『ヤフー!』が『PayPay』にブランド変更したい4つの理由 『Zホールディングス』始動

PayPayロゴをYahooトップに仮置き。まったく違和感なし…出典:KNN

KNNポール神田です。

2019年10月 Zホールディングス株式会社 新組織 出典:ヤフー株式会社発表資料
2019年10月 Zホールディングス株式会社 新組織 出典:ヤフー株式会社発表資料

□ヤフーは(2019年)10月1日付で持ち株会社体制に移行し、社名を「Zホールディングス」に変更すると発表した。持ち株会社の下に100%子会社として、ヤフー事業を担う「ヤフー株式会社」と金融事業を統括する中間持ち株会社を置く。

□現在ヤフーの連結子会社であるアスクルやバリューコマースは、Zホールディングス傘下となる。一方、モバイル決済サービスを提供するPayPay(東京都千代田区)、電子書籍販売サイトなどを運営するイーブックイニシアティブジャパンなどは、子会社となるヤフー株式会社の下に置くとした。

出典:10月1日から新体制: ヤフーが「Zホールディングス」に社名変更 10月に持ち株会社体制に

□「オンラインとオフラインを融合した情報化社会の実現に向け(ヤフーの頭文字の)YからZへとモードを切り替えていく」。東京都内の本社で記者会見した川辺健太郎社長は社名変更の理由をこう説明した。

□電子商取引(EC)やポータルサイトなどネット事業を運営する事業会社のヤフーと、ジャパンネット銀行などを統括する金融持ち株会社を設立。

□10月1日付で持ち株会社のZHDの下に並ぶ形になる。東証1部に上場する企業はZHDとなる。

□川辺社長は「金融事業に力を入れていくなかで、ネットと金融それぞれでガバナンス(企業統治)を整える」と狙いを説明した。

□川辺社長はヤフーの経営環境について「米IT大手や新興企業との戦いで、事業環境は引き続き厳しい」と語った。他社との違いを出すために注力するのが、ソフトバンクと共同で運営するスマホ決済「ペイペイ」だ。ペイペイは当初は新ヤフー傘下になるが、軌道に乗れば金融持ち株会社に移す。会見ではペイペイで収集される決済データを使った後払い決済や小口融資サービスなどの構想を示した。

出典:ヤフー、金融事業強化へ持ち株会社化 社名はYからZに

※この記事はヤフーニュースに掲載されていても、あくまでも筆者の一個人的なひとつの見解でしかないことを最初にお断りしておきます当然、ヤフーからの正式な発表でもありません。

■『理由その1』YではなくZへシフト、持ち株会社 Zホールディングスでヤフー!の露出が激減

Zホールディングスが発表したロゴ 出典:Zホールディングス
Zホールディングスが発表したロゴ 出典:Zホールディングス

2019年10月1日から、東証1部に上場している『ヤフー株式会社』は『Zホールディングス』となる。YからZへとオンラインからオフラインとの融合を目指す。『Zホールディングス』は、『ヤフー株式会社』を傘下に持ち、『ヤフー株式会社』は『PayPay』を傘下に持つ…。しかし、近いうちに『Zホールディングス』は『PayPay』を金融持ち株会社の傘下とする予定だ。そして、新生『Zホールディングス』は通信の『ソフトバンク』が44.5%のシェアを持つ親会社となっている。そして、『PayPay』の出資は、投資会社の『ソフトバンクG』 50% 通信の『 ソフトバンク』25% 社名変更する『Zホールディングス』25%という資本構成だ。この資本構成の中でも、記憶からゆっくりと薄れていくのが、『Y!』の『ヤフー!』の名前だ。

■『理由その2』ヤフーの名前が続々とPayPayへと変わる『PayPayフリマ』の開始

2019年8月29日ヤフオクのガイドラインが改定 出典:ヤフオクガイドライン改定
2019年8月29日ヤフオクのガイドラインが改定 出典:ヤフオクガイドライン改定

□いつもヤフオク!をご利用いただき、誠にありがとうございます。

□Yahoo! JAPANでは、フリマアプリサービス「PayPayフリマ」のリリースを10月に予定しております。

□「PayPayフリマ」のリリースに伴い、ヤフオク!から出品する際に所定の条件を満たした商品は、同時にPayPayフリマにも掲載されるようになります。

□PayPayフリマに掲載されることで、ヤフオク!の利用者だけでなく、PayPayフリマの利用者も購入することができるようになります。

出典:ヤフオク!ガイドライン改定(PayPayフリマ掲載特約)について

実質、個人においての『ヤフオク』は10月以降は、『PayPayフリマ』へシフトしていくという意味にも取れる。

そして、『Yahoo!マネー』は『PayPay』に9月末日に統合化されるスケジュールにある。

■『理由その3』『ヤフーショッピング』のアッパー層、プレミアム層を狙う『PayPayモール』と売上ロイヤリティ3%

□「PayPayモール」について 

2019年10月に開始予定の「PayPayモール」は、「Yahoo!ショッピング」への出店有無を問わず、Yahoo! JAPANが定める安全・安心の出店基準を満たしたストアのみが並ぶプレミアムなオンラインショッピングモールです。「PayPayフリマ」と同様、「PayPay」と連携したお得な特典やキャンペーンを予定しています。

