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ボクが「KNN ASIA」をクアラルンプールでスタートした理由

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

KNNポール神田です!

2017年6月1日から、マレーシア、クアラルンプールにも拠点を増やした。

『KNN ASIA NETWORK』という新しくアジア圏全体を日本の商圏にしたいという考えからだ。一番危惧するのは2020年の東京五輪以降の日本のヴィジョンが何も政府から聞こえてこないこと…。オリンピックのたった数週間が終わったあとはどうするんだ?あと3年もある2020年を目指して、いろんな法規制の緩和をしている。しかし、あと3年も経過すればアジアの発展途上に完全に抜き去られるリスクが多大に存在している。

現在の日本に居住していることのリスク

震災リスク、原発リスク、北朝鮮のミサイルリスク、さらに変わりゆく世界の中でのグローバルリスク、そして最大のリスクは、「英語リスク」である。たとえば2030年の日本はどうなっているだろうか?シャープ、東芝、日本の企業が変化さぜるを得なくなっている。良い大学、良い会社が決して良いゴールではなくなっている。おそらく、日本の大企業ほどグローバルな企業との多国籍コングロマリット企業にならないと世界で生き残れなくなっているからだ。ビームを買収したサントリーホールディングス、ARMを買収したソフトバンク、世界に踊りでないと活躍する舞台はなくなる。…ということは世界をマネージメントする為に必要な最低限の素養は「英語」となる。

多国籍コングロマリット企業時代の「英語」のたしなみ

英語のネイティブ圏でない人たちとの最低限のコミュニケーション言語も「英語」なのである。マレーシアでは、タクシードライバーでも、街中でも英語が使える。それはテレビでも英語と日常的に接しているからだ。日本のテレビで英語番組は「Eテレ」以外に見ることがない。どの国でも最低限、インターナショナルの放送チャンネルを2〜3チャンネルは持っている。日本ではインターナショナルチャンネルは一切ないのだ。世界の人々はこの日本のチャンネル状況に驚く。だから、英語を何十年日本語教師が日本語で英語を教えても意味がない。さらに、小学校でネイティブな先生がいないにもかかわらず親しむ英語教育を開始する。むしろ、総務省が民放各局に1日に最低4時間の英語を免許維持として義務づければ、深夜枠は英語番組で完全に占められるだろう。

ニュース素材の英語化でも十分に英語化は実現可能だ。さらに、英語「教育番組」でない番組を製作すれば世界に売れるチャンスすらあるのだ。特にアニメの英語化は最初から市場が醸成されている。文科省と総務省、経産省に閣議決定で示唆すれば良いだけだ。多国籍コングロマリット大企業時代に、ニッポン人がイニシアティブを持つには、世界の文化を知ることも必要だ。日本の減少する多くの若者が、奨学金の返済に追われて海外に出る余裕もない。また日本人のパスポート所持率も24%で、4人に1人しか世界を知る機会がない(旅券統計より)。ちなみに英国、オーストラリアは70%以上。アメリカでさえ30%以上だ。これは日本とアメリカに言えることだが、国内で事足りてしまうことが原因でもある。しかし、人口3億人、うちミレニアル世代人口8000万人いるアメリカと、年間100万人以下しか赤ちゃんが生まれない日本とでは、大いに事情が異なる。さらに、「生きた英語学習機会」と「異文化適応力」という意味では日本はまったくグローバル時代に適応できていない。

東京-クアラルンプール往復は新幹線での東京-大阪と同料金のLCC革命

なんといってもLCCの普及がアジアを狭くした。その中でもアジア圏における「エアアジア」の業績は大きい。燃油サーチャージがかからない今となっては、東京ー大阪間の新幹線の料金約3万円と、東京ークアラルンプール約3万円は同等の料金になった。いや、キャンペーン期間では往復約2万円の時もある。これはアジアも赤いパスポートがあれば、商圏になりえるということを意味している。アジア圏は東京から見ると関西と同じコスト距離だからだ。

「新幹線」という国営でもない企業が40数年間も値下げしない間に、グローバル企業がコストカットに励んできた証拠だ。さらにネットワークはアジア全域からサウジアラビアからハワイにまで至った。

エアアジアの就航国
エアアジアの就航国

http://www.airasia.com/jp/ja/where-we-fly/route-map.page

物価の安さではなく、年収3倍、住居10倍が可能なアジア圏

アジア圏のすごいところは、インフラ全体は発展途上ながら、日本の昭和並のところに、スマホとインターネットがドッカーン!と降り注いでいるところだ。月に30GBが300円で買えるエリアでは24時間スマホで過ごせる。いちいちWi-Fiなど探す必要がない。足りなければ、コンビニで買い足せば良い。物価は日本の1/3。つまり日本の年収が300万円の人は900万円の暮らしがここ、クアラルンプール(KL)では可能だ。いや、住居においては、コンドミニアムスタイルが乱立しており、5.8万円で3ベッドルームに2バスさらに公共スペースには、プール、ジム、サウナ、BBQスポット、スカッシュテニスコートまである。東京23区ではワンルームでも厳しい条件なのに…。居住空間のクオリティは都心と比較すると10倍以上のアドバンテージがある。

これらが、出社通勤を必要とせず、インターネットだけで仕事ができる人ならば、年のうち3ヶ月間だけでも居住をシフトすることは可能だろう。いわば、定年後の永住とかロングステイではなく、年の数ヶ月だけの『プチ居住』だ。

