テレビ広告費を抜いたかもしれないインターネット広告費1兆7589億円(2018年)と1日2時間49分

KNNポール神田です。

2018年の日本の総広告費は、6兆5,300億円。そして、インターネット広告費は1兆7,589億円と総広告費の27%を占めるまでになった。

地上波テレビ広告費の1兆7,848億円に迫る規模へと成長。その差はわずか259億円。

2018年日本の広告費6兆5300億円媒体別構成比 出典:電通
2018年日本の広告費6兆5300億円媒体別構成比 出典:電通

https://dentsu-ho.com/articles/6500

1日あたりのインターネット広告費は、48億円(1兆7589億円÷365日)。259億円の差は、たったのインターネット広告のたった5.3日分だ(1日あたりのテレビ広告費は49億円で5.2日分)。すでに2019年になり、2ヶ月以上経過しているとすると、インターネット広告費がテレビ広告費を抜き去っていると考えることもできるだろう。

nippon.comの作成したチャートを見ればインターネット広告の成長度の伸びは明確だ。

主な媒体別の広告費の推移 出典:nippon.com
主な媒体別の広告費の推移 出典:nippon.com

https://www.nippon.com/ja/japan-data/h00405/

インターネット広告費1兆7,589億円におけるマスコミ4媒体のデジタル広告費582億円の貢献度はたったの3%

2018年からはインターネット広告費に「マスコミ4媒体由来のデジタル広告費」(マスコミ4媒体事業者などが独自に提供するインターネットサービスにおける広告費)の項目を新たに設定し、新聞、雑誌、ラジオ、テレビ、それぞれのデジタル広告費を推定しています。

https://dentsu-ho.com/articles/6500

マスコミ4媒体由来のデジタル広告費 出典:電通
マスコミ4媒体由来のデジタル広告費 出典:電通

ユニークな指標が、マスコミ4媒体(新聞、雑誌、ラジオ、テレビ)由来のデジタル広告費だ。今回の発表から新たに加わった指標である。インターネット広告にマスメディアが影響を与えた広告費を表す図であるが、残念ながら、貢献度はたったの3%に過ぎない結果となった。

『インターネット広告費』のより細かな構成要素のデータが必要になってきている

むしろ、インターネット広告費という大きな広告費であるが、細かな構成要素が重要となることだろう。テレビであれば、15秒か30秒などのコマーシャルやスポットや番組提供などの商品構成で理解できるが、インターネット広告の場合、PCにおけるウェブと、スマートフォンにおけるアプリによってまったく利用度が異なる。

PCとスマートフォンとの差、検索連動広告とアプリ広告との差、動画再生時における広告など、インターネット広告のさらなる細分化が必要になってきていると思う。

広告の『媒体』という概念が、有限で希少な媒体から、無限で潤沢であり、かつ属性ごとによって変化する媒体へと変わってきているので、『広告』そのものの概念がスマートフォンで変化しつつある。さらには、『OMO(Online Merges with Offline)戦略』によるマーケティングプロモーションなどによる、商品クーポン配布を広告費換算する必要などもでてくるだろう。PayPayの100億円プロモーションやLINEの期限つき20%還元のようなプロモーションも、ある意味、事業者による抱え込みのためのプロモーション広告費として換算することも可能だろう。さらには、メルカリのメルペイのような、プロモーションでもなく、CtoCで勝手に動く金額も年間5,000億円ともなり、それが市場に流れたり金融商品になると、スマートフォンにおけるアプリのパフォーマンス型広告としても換算できそうな気もする。むしろ、これらの『インターネット広告』を『電通』という広告代理店の組織体一社で集計するのは非常に難しい時代だ。

いまや、信頼が揺らいでいる『政府統計』とも一緒に協力し、広告費やプロモーション費用などを多面的な統計データとも合わせて集計する必要があるだろう。また、日本のGDPに、CtoCの二次流通やそこからの一時流通も組み込むべきだと思う。

