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新元号『令和』で推進したい『西暦化』と『キャッシュレス化』

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
新元号は『令和(れいわ)』 出典:著者 筆耕

KNNポール神田です。

□菅義偉官房長官は(2019年4月)1日午前11時40分ごろ、首相官邸で記者会見し、新しい元号は「令和(れいわ)」と発表した。元号を改める政令は即日公布され、皇太子さまが新天皇に即位する5月1日に施行される。天皇退位に伴う改元は憲政史上初めて。1989年1月に始まった「平成」は、残り1カ月で幕を閉じる

出典:新元号は「令和」 5月1日から 菅長官が発表

本日2019年4月1日は、エイプリールフール。

エイプリールフールに新元号を発表する。そして、2019年5月1日から新元号がスタート。

つまり、今日から一ヶ月間は、『平成』でもなく新元号『令和』でもない、一ヶ月がスタートする(※厳密には『平成』)。この一ヶ月、新元号まであと何日、平成最後まであと何日というような、相対的な日数を表記されることも多くなる。

しかし、この一ヶ月で、新元号の『元年』がまだ使えない空白期間を1億全員が体験する。これが政府の一番の狙いだと思う。本来であれば、3月1日に発表し、4月1日に新元号スタートのほうが新年度スタートに使える。官庁のデータも新年度で対応できる。しかし、なぜ?この中途半端なこの発表だったのか…。この一ヶ月で『西暦』を使う機会が増えることを望んでいるからだと考えられる。

■『元号』と『現金』にはコストがかかる

元号を表記する業界は多い。特に官庁の文書は元号ベースだ。しかし、海外とのデータや民間とのデータ等と参照する場合、必ずケアレスミスを生み出す。西暦を略して19年と表記したり、元号を略して、31年とか表記しているからだ。またプログラムなども西暦と元号での処理によって複雑化する。『元号』と『西暦』を併記して使うとコストがかかるのだ。

政府は現在『キャッシュレス化』を推進している。キャッシュレス化にともない、スムーズなお金の流れを実現できるからだ。それと同様に、今回の新元号以降までの一ヶ月間は、文書における『西暦化』においても非常に意味がある。5月1日から新元号なので、その間には、西暦を使ったほうが便利ということに気づき始めるからだ。

ダブルスタンダードが一番コストがかかる。キャッシュレスと現金、西暦と元号。いずれも、並列で使う期間からすみやかに収束される期間へと移行する。今日から一ヶ月間、西暦表記を見直すところが増えるはずだ。

□平成が終わり、新元号が登場しても、基本的には『西暦』を使うのが一番、世界的な標準化となる。誰も困らない。元号を使うから困ることが発生するのだ。まずは、行政から文書をすべて西暦へと率先して、変更すべきなのである。

出典:元号問題、いや、すべて西暦に置き換えれば解決できる。むしろ世界的な表記ルールを制定しようではないか?

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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