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フェイスブック経由の知人招待、まずは無視!スパムアプリ「Wiper」に注意!

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

KNNポール神田です!

拡散中のWiper Messenger
拡散中のWiper Messenger

【実録注意喚起】いまFacebookで『Wiper招待しまくり』の被害が続出! 友達から「Wiper Messengerへの招待がありました」の通知が来たら要注意!!

出典:友達から「Wiper Messengerへの招待がありました」の通知が来たら要注意!!

インストールして普通に、Facebookで認証、ログインしてしまうとあなたの友達すべてに、同じように招待メールが勝手に送られてしまいます。

出典:スマホ無料通話アプリ『Wiper』がFacebookでスパム拡散中! ご注意を

またもや、フェイスブックの知人のリストを悪用する悪質なスパムアプリが2014/12/17/水あたりから絶賛拡散中だ。今回の問題のアプリは、盲導犬チャンネル登録ではなく、今まで通常アプリがアップデートを機に豹変したことによって、ベテランユーザーがすっかりダマされてしまったことが拡散のポイントになっている。

フェイスブックやアプリに強いユーザーからバンバン招待が来るので、疑いもせずにインストールしてしまい拡散の被害に巻き込まれてしまうのだ。

今までは通常アプリだったのに、豹変したマーケティング

Wiper Messengerは、送ったメッセージが読まれたら消えるタイプの以前からあるアプリ。しかし、今回はそれを爆発的に普及させるために、facebookの「あなたの基本データおよび友達リストへのアクセスします。」を悪用したことが原因だ。今まで、普通につかえていたアプリのアップデートだから意識せずにアップデートし、OKをついつい確認せずに押してしまっただけだ。

知人リストへ勝手に拡散することにOK!しないでください!
知人リストへ勝手に拡散することにOK!しないでください!

そう、普通の人は、OK OK OK と内容を読みもしないで押してしまうものなのだ。それは決して悪いことではない。しかし、これからは、もうよしておこう。特にフェイスブックにおいては…。

友達リストにアクセスできるフェイスブックのサービスを利用して、悪質化したアプリは、巧みに「知人からの招待」を有効に使う。もちろん、フェイスブックの標準の機能なのだから、悪質とは言いにくい。さらに文章でも「友達リストにアクセス」に明記されている。これで、圧倒的にアプリのユーザーが増えるのだから笑いが止まらない。こうやって、アプリ開発者たちは暗黒のフォースへ堕ちて行く。

なので、こんなことを言いたくないのだが、現在のフェイスブックにおいては、どれだけ親しい知人からの招待でも、個別のメッセージがないものは、絶対にクリックしない!見ない!読まない!スルーするを心がけておきたい。ついつい、興味を持ってしまって何かをクリックした段階で、あなたの知人にも同じように招待が一斉に配信されてしまうのだ。

なぜ、こんな仕様をフェイスブックは野放しにしているのだろうか?

すべての問題はフェイスブックの仕様にある!

これは、フェイスブック側が「知人リストへのアクセス」を一種の営業品目として容認していることが最大の問題なのだ。広告ユーザーなどに関してもそこが利点なのだ。そこを是正するのではなく、フェイスブックはユーザー側への利用規約を変えてでも、強制的にユーザー側で自分の責任においてプライバシーをセッティングしろというスタンスなのだ。彼らは、それが嫌ならば、フェイスブックを使ってもらわなくて結構ですというスタンスだ。合意したくなければ、フェイスブックを辞めるしか我々に選択肢はないのだ。

2015年1月1日(木)からはすべてFBの利用規約に合意している

フェイスブック、来年からの利用規約に要注意!」でも注意喚起しているが、「プライバシー・ベーシック」によって個人で情報をコントロールしてくださいと勝手なお願いがなされる。来年から(あと12日後)、フェイスブックを利用する人は、すべて合意したことになっているのだ。

つまり、「あなたの基本データおよび友達リストへのアクセスします。」的なアプリもフェイスブック側には

責任がなく、プライバシーセッティングをしていないあなたが悪いということになるのだ。しかも米国政府やらCIAやFBIなど、いろんなところにも、問い合わせがあれば個人情報はジャンスカ提供すると明言している。さらに行動ターゲティングや、ジオデータや移動データ、購買データなども広告に利用される。それを理解した上で使用する。…なので、フェイスブックに、個人の名前以外の情報を教えるメリットはどこにもない。

このようなアプリの拡散に使われたりハックされた時のリスクが増えるだけだからだ。

フェイスブックの代わりはないのか?

ここまで、広告主側のスタンスに立っているのは、フェイスブックのフリーミアムモデルが広告主側にあるからだ。楽天のショップからのスパムメールが減らないのと同じで、エンドユーザーよりも広告主のほうが単なるユーザーよりも大事だからだ。いわばユーザーは広告主を集めるための材料にすぎないのだ。

こんなフェイスブックを辞めて、実名制でもう少しまともにと思っても、同じ規模感で使えるとすると、「リンクトイン」や「Google +」くらいしかない。リンクトインは英語がメインであり、Google+はGmailアカウントとのヒモづけが大前提で好きなアドレスを適合できなかったりする。

もしも日本のミクシィやグリーやサイバーエージェントらが、ゲームでうつつを抜かすのではなく、実名主義のSNSに本気で取り組んでいたらと思ってやまない。

これだけ、文句を言いながら、フェイスブックを使っている。しかも強制的利用規約変更に、無礼なアプリの横行。まるで、GHQの言論統制に近いのではないだろうか?

頑張れ日本企業!日本のユーザーのためになるような日本語ローカルなフェイスブックのクローンは、そんなに難しいのだろうか?日本人は世界でつながるなんて、本当は必要なんだけど、今は必要ない。

日本語で会話できるシンプルなSNSのプラットフォームをまさに求めている。

フェイスブックから日本人が民族大移動できるこのチャンスを、なぜベンチャーは手をこまねいて見ているのだろうか?

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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