青少年のインターネット利用時間『2時間49分』の推移が過去のテレビ視聴時間に似ている

インターネット利用率 出典:内閣府
インターネット利用率 出典:内閣府

https://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/h30/net-jittai/pdf/sokuhou.pdf

すでに、小中高の青少年においてのインターネットとはスマートフォン(62.8%)の事であり、PCに分類されるノートPC(17.1%)やデスクトップパソコン(6.6%)である。高校生においてはインターネット=スマートフォン(93.4%)といえるだろう。

青少年のインターネット利用率の経年変化 出典:内閣府
青少年のインターネット利用率の経年変化 出典:内閣府

高校生のスマートフォン(97.5%)と比較して、小学生のタブレット(42.7%)利用が非常に特徴的だ。中学生になるとスマートフォン(70.6%)タブレット(38%)と変化する。

ティーンネイジャーのメディア体験というのは、一生その人のメディアの嗜好性に影響を与えることを考えると、『青少年のインターネット広告=メディア広告』は生涯にわたって影響が強くでそうだ。

青少年のインターネット利用内容 色づけは筆者 出典:内閣府
青少年のインターネット利用内容 色づけは筆者 出典:内閣府

このデータを見て、言いたいことは、ホント山程あるが、単なる数値データの発表だけでなく、分析も必要かと思う。

なんといっても青少年の利用状況を鑑みて、『コミュニケーション』という今までのマスメディア体験ではない、部分の伸びが気になる。

特に高校生のスマートフォンにおいては、動画(85.2%)、音楽(78.8%)、よりもコミュニケーション(89.9%)なのだ。

これは、マスメディアとマスメディア広告に携わる人は、戦々恐々な結果だ。あと、5年、長くても8年でこういう属性が社会に登場し、10年~20年後には、もはやマスメディア不要の世界がやってくると解釈することもできるからだ。

何よりも、情報を検索しないというGoogleからは地獄のような世界がやってくる。そして、Yahoo!にとっても、ニュースはもはや、勉強と同じくらいに興味がないジャンルだ。

そう、つまり『コミュニケーション』に関わる、ソーシャルメディアで頭角を表せていないと未来はないということがよくわかる。

青少年のインターネットの利用状況 出典:内閣府
青少年のインターネットの利用状況 出典:内閣府

青少年のインターネット利用時間。

とてもじゃないが、目をこらして、見なければわからない。約169分という数字もていねいに、1日2時間49分というべきだ。

総務省の毎年発表している主なメディアの平均利用時間

主なメディアの平均利用時間 出典:総務省
主なメディアの平均利用時間 出典:総務省

http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd252510.html

このグラフを見ると、世代別のテレビのリアルタイム視聴とネット利用の傾向がよくわかる。

少し、特異点を抽出して見ると、テレビのリアルタイム視聴は、10代(73.3分:1時間13.3分)、20代で(91.8分:1時間31.8分)が『テレビ離れ』が顕著である。そしてインターネットは10代(128.8分:2時間8.8分)20代(161.4分:2時間41.4分)が伸びている。つまり、『テレビの視聴時間がインターネットへ完全にシフトしている』。

反対に50代のテレビリアルタイム視聴が(202分:3時間22分)であり、ネット利用(77.1分:1時間17.1分)である。

10代20代のテレビ利用と50代のネット利用が同程度ということがよくわかる。年代別でこれだけ差があれば、テレビはもはや、『老人メディア』としての広告を考えざるを得ない…。

青少年のインターネット利用時間 出典:めざましテレビ フジテレビ
青少年のインターネット利用時間 出典:めざましテレビ フジテレビ

そして、何よりも政府の発表するデータには見やすさが、一切、配慮されていない。政府にも、テレビ並のデザイナーを投入してプレゼンテーション資料に赤入れをしてもらったほうが、データの利用度がより高まると思う。外注でもよいので見やすいデータにしていただきたいものだ。

グラフというのものは小学生でもわかるためのヴィジュアル化のツールなのだから…。

ナイチンゲールが円グラフの一種を発明したように、状況を伝えるためのツールということを理解してほしい。