万2,197名フォローされている(2020/04/02現在)

https://lin.ee/dCynj8n

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/coronasodan.html

各自治体が自主的に『パーソナルサポート』を展開中だ。

https://guide.line.me/ja/covid19/prefecture/

東京都は、新型コロナに関するオープンデータも公開中。

https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp

このようなデータにアクセスできる一方で、なんとなくの先入観だけで報道されていることも多いように感じる…。そう、若者は果たして自粛していないのかという点だ。

■花見の自粛を守らない若者たち?

テレビなどの報道を見ていても、自粛をしない若者たちのイメージを強く感じる日々が多い。本当に若者たちは自粛していないのだろうか?

『原因は感染の自覚ない若者!? 首都に迫る感染爆発の危機…「外出自粛」で1都4県が協力確認へ』

https://www.fnn.jp/articles/-/24935

『若者、東京で買い物やカラオケ 外出自粛「気にしない」「遅い」』

https://news.infoseek.co.jp/article/kyodo_kd-newspack-2020032801002426/

東京都内で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、都が不要不急の外出を控えるよう呼びかけている週末が(2020年3月)28日から始まります。都は生活必需品の買い出しや通院などは必要な外出だとしつつ、例えば、毎年できるお花見は自粛するなど、その日でなければできないことかどうかを考えて行動してほしいと呼びかけています。小池知事は、27日夕方、NHKのインタビューに応じ、ウイルスに感染しているという自覚がない人たちが密集して感染が広がるおそれがあるとして、特に若者に対し、不要不急の外出を控えるよう呼びかけています。

出典:「特に若者は控えて」東京都 不要不急の外出自粛を呼びかけ

ヤフーニュースのオーサーでもある六辻彰二氏も疑問をなげかけている…。

□外出自粛などに関して行政やメディアが「若者」に特にフォーカスするのは不公平である

□コロナをめぐる外出自粛で「自主隔離をしない無神経な若者」のイメージが流布している。

□問題行動は「個人の問題」として扱うべきであり、属性としての傾向を語るなら、それなりの根拠を示すべきだろう。

出典:新型コロナ、若者ばかりが責められて「中高年」の問題行動が責められないのはなぜか

■昨年と今年の上野公園での花見客の滞在時間データ

レイ・フロンティアが発表した、上野公園での滞在時間データを見て、昨年との違いに驚いた…。

□桜の名所、上野公園のお花見シーズンの行動データを見える化

□■期間

2019年3月21日(木)~3月27日(水)【春分の日を含む1週間】

2020年3月15日(日)~3月21日(土)【春分の日を含む1週間】

■エリア

上野公園

■調査対象年齢

20代~60代 ※年代別のユーザー比率は昨年と同じ

■調査元

アプリSilentLogより収集したデータに匿名化処理を施したもの

□2019年の累計滞在時間を100とした時、2020年で最も累計滞在場所が減少していたのは30代で16。それに対し昨年より累計滞在時間が上昇していたのは60代で107。 年齢の高い方が長時間滞在している傾向

出典:お花見シーズンの上野公園、若者は行動を自粛していた
 年代別の上野公園 累計滞在時間出典:レイ・フロンティア
年代別の上野公園 累計滞在時間出典:レイ・フロンティア

この2019年を『100』とした場合の今年の『自粛率』ともいえる年代層の動きに驚いた…。なんと60代がまったく自粛していなかったようだからだ。むしろ、2020年の60代は、去年より増えているではないか!

若者が自粛せずに花見に繰り出している映像ばかりを見せられていたが、実態は60代が一番、自粛していなかったようだ。

30代が一番自粛し、続いて20代、40代、そして50代と続く…。50代の自粛は、昨年の半数であった。

30代は昨年を100%とすると16%の自粛率だった。

30代の人流比較。自粛効果がひと目でわかる出典:レイ・フロンティア
30代の人流比較。自粛効果がひと目でわかる出典:レイ・フロンティア

このデータが気になり、レイ・フロンティア株式会社に確認をしてみた…代表取締役の田村建士氏によると「私たちもAIを活用し、新型コロナウィルスに関する対策において、匿名データから読み取れる分析をおこなっていた。花見シーズンの上野公園で昨年のデータと比較してみたところ、報道されているような若者自粛との違いが気になり今回ピックアップさせていただいた。弊社は単に人々が集まっている情報だけではなく、時系列による移動データを分析できるところが特徴的だと思う。自社で開発をしているライフログアプリSilentLogに限らず、自動行動記録アプリ入れていただければ、利用者は新コロナウイルスが発症時期とされる、2週間前に自分がどんな行動をしていたかというような移動ログの記録と確認ができ、自己防衛となると思う」と語った。

いろんな仮説を立てて、データを分析していけば、見えない新型コロナウィルスを『見える化』できそうに感じた。

■加害者にならないためにも、2週間前の自分の行動を可視化しておこう

『SilentLog』は自分の行動ログを記録してくれるアプリであり、レイ・フロンティアはそのデータを匿名データとして属性で分析し、SDKとして提供している。残念ながら『SilentLog』はiOSのみである。

https://silentlog.com/

androidでもiOSでも『Google Map』の『タイムライン』を利用すれば行動ログを残すことができる。

『アクティビティ管理』>『ロケーション履歴』を設定でオンにしたりオフにすることができる。

https://myaccount.google.com/activitycontrols/location

この新型コロナウィルスの時期だからこそ、2週間前の自分の行動や、そして2週間後の自分の行動の結果を管理するためにも、ロケーション履歴を分析しておくことは有効だろう。

最近は、自宅で自粛していた人にも感染者があらわれているので、自分の行動履歴も正確にログをとっておくことが、感染した場合の予測につながることになるだろう。

スマートフォンを持っているだけで自分の行動ログが管理できる。不安があれば、各自治体の『パーソナルサポート』にアクセスしてみるなど、一人ひとりのスマートフォンが、個別のセンサーとなり、見えない新型コロナウィルスを可視化してくれる日が近づいてくると思う。

1961年神戸市生まれ。ワインの企画・調査・販売などのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の編集とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送局「KandaNewsNetwork」を運営開始。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を兼任後、ソーシャルメディア全般の事業計画立案、コンサルティング、教育、講演、執筆、政治、ライブストリーム、活動などをおこなう。メディア出演、コンサル、取材、執筆依頼 などは 070 5589 3604 まで

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