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なぜ財務省は、国の借金1029兆円を国民一人あたり811万円に換算するのか?

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

KNNポール神田です!

財務省は2015年2月10日、国債と借入金、政府短期証券を合計した「国の借金」が2014年12月末時点で1029兆9205億円になったと発表した。2015年1月1日時点の総人口1億2702万人(総務省推計)で割ると、国民1人当たり約811万円の借金を抱えている計算になる。

出典:国の借金1029兆円、14年末 1人当たり811万円

毎年、この時期になると、財務省の発表に、なぜ財務省は、国の借金1029兆円を国民一人あたり811万円に換算するのか?と疑問を抱かざるをえない。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/kandatoshiaki/20130813-00027243/

http://bylines.news.yahoo.co.jp/kandatoshiaki/20141211-00041420/

ボクの自論だが、国民一人あたりで計算するのではなく、'''財政支出を決めている国会議員の一人当たりで計算すべきだと思う。

'''

衆議院は475人(小選挙区295人・比例代表180人)

参議院は242人(選挙区146人・比例代表96人) 

国会議員の合計717人

国会議員の皆さんが、これらの国の予算を決めているのだから717名で換算すべきではないだろうか?すると、国会議員の責任がいかに多大かということがよくわかる。

本日発表の1029兆円の借金は、

国会議員1人あたり、1兆4,351億円となる。

国政選挙で、議員を選ぶ時には、一票に1.4兆円を託す思いで選ばなければならない。

むしろ、国債(国庫債券)は日本国が発行する債権であり、国民が日本国の主権者であると考えると、国民は政府に対して、1人あたり811万円の貸しがあると考えることもできるだろう。

債権者である国民に対し、債務者扱いした発表を繰り返す、財務省の論理思考を変えない限り、日本の借金は増え続けるだろう。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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