FC2創業者に逮捕状、それ以前に18歳以上にYESの問題点

アダルト以外にも多彩なサービスが提供されているFC2.comのサイト
アダルト以外にも多彩なサービスが提供されているFC2.comのサイト

KNNポール神田です!

インターネット動画投稿サイト「FC2」をめぐるわいせつ動画公開事件で、京都府警などの合同捜査本部が、わいせつ電磁的記録記録媒体陳列の疑いで、FC2を創業した40代の男の逮捕状を取り、全国に指名手配したことが20日、府警への取材で分かった。これまでの捜査で、創業者の男の刑事責任を追及できると判断した。

男は米国籍を取っており、日本に長期間帰国しておらず、合同捜査本部は警察庁を通じて入国管理局に、男が出入国したかを調べる「国際海空港手配」の手続きもとった。

出典:FC2創業者に逮捕状、指名手配…わいせつ動画を公開の疑い

FC2を巡る問題は、著作権から、わいせつ物頒布、わいせつ物陳列幇助、わいせつ電磁的記録記録媒体陳列などと多岐に渡る…。そもそも、一番の論点は、ネット上のコンテンツの所在(サーバ)が日本にないことであった。しかし、京都府警は、今回それらの実態が日本でやりとりをされているという点で国際的な指名手配に及んだようだ。

法律とインターネット

インターネットのサービスは、国による規制がない限り、世界のサーバーへアクセスすることができる。そして、また課金に関してもクレジットカードや、PayPalなどを通じて決済することが可能だ。しかし、世界にはそれぞれの国によって細やかな法律がある。しかし、インターネットにおいては、そんなそれぞれのお国事情などは、まったく関係がない。

日本では、刑法第175条で、わいせつ物頒布等として、

1 わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、2年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。

2 有償で頒布する目的で、前項の物を所持し、又は同項の電磁的記録を保管した者も、同項と同様とする。

という法律がある。

日本国の中で、『わいせつ物』というのは、生殖器のことを言い、いつしか時代によって『ヘアー』や『肛門』や『内蔵』はいわゆる『わいせつ物』ではなくなった。このあたりも日本のわいせつのくくりは、非常にわかりにくい。しかし、3Dプリンターによる性器の型取りデータは『わいせつ』という判断だそうだ。そして、その法律の解釈によって、今回のFC2.comの創業者への逮捕状の措置が取られた。

日本におけるFC2.comの影響

FC2はアダルトの側面だけでなく、多才なサービスが繰り広げられている一般のブログも無料ブログとして人気もある。しかしアダルトコンテンツがあることで、企業からは制限がかけられたりもしている。

永江一石さんがユニークな記事を書いている。

FC2のユーザーは1ヶ月に平均して1400分も動画を見ている。月間1400分は23時間。毎日見たとすると1日平均46分。ドワンゴも1300分と凄いが、本数が少なくて1訪問あたり3.6だから、ひとつの動画というか放送をじっくり見ているのだが、FC2の場合は11.5本。つまり見て,見て、見まくってるのであります。

FC2は男性率64.4%!!! と、異様に男性率が高い。そして年齢構成が低い。これは15歳以上の全ユーザーの集計だが、自分の私見では15歳未満も大量にいると思う。

出典:永江一石のITマーケティング日記

2013年の記事だから、現在では、もっと見まくられているに違いないだろう。それと同時に気になることがひとつある。それは未成年の視聴だ。

あなたは18歳以上ですか?

アダルトコンテンツのほとんどが、『あなたは18歳以上ですか?』のYESとNOに振り分けられる。これをYESをクリックした人はすべて、たとえ10代でも成人としてみなされる。こんな、簡単なセキュリティってありえなくないだろうか?

日本で『わいせつ物』として、判断して、規制をして、逮捕状をとったところで、法律は守れても、根本的な解決にはならない。そう、警察は事件を解決するところであり、未然に防ぐところではない。

世界のありとあらゆるアダルトコンテンツに、中・高校生でもスマホでアクセスできる。しかも無料で無尽蔵にだ。それが日本語でという点でFC2.comは敷居が低かった。しかし、NOとクリックする中・高校生は世の中に、そんなにはいない。何の意味もない未成年に対するセキュリティである。その状況の中で、日本の事業関係者の『わいせつ』だけを隔離したところで、問題解決にならない。

そもそも、その法律上における『わいせつ物』そのものが形骸化しており、スーパーやハイパーやらの『モザイク』だから良いというわいせつもいかがなものだ。

アダルトコンテンツの架空請求事件もあとを経たない

福岡県警の50歳代の男性巡査部長がアダルトサイトの詐欺に遭い、解約手数料として約1800万円をだまし取られたことが分かった。福岡県警豊前署が2015年7月29日に発表した。

出典:福岡県警50代の巡査部長が1800万円アダルトサイト詐欺被害

犯人を捕まえるべき立場のベテラン警察官でさえ、ネットに対しては情報弱者である場合が多い。警察でありながらという職業上における倫理観がさらに犯罪を助長させる。

むしろ、日本の『わいせつ物』の概念をグローバル化に対応し、年齢に関係なく、詐欺サイトなどの手口に対しての対応法などを再教育する必要があるのではないだろうか?また、モザイクなどが不要になることにより、反社会的勢力の財源元を遮断することができ、全体の情報リテラシーの底上げになるのではないだろうか?もしくは、地方で過疎化が進んでいる地域からからでもアダルトコンテンツ特区として、無修正でまちおこしというような施策も考えられることだろう。もはや形骸化しているネットコンテンツに規制をかけていることそのものが、貴重な税収の無駄遣いかもしれない。FC2という無料のガス抜きサイトをいくら叩いたところで、悪徳サイトの被害者が増えるばかりだと思う。有料の正規モノはモザイクがかかり、無料の違法のモノは無修正というのはどう考えてもおかしいだろう。であれば、正規モノが生きられる道を選ぶほうが産業育成の側面からも正しくはないだろうか?

1961年神戸市生まれ。ワインの企画・調査・販売などのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の編集とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送局「KandaNewsNetwork」を運営開始。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を兼任後、ソーシャルメディア全般の事業計画立案、コンサルティング、教育、講演、執筆、政治、ライブストリーム、活動などをおこなう。メディア出演、コンサル、取材、執筆依頼 などは 070 5589 3604 まで

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