出典:ヤフー、PayPayブランドを冠した新しいeコマースサービス 「PayPayフリマ」「PayPayモール」を今秋開始

しかし、無料で出店できる「Yahoo!ショッピング」と違い、「PayPayモール」の出店基準は、かなり厳しいのがよくわかる。

□年間のヤフーショッピング経由の流通総額が1.2億円以上または出店者の中でも優良な店舗を選び表彰する「ヤフーショッピングベストストアアワード」を18年度以降受賞したことがあるなどの条件をクリアした上位店のみ。

□「ヤフーショッピング」に未出店の企業の場合は、当該社、または親会社などグループ会社が上場していること、またはグループを含む年商規模が100億円以上(家電カテゴリーは500億円以上)という条件をクリアした大手企業のみが出店できる。

出典:ヤフーの「PayPayモール」への出店条件は? 「Yahoo!ショッピング」との違いは?

この敷居は相当高い。つまり、年間1.2億円以上の売上のショップだけが『PayPayモール』へ出店できることとなる。さらに『PayPayモール』からは売上の3%を徴収することとなる。完全に『ヤフー』ブランド < 『PayPay』ブランド のプレミア感が作られる事となる。

2018年度の売上は9547億円 出典:ヤフー決算報告書
2018年度の売上は9547億円 出典:ヤフー決算報告書

2018年のヤフーの年間売上高は9,547億円であり、営業利益は1,405億円(14.7%)であった。

EC部門の売上げシェアは68.0%で6,496億円であった。しかし、営業利益は557億円(利益率8.5%)であり、全売上に占める貢献度では5.8%にすぎない。一方、メディア部門の売上シェアは31%の3,034億円だが、営業利益は1,410億円(利益率46.4%)で、全売上に占める貢献度では14.7%となる。

EC部門のドラスティックな変化に『PayPay』ブランドを投入という解釈は十二分に可能だ。

出典:2019年3月期 ヤフー株式会社 決算短信
出典:2019年3月期 ヤフー株式会社 決算短信

■『理由その4』米Yahoo!のライセンシング料金3%で年間286億円のロイヤリティ

若い読者はあまり知らないだろうが、『ヤフー株式会社』という会社は米国のベンチャー企業である『Yahoo!』からライセンスを受けて日本で合弁で作られた会社だ。しかし、米国の親会社がダメになっていくパターンはマクドナルドやセブンイレブンをはじめアメリカあるある話しである。米Yahoo!の場合はさらに悲惨だ…。

米Yahoo!の主要事業はベライゾンに48.3億ドル(4830億円)で買収(2016年7月25日発表)された。保有株の管理会社である米Altaba(旧Yahoo!)は、ヤフー日本法人株の約35%を2018年9月10日に売却している。この時点でヤフー日本法人との縁は切れた。そして2019年1月よりAOLと米Yahoo!統合企業は「Oath」となった。(Oathは、Verizon Media Group傘下)2019年1月、これで米国でのYahooはすべて消滅している。しかしながら、日本のヤフー株式会社は、『Yahoo』という名の使用ライセンス料金を売上高の3%として「Oath(旧Yahoo!)」に上納しなければなない契約だ。

2018年度の売上、9,547億円の3%はざっと286億円となる。営業利益1405億円の20.3%、当期利益778億円の36.7%にもなる。

筆者が、CEOならば、もはや世界に存在しないYahoo!本社への『みかじめ料』の年間300億円をベライゾンにわたす契約そのものを改善したくなる。

ヤフーのユーザー層 出典:ヤフー媒体資料
ヤフーのユーザー層 出典:ヤフー媒体資料

PC時代を制覇してきた『ヤフー!ジャパン』。モバイル時代にもキャッチアップしてきた。しかし、世代のジェネレーションを超えるのは難しい…。現在のPCにおけるヤフーユーザーは40代以上が72%を占めている。モバイルでも61%だ。

当初は『PayPay』という語韻の響きは、チープな印象を持っていたが、ここ最近は抵抗感がなくなってきた。エンドユーザーって以外に名称変更には難色を示すが、変わってしまえばそれはそれで必要なサービスであれば受け入れてしまうものだ。

ライセンスの詳細な契約状況がわからないが、『Yahoo!』という名を借りないことにより、新たな客層へのリーチをはかることができるのももちろんのこと年間300億円のキャッシュが使えるというのは、100億円還元キャンペーンを年間3本も打てるくらいインパクトがある。