日本の企業で「ネット上で働き」ながら、海外に『プチ居住』するという働き方と暮らし方改革を提唱

日本の企業でネット上でそのまま働き、3ヶ月程度、海外でプチ居住できる。マレーシアでは、年間3ヶ月*2回の180日(半年間)まで観光ビザのまま居住できる。また、海外で就労収入を得ていないので、収入に課税されることもない。どちらの国の法律も犯してはいない。ま、入国時に税関で「観光」というプチ虚偽は必要だが…。プチ居住は観光の一部とも解釈できる。

企業も迫りくるグローバル時代に対して、社員を対応させたいニーズはある。しかし、アジアに進出するとなると大変だ。しかし、進出せずに福利厚生面での保養地、レジャー施設として、アジア圏に社員用のコンドミニアムを運用すればよいだけなのだ。経費でも落とせるはずだ。そして、インターネット回線さえあれば、仕事は十分にできる。テレカンファレンスも時差が1時間なので十分に可能だ。ついでに、環境が変わると新たな情報やアイデアも続々とでるはずだ。日本の概念をとりはらえば自然にと…。

東京ークアラルンプールは、東京-大阪出張の費用で移動できる。しかも、たった月額6万円の投資でアジアに南国のプールつきの3ベッドルームの保養所をレントできるのだ。常夏で、厳しい冬も花粉の時期もない。1人あたりの福利厚生費用は、たったの2万円だ。

しかも、利用しない部屋は、法人として、エアビーアンドビーで運用委託すれば、利益さえ出る可能性がある。ボクは、ニッポンの将来のために、日本人が納得する高級コンドミニアム物件を探すために、クアラルンプールに拠点を設けたのだ。ジャーナリズム活動以外に物件を持たない不動産のプラットフォームを作りたいのだ。そして、こちらに3ヶ月いる間は、荷物を管理してもらいながら、外国人にレントするというスキームも考えられる。そう、一箇所の家賃を払えば、世界のどこにでもプチ居住できるというプラットフォームを目指している。

法規制で縛られるネット最前線を体験する意味

今や、世界のホテル業界、タクシー業界のNo.1は、エアービーアンドビーやウーバーである。しかもどちらも、宿泊施設も車両設備を自前で持ってはいない、シェアリングエコノミーのプラットフォームサービス提供者だからだ。そう、これからはネットを経由したプラットフォーム覇権の第三次世界大戦なのである。日本では、いずれも飯櫃な法律の中で本来のチカラをまったく出せていないサービスであり、何も社会に変革をもたらせていない。どちらも、こぞってメディアが悪い情報のみを報道し、鬼っ子扱いしている。その間にアジアでは、プラットフォームが着々と社会インフラとして成立している。

過去の業界との問題も、マレーシアでは、利用者側が便利な方へ舵を切らざるをえなく、ハードランディングで進んできた。しかし、日本の生活者だけでなく、サービスを牽引する側の日本のベンチャーや起業家は、偽物のサービスしか日本では体験できていない。その偽物しかしらない経験で新たなサービスを作る日々を考えている。

実際にこちらに住む日本人では、「ウバる」「グラブる」でUBERやGRABタクシーを使いまくる。もう、スマホで明瞭料金で愛想が良い何よりも財布がいらない手軽さ。Wazeというグーグルが買収した音声ナビがあれば、素人ドライバーも言葉が話せない人もドライバーになれる。この現状を体験するだけで、日本が一日も早く規制緩和をしないとヤバい!という事に気づくことだろう。Wazeはクルマがくるまでの赤信号や青信号の状態まで教えてくれるから、体感であとどのくらいで到着するのかも目視で確認できるのだ。

クアラルンプールからはアジア圏の移動が数千円

そして、アジアには、なんといっても、エアアジア以外のLCC航空会社が乱立している。価格競争で、ASEAN近隣諸国は飛行機でも片道1,000円程度で行けてしまう。横浜から東京ディズニーランドにいく電車代よりも安いのだ。日本からはイメージしにくいようなインドネシア2.6億人市場も数千円で実際に現地で体験し調査できるのだ。

そう、トランジットの拠点としてもクアラルンプールは絶好のロケーションにある。東京・羽田からのエアアジアの深夜便に乗れば、翌日の早朝からはクアラルンプールだ。移動時間は7.5時間。睡眠時間にちょうどだ。時差もたったの1時間。もう、これからはアジア圏も日本の商圏としての認識できる時代だ。

今日は、マレーシアのランカウイ島のリゾートでの無料WiFiでこの記事を書いている。こちらは関税がないのでイスラム圏でも、ビールが65円で飲める。日本で給料がもらえるうちに、日本とアジアのデュアルライフという新たな生活スタイルを提供し、日本の未来にイノベーションを起こしたいと考えている。

海外母子留学というスタイルだけではなく、自由に世界を行き来できる、インターネット時代にボクたちは生きている。そんな封建的な日本社会からのブレグジットなライフスタイルを勝手に実行されれば、時の政府だって既得権益を守るだけではなく、少しは考えてくれるようになるだろう…。合法的にグローバル世界を個人が味方につけられる時代なのだ。世界に出なければ、これから日本の子どもたちはますます日本の枷の中で萎縮するばかりだ。その反動でなくならない同胞同志のイジメなど…。年間数ヶ月を観光ビザで『プチ移住』するだけで、日本人の国際的な価値基準は高まると思う。そして、それを制度として認める企業のプレゼンスが一番高まるのだ。給与は同じでも、提供できるポテンシャル・バリューがある企業として、競争優位性が高まることに期待している。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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