たったの5%還元?セブンイレブンの廃棄削減はアプリでもっと対応できないだろうか?

(写真:つのだよしお/アフロ)

KNNポール神田です。

□コンビニ最大手セブン―イレブン・ジャパンは17日、弁当など消費期限の近づいた食品の購入者に5%分のポイントを提供する還元策を、今秋から国内の全約2万店で始めると明らかにした。

□セブンが対象とするのは弁当やおにぎり、麺類、パンなど期限が数時間から数日先の商品を中心に約500品目。期限まで残り4~5時間になると5%のポイントを付け、購入を促す。

□ローソンも同様の還元策を6月から愛媛、沖縄両県で実験し、全国展開も検討すると発表。

出典:https://this.kiji.is/501918907503690849?c=493473239399466081

■たかだか5%のポイント還元で消費期限の商品を選ぶのか?

まず、セブンイレブンやローソンの英断には、エールを送りたいと素直に感じた…しかし、自社のポイント還元を5%というのは、近隣のスーパーで20%やら50%の現金値引きからみると小ぶりに思えて仕方がない。せめて今秋からの本当に実施されるのかの雲行きがあやしくなりつつある消費税10%以上のインパクトがないと、廃棄削減にまではおぼつかない気がする。

また、セブンイレブンはこの2019年7月から、後発でのバーコード決済『7pay(セブンペイ)』の導入を予定している。

『7pay(セブンペイ)』出典:株式会社セブン・ペイ
『7pay(セブンペイ)』出典:株式会社セブン・ペイ

https://www.7pay.co.jp/

株式会社セブン&アイ・ホールディングス(出資比率40%)

株式会社セブン・フィナンシャルサービス(出資比率30%)

株式会社セブン銀行(出資比率30%)

■スーパーほどの還元率とAIでスマートに売り切り予測と個別のクーポン発行が必要

スーパーの現金での割引とはちがい、ポイント還元での割引は、自社の商品に還流されるポイントなので、登録店舗の在庫で消費期限間近の商品でも安く買いたいとオプトインするような顧客をデータで確保しておけば、ギリギリまで待ち、ポイント還元率も10%~100%までAIで判断して売り切るというようなこともできそうだ。基本的に顧客が他店に行くよりも、曜日や時間や天候、気温などによる行動データでAIの判断によるクーポンを発行し、売り切るというマネージメントが理想だ。

そう、返品・廃棄作業は伝票作成から、廃棄の実費など利益を産まないコストばかり発生してしまうからだ。

コンビニエンスストアは定価販売が原則だが、アプリのクーポン利用では、ウェブの広告同様に、その人ならではの割引クーポンを提示することができるだろう。また、アプリもAR機能でスマートフォンをかざせば、経過時間に応じてクーポンの還元率が変わるというような施策もありかと思う。

■もしも、『中国のAIベンチャー』だと思えば…

今、日本の大企業に欠けているのは、斬新なアプリのサービスを瞬時に立ち上げ、急激に広げていくパフォーマンスではないだろうか?失敗がないようにどこからも問題が起きないように、社内で厳重にハンコの確認をとり、グループ・関連企業にも念入りに根回しする。ステイクホルダーが多ければ多いほど時間だけがかかり、コストがかかる運用体制になってしまう。もしも、自分たちが、今、『中国のAIベンチャー』だと思えば…同じスピードで展開しているだろうか? 1日でもリリースが遅れれば、ライバル企業に、市場をかっさらわれてしまうというような焦燥感はまったく感じられない。長らくほぼ寡占状態で繁栄してきたコンビニエンス業界だからこそ、自分たちの危機が、まるで『ゆでガエル』のように、気がついた時には、すでにジャンプすることすらできないという状況も予測しておかなければならないだろう。もはやライバルは同じ業界ではなく、『中食』業界全体からやってくると考えられる。外食、宅配、コンビニエンス、スーパー、量販店、EC、もはや業界の垣根はスマートフォンの中では存在しない。