KNNポール神田です!

「iTunes Match」が日本でもようやくサービスを開始した。いや、開始というよりも解禁といった方が近い。

http://www.apple.com/jp/itunes/itunes-match/

米国のサービス開始から遅れること、なんと2年半(米国リリースは、2011年11月14日)の遅れだ。

しかも、料金にさらに驚いた!

年間、米国24.99ドル、日本は3,980円!
年間、米国24.99ドル、日本は3,980円!

米国が、年間24.99ドルに対して、日本は年間3,980円。1ドル159円で、1,500円近く高い!これはAppleが…というよりも、日本の音楽の権利を持っている方々との交渉の上での価格なんだろう。

それでも、このiTunesMatchを使うと、どのデバイスからも自由にiCloudを経由して音楽が楽しめる。自分のHDDのデータのバックアップとしても機能する。

最大25,000曲までマッチさせることができる。

iTunes Storeには3,700万曲以上のデータがある。

データのない曲だけが、iCloudにアップロードされる。

ボクのiTunesはすでに2万3,000曲。重複している音楽が多かったり、データが見つからないなんてこともあり、使い勝手が悪かった。iTunesMatchにすればそのあたりもきっとクラウド側で解消されることだろう。

iTunes Storeには3,700万曲以上がストックされており、その中にない自分の持っている曲だけが、アップロードされ、どの端末からでも楽しめるようになる。

iTunesがマッチさせたすべての曲はiCloudから256Kbps AAC、DRMフリーの音質で再生される。

たとえ、こちらのビットレートが非常に高くても、低くてもこの音質で再生される。これは良いような悪いような(笑)。

つまり、iTunseMatchは、音楽の「名寄せシステム」であり、誰がどの曲を持っているのかをお預かりするのだ。それを一曲づつで預かるのではなく、音楽というデータの「名寄せ」で扱うので、ローリング・ストーンズの「ミス・ユー」という曲を1,000万人が持っていたとしても、iTunseMatch上で名寄せすれば、世界に提供するためには、たったの1曲だけという状況だ。

だから、AppleもCloudで新たなに持つ音源データは、音楽会社から預かっていない楽曲だけだ。

世界第二の音楽マーケットである日本が解禁したことによって、Appleには恐ろしいほどの、Appleが持っていない日本の音楽データのインデックスが集約されるのだ。

この膨大なビッグデータを扱い、アップルは音楽プラットフォームとしての手数料を稼げるビジネスと、日本のユーザーからは、年間3,980円の音楽管理料を徴収しながら、新たな音楽産業の次の手を考えることができるのだ。

Amazonも音楽のデータ販売では、AutoRipを展開しているが、こちらの日本での解禁にも拍車がかかることは確実だろう。

amazonオートリップ(AutoRip)は、CDを介した新古市場ビジネスモデルに進化する!

http://bylines.news.yahoo.co.jp/kandatoshiaki/20130113-00023046/

パッケージで可視化され守られた市場ではない、無色透明な市場で戦わなくてはならないのだ。

スマホで、タブレットで、AppleTVで自分の購入した音楽をAppleのiCloud経由で視聴する。

すでに、音楽はもう最初から「所有」する必要の意味のなさを問われているといってもいいだろう。

そこにある倫理は、自分が購入したデータなのか否かだけである。

そして、現在の音楽の価格も、ビニール盤からのパッケージ流通ビジネスモデルで算出された価格を元にベースが決まっている。それらの適正価格を電子書籍と同様に見直される時期は近いことだろう。

特に、日本の場合は、レンタルレコード店で借りたきてCDをリッピングしているデータの可能性が非常に高い(欧米では音楽CDのレンタルの商慣習がない)。日本は音楽再生プレーヤーのメーカーが多いため、レンタルで再生機器の普及に拍車をかけた黒歴史があるからだ。

だからこそ、所有していないレコードやCD、友達から借りたデータなどの「データ保有市場」は大きく、そのデータがAppleにアップロードされることに抵抗があったのだ。しかし、世界の音楽産業全体が、大きな大きなうねりに乗り込まれている。この大きな潮目にどう対応するかで、未来の覇権がかかっている。アーティスト、権利者、音楽出版会社、レコード会社、プラットフォーマー、著作権管理団体、リユース商品市場、そしてクラウドデータサービス市場と、複雑怪奇にコンテンツの市場が新たな方向へと向かっている。